偽善でも
「すんなり受け入れたっすけどいいんすか?ホントに?」
「ん?ホントはいやだったのかな?ガラン?」
「いや、そういうわけではないんすけどね」
「ならいいだろ。一人や二人。困ってる人を受け入れるぐらい」
「まあ、困ってる人を受け入れない方が糞っすけど……」
ガランがふとギムレントに聞く。ただ単に、理由があったわけでもないが聞いた。けどギムレントはそれに真面目に答えるでもなかった。困ってる人をどうこうといつもの風ではあったがその顔は明るくはなかった。
「そうですね。ああいう子なら特に……それにススキノの話を聞くとそろそろ危ないかもしれない。今後はどこの都市もそうなる可能性が」
「そうそう、ジーフェンの言う通りさ……」
ススキノの話。既に素行の悪い連中が暴れだしていると言う現実。今後どうなるかわからない状況下。そんなか出会ったレベルの低い初心者の女の子。この世界では一番弱い存在そんな子を放って置くべきか否か。ジーフェンの話すことにギムレントは続けた。
「まあ、強いて言うなら、可愛い子が困ってたら助けるのが普通だろ?ゲームだろうが現実だろうがな」
ギムレントの表情が変わる。足取りも軽くなり二人の先を進む。そして、少し先でくるりと回り二人に話す。困った人を助けるのはゲームだろうが現実だろうがと笑いながら続けて語った。そして、眼差しからは曇りが消えた。
「可愛い子限定っすか?」
「そうじゃねえよ……たく」
「冗談っすよ」
「なあ、お前ら……お前らは悪党がいいか?おりゃあ、偽善と言われようが今は善人でありたいね……お前たちは?」
「それはギムレントさんと同じですね……」
「俺も悪党なんかごめんっす」
「そうだろ?それにこんな状況……俺の生きてる間に体験できるとは思っていなんな。なんの巡り合わせか……こんな世界でわざわざ悪党やるなんざ勿体ないね。そうそうさな……もったいないさ」
二人に語りかける事は二人にとっても選ぶまでもないこと。こんな状況でそんなことを語る奴などと思うわれようが、ギムレントにはどうでも良くなった。その目の輝きは違う意味で光輝きギラつく。ギムレントのなかで、また少し考えが変わり何か受け入れていた。
「正直悪党っぽいっすよ。ギムレントさん」
「今のギムレントさんの方が悪党ですね」
「失敬な……」
ギムレントの表情にガランとジーフェンは悪党と言う笑う。笑われたギムレント笑い再び歩き出す。町中の周りと違う雰囲気で、とても明るいそれを見るものはとても冷めた目を向けていた。まるで明るい方がおかしいかのように、なにかが憎いかのように睨むようでもあった。だが、その目にギムレントは気にする様子はなくなった。これと言って口言うこともなく。諦めたような相手の目に哀れむでもなく。
「レントさーん!!ガラーン!!フェーン!!」
「三人お揃いですね……」
「お?これで後一人か。無事でしたか、葵さん、大地さん」
進むはじめてすぐ、三人に声をかける元気な女性の声と落ち着いた男性の声。近づく、その声の主を見てギムレントは葵と大地と呼ぶ。三人と二人は安心し、葵と呼ばれた女性が明るく三人に続けた。
「いやー、弱ったねー、気づいたらこんなとこにいてさ驚いちゃったよ」
葵と大地は和装の男女。葵は和弓と靫を背負い、白と赤の巫女さんのような格好。髪は地面につくのではと言うぐらい長い青の濃い紫の髪を束ねている。大地は眼鏡をかけ、黒と赤の配色の大鎧に身を包む。双振りの刀を得物にしてるとても落ち着き真面目な雰囲気の男性。逆に葵はとても軽い雰囲気で場違いな空気を寄り作っていた。弱った弱った言うわりに弱った表情でない葵に、隣を歩く大地ツッコミをかねて質問する。
「弱ってるようには見えませんよ?葵」
「弱ってますよ。明日は再放送のドラマ最終回だったんだよおお弱りですよ」
帰ってきたのは、ギムレントやガランより悪い返答。それに大地は無表情になり質問をやめた。三人はその一連の流れに思わず笑う。一笑い終るとギムレントは尋ねる。最後の一人のことを。
「して、お二人さん?我らが名指揮官はしらん?黒兵衛?」
「あれ?確認してないの?」
「黒兵衛さんは……ウラジオンですよ。フレンドリストを見ると……」
「え……嘘……あー、マジか」
ギムレントは首をかしげて言う二人に言われた通り、フレンドリト開き、宙のリストをスクロールして探す。見つけた黒兵衛はIN状態で……場所はウラジオンとなっていた。ギムレントの声は小さくなっていた。
書き直しを少しずつ、進めております☆進みが悪くて申し訳なく。またあまり変わらないようにも思えますが、それでもマシになってると思います。
ギムレントの心情の移り変わりをかけたらいいのですがまだまだですね。