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セルデシア・インザ・リューリク  作者: 創手カケラ
小さくても強く、小さくても怖い情報屋
52/94

始めましょう

「ふふっ……相も変わらずね」

門と通りが見える建物と繋がる櫓の上、外を眺めて、楽しそうにする女・メイシェン。目線の先には周りの雰囲気と違う男が二人。それを見ながら煙管をふかす。

「あの二人には困ったものですね……主」

「そうかしら?こんな世界であんなことを言い出す人は特別よ多分だけど、ある種ギムレント()ぐらい」

その彼女のもとにロンファオが戻ってきた。表情は主の前だが不快さを隠しきれてない。それを見て楽しそうに笑い首をかしげてロンファオに声をかけ煙を彼に纏わすように吹き掛ける。無臭の紫煙とはいえロンファオは眉を寄せてしまう。そうしていると、またくすりと笑い今まで隠していた九尾を現して、櫓に置かれたソファに腰かける。

「そんな甘いことを、我々に言うことが困るではありませんか……我々とてどれだけ……んっ」

「それを言ったらキリがないわよ……それに、彼は私たちが考えていないことを考えてあれをいったのだと思うわよ」

ロンファオの先程までと違う怒りに似た感情を顔に表して文句を言おうとする。だが、メイシェンはロンファオの口に人差し指を添えて言葉と止めさせる。顔を近づけてくればドキリとロンファオはするが、彼女はまたくすりと笑い彼のこと語る。

「んっ……考えてあれですか……」

「ふふっ、まだ案が決まってないのでしょうね。この世界を相手にする案が……まあ、けど彼のせいで少し忙しくなるわよ」

ロンファオから離れて、尻尾を撫でつつ煙管を火皿に置き目を細めて声のトーンが途中から変わり妖艷九尾・金蛙の女主人の顔を見せる。

「忙しくですか?」

「ええ、彼は私たち以外の有力ギルド、中小でも名の上がるギルドと面識があるじゃない?その彼がまだまだ小さいとはいえ、我々に近付こうとやって来た生産系ギルドの一つ。そのマスターと来たのよ?」

「……他のギルドが……」

「他のギルドは黙ってないでしょうね?接触したことを探りに、情報集めに、直接挨拶に来るギルドもいるかもね?より、力をつけるためにソロや中小ギルドの冒険者を飲み込もうと動くでしょうね。楽しくなるわよ」

「はぁ……では、今後の予定は?」

彼女の言う可能性はこの状況下ではあり得る。日本拠点とはいえ、あちこちのギルドに顔を出し、レイドやイベントで遊んできた彼が別のギルドマスターと有力ギルドの一つに、挨拶に何か約束を取り付けに言ったかの様に見える。それがまとまるまとまらないとは別に、この出来事は他のギルドからしたら由々しき事態とも取られても可笑しくない。ギムレントの交友関係とはそれほどまでのもの。

大きくため息を付き、ロンファオは彼女に訪ねる。彼女に従える優秀な僕の一人として訪ねる先程までのような表情でなく冷たい目で彼女の目線に合わせて訪ねる。再び煙管を持ち妖しく笑えば女主人は命を下す。

「商人の基本は情報集め……そろそろ本来の私たちに戻りましょう。人員を導入して、集めた資材を使って、他商ギルドより多くの情報、この状況を調べさせなさい」

『主の仰せのままに……』

彼女の言葉に、母国の言葉で返事をする。そうして、ロンファオは下がる。女主人は煙管をふかし、煙を天に吐く。煙が宙に広がり薄靄として消えていけば微笑む。

「私たちが折れるようなことを貴方なら出来るでしょ?ギムレント……」

勢い書きの悪いことですよね。カッコの仕分けなどもしないと……もう少ししたら大地サイドをお送りします

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