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セルデシア・インザ・リューリク  作者: 創手カケラ
小さくても強く、小さくても怖い情報屋
49/94

女主人と紫煙

奥へ進み扉を開けられると中は、その空間は先程のエントランスよりさらに広く、数多くのテーブルや遊戯台が置かれていた天井からは豪華な装飾された照明が吊るされ、ちいさなランタンが浮いていた。人も多く、中国サーバーのプレイヤーだけでなく、ここロシアのプレイヤーと思われるものもいる。各テーブルには、外では売り切れの果物が、籠にもられてて、いつでも食べれるようにしてるらしい。遊戯台の他に、ステージもあり、その上では少し露出の高い服の女性が踊りを見せていた。

「いかがわしいこともしてんじゃねえだろうな?」

「はは、そんなことしたら、主に殺されますよ。普通に踊り子ですよ。このつまらない世界ではあれぐらいしかありませんからね」

ギムレントは、ロンファオに冷たい目を向けて訪ねる。ギムレントが一番あってほしくないことだったからでもある。ロンファオはギムレントに目を向けて、また笑いあり得ないことですよと言う風に答えた。ロンファオの目はさっきの作り笑顔と違い笑っていなかった。彼らのなかを通り奥に進むと通路が続き左右に扉や入り口が等間隔であった。

「なかなか広いなこうみると」

「僕のギルドホールとは比べもんにならないな……当たり前だけど」

「シュトロボフさんもすぐ持てますよ。かなり儲けてるのでしょ?」

「はは、そんなに儲けてないですよ」

ギムレントを置いて、ロンファオとシュトロボフはお互い些細な会話で探りあいをするように会話が始まった。ロンファオの後を着いていくだけなのでギムレントは二人の会話を聞きつつ飾りや調度品を眺めていた。壁に埋め込まれた水槽があったり、花瓶が置かれて花が活けられてたり、高そうに見える壺や原石も並ぶ。なかが見える入り口から少し覗くと奥では、男どもが笑い話をしてたり、女達が装飾品を広げてみてたりと外のような酷いことはなく少し口元が安心で上がる。

「ああ、最近は何が売れてます?」

「おしえたくないのですが?」

「だめですか?」

「利益はとられたくないので」

通路を曲がりさらに進むと硝子窓カラ,庭が見えるところに、まだ雪化粧だが、中国の庭園が広がっていた。池は氷に覆われ、木々も雪につつもれていた。そのなかを子どものプレイヤーなのだろう何人もが雪合戦をしていた。ソーサラーがいたのか、何かすごい事になっていたが、笑っていた。

そこを過ぎ通路を進み続けると階段が現れそれを上がる。二階も通路が続き、同じように扉や入り口が並ぶ。正直一本道名のだが、迷路にも思える空間。ロンファオとシュトロボフは相変わらずで、ギムレントの後ろでヒーコラ言ってたのが嘘みたいに生き生きしてる。

「ああ、では、こちらに主がおられます。失礼のないようお願しますね」

二階の突き当たり、他の扉より大きく浮き彫りの施された扉の前に来る。浮き彫りはまた凝っていてユーモラスなもので、龍が二頭、冠を頂く大きな蛙を囲むように渦巻いていて、まるで蛙を守る様なもの。その扉が開けられると中は薄暗く大きな窓はカーテンで閉ざされていた。灯りは淡い色合いのランタン。そのランタンに照らされて見えるのは匂いのしない煙。それが部屋のなかに満ちていた。その部屋に足を踏み入れる。

「お久し振りですねギム……それから初めまして、ベレスタの若旦那」

「相変わらず美しいな。女主人」

「わあ……」

なかに入り奥に目を凝らす。そこには上等なベッドのようなソファに女性が一人横たわってた。メリハリのある体をゆったりとした服で包み、正直色々見えそうで目のやり場に困る姿。手には煙管を持ち煙が一筋上がる。ギムレントは頭を下げ、返事を返し、シュトロボフはその姿に目を奪われていた。

「まあ、ゆっくり話そうではないか?どうせそのつもりなのだろ?ギム」

「ええ、そのつもりですよ。なあ?シュトロボフ」

「は?あ、はいっ!」

気の抜けたシュトロボフは我に返り、二人は椅子に腰掛ける。シュトロボフの様子に彼女はくすりと笑い、ギムレントはニヤリと笑う。

女主人っていい意味で色っぽいか(表現出来てなさそうだが)体型太めの肝の座った方が好きです。

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