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セルデシア・インザ・リューリク  作者: 創手カケラ
道連れ四人とヴォトカの四人
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夜営

月光にギルマスが集まる数時間前のこと。日が沈み、赤に染まりつつある頃。ウラジオン行き猪・竜頭馬体に乗り移動してた四人組が森の中で夜営の準備をしてた。

「うんじゃあ、俺は薪拾って来ますわ」

「ええ、お願いします。では、我々でテントを張りましょう」

「はい!大地さん」

ザハルは薪を拾いに離れていき、大地とテオ、マルタはテントを張る準備をする。大地のマジックバックから道具や必要な物を次々だしていく。

「本当に何でも入るんですね……」

「まあ、大きいものでも入りますね」

手品のように次々だしていき、テオとマルタはまじまじとそれを見ていた。物が揃い、大地は二人に手伝って貰いながらグランドシートを敷き、テントの骨組みを組み立てていく。昔は、ゲーム時代はメニューボタンの操作で組上がったのだが、この世界ではそれ出来ないようである。とは言え、私生活でもキャンプはしたし、ギルマスの無茶ぶりでオフ会キャンプもやったし、組み立てるのに苦はない。それに今回はまともに手伝ってくれる少年少女がいる。

「それ、お願いします……あ、これは、こっちに……」

「骨組みだけでも僕たちのテントより立派ですね。なんでもすごいな冒険者さんは……」

骨組みが組み上がり、それだけでもテントにしては、なかなか大きなものになる。テオは、そのテントや冒険者の使う道具、物、その強さに憧れのような眼差しを向けていた。マルタはそんなことよりも、テントの骨組みの下ではしゃぐように骨組みの柱の回りを走り回ってた。

「そうですね。そのかわり大変ですよ?特に仲間に関してわ」

「そうなんですか?」

「ええ、とても……嫌ではないですがね。さあ、二人とも今度は布張りましょう」

「はい!」

「はーい!」

眼鏡を直しつつ今までを思い出しつつ大変だと語る。眼鏡から覗く目は冷たくも見えるが、口元は優しく微笑んでいた。続いてテントの骨組みに布を張る。二人にも指示を出せば、二人の明るい声が森に木霊した。二人の明るさは何とも言えぬ感覚に触れられる。冒険者より健常者で、日々をこの地に根差して暮らす。冒険者は強く不死であるが、どちらが良いかと問われれば彼らと今は言うかもしれない。

(冒険者はいつ人に戻るのか……)

「布が張り終わったら縄渡しますから固定するの手伝ってください」

「はい……大地さん」

真剣にテントを張るのを手伝うテオ。布が張り終われば、大地は布の上に縄を渡していく。しっかりと縄が張りぬのを押さえつけれれば、一人杭を打ち込み縄を地面に、打ち付けて固定していく。テオとマルタは二人一組で、杭を頑張って打ち込み縄を固定していく。

「ありがとうございます。完成です」

「やったー!おっきいー!」

「あまりはしゃがないでよ。マルタ」

「ふっ、二人は中で休んでてください。一様暖も取れるようにしますから」

テントは、四人でも広いぐらいのサイズの者が出来上がる。マルタはすぐになかに入り広さを体一杯嬉しそうにはしゃいで転がる。その様子にテオは止めになかには入るがおいかけっこになってしまう。大地それに鼻で軽く笑い楽しげで、暖を取るためのアイテムを真ん中の柱近くに置いて自分は外に出ていく。

「あ、大地さんは何処かいくんですか?」

「あ、いえただの見張りですから安心してください」

テオが慌てて追いかけてくるが大地は、テント前の雪の上に腰かけて空を見上げる。赤く濃く染まっていく空はもとの世界と変わらない。いや。それより綺麗に見えた。

「旅はいいな……」

多分彼らが腐ったのは井の中の蛙だったのも理由かもな……外に目を向ければ、当たり前に気づければ、狭い世界を思考を固定させなければ……

まあ、ムリかw

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