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セルデシア・インザ・リューリク  作者: 創手カケラ
道連れ四人とヴォトカの四人
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誘われて

それから後のこと、昼食は知人の料理人スキルのあるものに、頼んで作ってもらった料理を食べた。予想は裏切られ切なくなる。料理人スキルのあるものがアイテム合成で作っても味がしないことが分かった。さらにギムレントとしては残念なことで、昼食中葵に、大地がいないことがバレてしまう。一騒ぎあったがどうにかなだめ、葵にはどうにか我慢してもらい事なきを得る。そのあとはアコニトを連れて、フィールドゾーン・ディナモの森に向かう。低レベルモンスターが出現し、薬を作るための素材アイテムが収集できる場所で、ハバローフをホームタウンとした初心者のレベル上げに使われている。アコニトとレベル上げ、薬草収集をして、日暮れになった辺りで戻り、夕食……悲しい食事を取る。

「はぁ……味ある料理は無理なのかな……」

ガランは机に突っ伏して呟き、回りのものは苦笑い、ただ、この食事が続くとなると辛いものはある。苦笑いは暗い表情に変わっていく。食事が終わり、ギムレントと葵が使用した食器を洗い他のもの、カリンとアコニトは自室に、ジーフェンとガランは夜の町の様子を見に出ていく。

「あーあ、行きたかったなー」

「葵君……まだ言うかい?」

「言いますよ?黙って行ったんですから……ん、あ!!大地から念話だ!!ごめん、レントさんあとお願いします!!」

「あ、はーい……」

(助かった……大地ありがとう……)

愚痴愚痴と始まるかと思ったがその前に、念話が来たようで嬉しそうに、残りを御願いしながら離れていく。洗い物をしつつ、大地に礼を言ってしまう。洗い物が終わり一呼吸、ふと掛けてある包丁や鍋を眺めて一つ思い付く。

(実際に作れば……ええんじゃあ……)

食料箱から野菜を取り出して、まな板に置き包丁を取る。現実世界と元の世界のように、調理できれば希望はある。

「あ……ああ……はぁ……」

ざくりと包丁が入ると同時に切れた端がどろどろのなにかに変わる。一気に気分が沈み、そのどろどろを洗い流して、包丁とまな板を洗い食器かごに入れてキッチンに置いてある椅子に腰掛ける。

「異界であってもこう言うのはゲームですか……」

ガランじゃないがキッチンのテーブルに突っ伏する。年甲斐もなくしばらくそうしてて、数分経った頃、念話の、呼び出しがなる。顔をあげると宙に浮かぶ表示には、イワンと書かれていた。

「あ、イワン?……ふぅ……」

体を起こして、念話に出る。向こうから聞こえてきたのは変わらず力強く静かで低い声だった。

~◆~

「元気にしてるか。ギムレ」

「残念ながら心を病んでる」

「ふっ……珍しいな……」

「うんで?何のようだ?お前から連絡とは珍しい」

「飲まないか?他にも面子がいるが……」

イワンからの飲みへの誘い彼が誘うのだ何かあったのだろう。他の面子というのも気になるところ。ただ、ここはロシアでロシア人からの誘い色々怖い。

「どこで……飲んでるんだ?」

「川沿い通りの裏道、月光ヌチー・ルヌイって店だ」

「あいよ……これから行くわ……待っててくれ」

服の上に何時ものボロのローブとさらに外套を羽織り、ギルドホールから出ていく。一階まで降りて、ギルド会館を出る。外はポツリポツリと見える灯り程度で暗く、プレイヤー達は変わらず暗いか寄せ付けない風か、またはどちらでもなく無気力か。ギムレントは何時もの杖を手に取りそんな彼らの中を進んでいく。

「これを変えれたら……偉業だよね……」

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