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セルデシア・インザ・リューリク  作者: 創手カケラ
道連れ四人とヴォトカの四人
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旅は道連れ、気づけば四人

「これでよいでしょうか?」

「良いと思うけど……より返り血目立たないか?それで戦うと?」

森の方から戻ってくると、今度は白い和装の鎧で、ザハルは苦笑いでいいの?と言う風で聞き、賛同するように二人のテオとマルタも頷く。それに眼鏡の位置を直しながらさらりと答える。

「もしも、そんな場合になったら、返り血を出さない闘い方にすれば良いのですよ……もしくは返り血を浴びなければ良い」

「あっ……そうですか……」

「で、ザハルさんはどちらへ?私はウラジオンに行く途中だったのですが」

さらりと答えた内容に、ザハルは少し乾いた笑いを浮かべる。そのザハルに大地は自分の向かう場所をいい、行き先を質問する。大地としてはこの大地人をどこか安全なところに、勝手な考えだが届けてほしいと思っていた。

「ザハルで良いですよ。あ、俺もウラジオンに向かうところだったんですよ。友人がウラジオンにいるみたいで」

「そうですか……テオ君とマルタちゃんはどこに向かうところだったんですか?」

聞いた答えは、ザハルも同じウラジオンを目指していた。そうなるともちろんだが勝手にたてた予定は無理である。そこで、テオにどこに向かってたか聞いてみて、テオは俯き加減で口を開く。

「あ、えっと……冒険者の町・ハバローフか公爵様の町にと思っていたのですが……荷馬車は壊されてしまったし、荷物も荒らされて……」

「そうですか……うーん……このまま置いてくわけにはいかないですからね。私たちと一緒に来ますか?もう一つの冒険者の町・ウラジオンへ」

「え?」

「え?」

荷馬車は車輪が外れ二つに裂かれ、荷物も散乱し壊されてるものもある。馬は息絶え横たわり、静かに泡へと変わり天に消えていく。それを見て大地は目を細めた。自分がした事ではないがなんとも言えぬ気持ちに襲われる。テオとマルタの目的地は逆方向のようで、ハバローフまでなら送り届けるのも手だろうとも一瞬思った。ただ、ハバローフだと、さっきの連中が復活したであろう場所。また個人としては、戦力にはなるが面倒なのが連れてけと言ってきそうな気がしてならない。ギムレントに預かってもらうと言うのは無責任。そこで勝手な提案だが、二人に聞いてみる。それに二人とザハルは目を丸くして短く聞き返す

「公爵の町までは流石に無理ですがハバローフになら送り届けれる。ただ自分達はウラジオンに向かうので……君達を置いていくことになります。そのハバローフには恐らく彼らが復活してるだろうし、そんなところに送り届けてさよならってのは……それならしばらく一緒に旅をしませんかと思いましてね。私はウラジオンからまたハバローフに帰る予定ですから」

「え、えっとだ、大丈夫ですよ。僕達は、自力でもハバローフに行きますから、お気になさらず。今度は自力でどうにかします……から」

「取って食おうとか売り飛ばそうとかさっきの連中みたいに酷いこともしませんよ。それにこれから暗くなりますし亞人や魔物、道中徒歩ですとさっきみたいのがまた現れるかも知れませんしね」

「ですけど……ご迷惑じゃ……」

「そんなことはありませんよ。ここで出会ったのも助けれたのもの何かの縁。迷惑ならあのとき助けてませんし」

「そうだな。俺も構わないぞ。一人より二人の方が良いなと思ってたし、それにテオとマルタちゃんが増えるんなら、もっと楽しそうだしさ」

テオは、迷惑をかけまいとそう言う。身勝手な提案でもあるが、現状彼なりの配慮と責任からの大地は提案している。それに乗る形でザハルも二人を誘う。二人の表情は優しくテオとマルタが答えることを待っていた。大地のは強要にも近いが……

「じゃあ、一緒にいきたい!」

「マルタ……では、お言葉に甘えて……しばらくの間お願いします」

「決まりだな」

「では、移動の準備しますか」

先に答えたのはマルタで元気に答える。それに押されてテオも着いていくことに深く頭を下げて大地とザハルにお願いする。ザハルは楽しそうに笑い、大地も優しい笑顔を見せる。そして、ウラジオンを目指す用意を始めた。大地人、単にNPCと呼んでよいのか大地は眼鏡を白く曇らせ奥の鋭い目付きを隠しながら考えた。

ちょっと無理がありましたかね?この回?

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