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セルデシア・インザ・リューリク  作者: 創手カケラ
道連れ四人とヴォトカの四人
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焚き火と二人、テントと兄妹

肉が食べ尽くされて、皆それぞれ満足そうである。テオとマルタは美味しいものをお腹一杯食べたからか、今度は睡魔に襲われて、うとうとし始めていてた。

「テオとマルタはテントで休んでいいですよ。火の番は私とザハルでやりますから」

「そうだな。明日も結構移動するし。もう休んどけ」

「あ、いえ……僕も……」

大地は二人に休むよう促して、ハバローフで新しくかった寝袋を二つ用意してあげる。ザハルも眠たそうな二人に優しく笑いながら、言う。マルタは静かに頷いて、テントに入るがテオは眠たそうな目を必死に開けて、起きようとしていた。

「明日寝ながら移動は流石に無理ですからねえ……」

「ん……けど……はい」

大地がテオに近づいて同じ目線で語りかける。明日のためにも休むのも大事と言い聞かせる様で、それを理解してかテオもやっと了承してテントに入る。大地は出したその寝袋をテントに用意して二人がちゃんと入って寝につくのを確認してテントからでる。

「うまいかどうかは分からねえけど、子供をよく言い聞かせれるな」

「子供も大人との立場の差はあれどある程度ちゃんと対等に扱えば素直に聞くものですよ」

ザハルのにやついた顔で言う言葉に、眼鏡を直しつつ持論で返す。鞄から小さい折り畳み式の椅子を出して座り、二人は焚き火を囲んで話を続けた。

「しっかし……とんだ数日だよなゲームの世界に閉じ込められて、まさかキャンプまでするとは」

「我々は味のあるものを食べれるから他の人たちと比べて一気にマシになりましたけどね」

「そうだな。これ教えてあげねえと」

この数日の色々なことがザハルにもあったらしく、ため息混じりに話始め今の状況に笑顔を見せる。大地は食べた後の残骸を見つめ目を細めて、マシだと語り焚き火に薪入れて眺める。星空を見上げザハルはこの結果を他の者にも教えないとなと言い明日は何に食うかなと考え始める。その言葉に大地は真面目な表情で眼鏡を直す。

「それは、良いとは思いませんね……」

「あ?何でだよ?大地さん」

「今まで見てきたなら……それがよい結果にならないのは……ねえ」

「だから何でだよ?味あるものが広まるんだぞ?」

「今食料品を優先的に買っているのは?そして、その状況で味のあるものを作る秘密が広まったら?次に起きるのは本当に良いことかな?」

「ん……けどよお……」

「しばらくは我々……そして、信用に足る君の友達や私のギルドぐらいが教えれる範囲でしょうね。まあ、私のギルマスもどうするかわからないですけど」

「それってズルくねえ?」

教えて情報共有することはこの世界では必要なことだろう。だが、大地の言うような可能性は起きるかもしれない。いや、高い確率で起きるだろう。人は悪人だけではないがすべてが善人でもない。二人の会話は感情と現実とが入り交じり意見が反りがあうことがなく続く。

「ズルいですね……けど、これは、それだけの価値がありますし、タダで共有されるべきとは思いませんね」

「……大地さんのギルマスはこれ知ったら何か良い方法に使うのか?」

「ギルマス……ギムレントさんなら……いや。正直どうだか分からないですね」

「はぁ……なら、大地さんの言う通り当分は四人だけの秘密にするよ……その方がいいんなら」

「ありがとうございます」

冷たくも見えるが彼なりの配慮なのだろうとザハルは目をつぶる。ザハルは大地のギルドマスターならよい方向に向けれるのかと質問し、少し顔をしかめてる。その質問に正直大地は、答えれなかった。ギルドマスター・ギムレントは独善、偽善の塊と自ら語り、実際にそうである。悪いことはしてないし良いことに繋がってきたが、今後もそう回るか不安であった。その様子にザハルは大きく溜め息を吐きここの四人だけの秘密にすると答えてあげて焚き火に薪を投げ込む。大地は深く頭を下げそれに、感謝を示した。

「ああ、すいません。ある人に念話するので」

「おいおい……まさか」

「いえ、面倒な女性にです」

突然思い出したように立ち上がり、少し離れようとする。ザハルはまさかなと釘流石、お面のような真顔で本音を混ぜて返し、念話を始めた。

やっと味のあるものを食べれましたね。

実食の肉の表現いかがでしたか?

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