助っ人スナイパー
「な……っ、何しやがったてめえ!!」
もう一人の女の子を押さえてた男が倒れ、は泡となり霞と消える。それに動揺し大地に怒鳴り散らし、大地人の少年に当ててる刃物が頬に辺り鮮血が滲み出て、頬を伝う。
「お兄ちゃん!!」
「私はなにもしてないですよ……ほら」
「動くなっつってんだろうが!!」
少年を兄と呼ぶ女の子、どうにかなだめようとする大地。だな鎧の屑男は錯乱し、刃物を振り回す。下手すれば少年に当たるかもしれない。もう一人がなぜ死んだか分からないが、屑男が錯乱したことに目付きがきつくなる。
「てめえらとっととこいつを!?があっ……!!」
「!?」
「や、やられちまったぞ……ど、どこから飛んできた!!」
「……こ、こんなのもうごめんだ。復活するったって……お、俺は逃げるぞ……」
「まてよ!!おまえ!!」
屑男の額に矢が突き刺さり、脳幹を綺麗に射抜かれたか力なく少年を手放して倒れ込む。目を見開いて呆気ない姿の晒す楠男を見て、他の者達は散々に逃げ出して残されたの大地と二人の大地人。
「あ、ありがとうございます……冒険者さん……」
「いえ……当然のことをしただけですし……冒険者がああなったのを止めれるのは冒険者ぐらいですからね」
まだ怖がっているようだが、血塗れの大地に礼を言う大地人の少年。その礼に優しい笑顔を見せて当然のことと言いその場に座り込み、眼鏡を外してついた返り血を拭う。
「そうそう……あんなのと一緒に俺らもされたくないしね」
「ん?ああ……どなたか知りませんが、さっきの弓の支援ありがとうございます」
大地の背後、森の中からガサガサと草木を揺らして何者かが出てくる。さっきの連中と一緒にされたくないと言いながら大地の後ろで立ち止まる。大地人の二人は警戒して、少年は女の子を自分の後ろに隠すようにして、出てきた相手を睨む。大地は振り返らずその相手に礼を言い口許を緩ます。
「弓じゃなくて、クロスボウだけどな。てかロシアで日本人プレイヤーが頑張ってるとはな……」
「ギルドマスターとこっちに来たら帰れなくなっただけですけどね……帰れないならこっちでやれることやらないとと……それだけです」
「へー、普通そんな風にならねえと思うけどな。すげえよ……あ、俺はザハル。種族はエルフで、職業はアサシン。レベルは76」
レベル76、エルフ特有の長耳と整った顔立ち格好は軽装で布鎧や皮鎧と呼ばれる類いの防具を身に付けている。担いでいるのはクロスボウで、連射機構がついている。現状の最高レベルに達してないが腕が立つのは確かだろう。一撃で撃ち仕留めれるのだから。相手の自己紹介に、大地も名乗る。
「私は大地、ヒューマンで、職業は侍。レベルは90です。……あ、お二人の名前も聞いても良いですか?」
「え、ぼ、僕たちですか……えっと、僕はテオ……で妹が……」
「マルタ……です」
「テオにマルタか……良い名前ですね」
「てか、大地……さん。その鎧とか洗ったほうがいいんじゃないか?かなり怖いって」
簡単に名乗ると大地は、自分とザハルに放置されてた二人に名前を訪ねる。二人はまだ怯えてるのかそれとも大地の姿に怯えてるのか。小さく名前を答える。ザハルは二人の様子と大地の格好に思わず大地に言ってしまう。大地は血がベッタリついた鎧を見て顎に手を当てて考える。
「そうですね……では、少し待っていてください」
そう言い立ち上がり木陰へ向かい歩いていく。




