大地、立つ
しばし大地パートと言った感じになります。眼鏡無双です←
「さて、行きますか……」
一人、町の外に向かい歩く影。眼鏡の男性、和装の鎧に身を固めた姿。大地である。彼は町のゲートをぬけ、町から離れればバッグから笛を出しそれを吹く。ピィーっと白い森の中を音が響き渡るとどこからか馬が駆けより、大地の目の前で立ち止まり顔を近づける。
「ちゃんと来てくれるのだな……じゃあ、またお願いしますね」
顔を撫でながら、語りかける相手は返事をするように頭を振りブルルと口を震わせる。大地は馬に跨がり、手綱を握り歩かせる。雪に蹄鉄の跡が作られていく。
(まあ、昔行った牧場の乗馬と同じですね……あれより楽か?ですかね)
「早駆けしてみますか……」
足を使い早駆けの指示を出せば素直に聞き駆け出す。乗りかたは経験も少しあるとは言え、体が覚えてるらしく、体も馬が駆けるときに楽な姿勢で乗りこなす。
(さて、馬でどこまで駆けるか……)
ギムレントの指示通り、平坦な障害物のないルートを進む。回りは銀世界で変わりないように思っていたが、風景は進むにつれ変わっていく。建物の残骸や蒼く淡く光る花畑、他にも元の世界では見れないものばかり。そんな風景を見ていて、この世界に春が来ればなとふと思う大地。
(そういえば……ゲームの時、セルデシアは地球の半分の規模となってたはずだな)
この世界がゲームの世界を元にしてたなら、ゲーム時代の計画・ハーフガイアプロジェクトの影響も受けてるはず。元世界・地球を基にして、二分の一スケールにした物のはず。ハバローフはロシア連邦のハバロフスク。ウラジオンはウラジオストク。距離は759km。二分の一なら、379.5km。ただ、車、高速鉄道、飛行機がない。しかも野性動物にモンスターが出てくる。ウラジオンに普通に向かってたらいつになるだろうか。
~◆~
馬に股がり数時間。陽は完全に頭上に登りきっていた。馬に止まるよう指示を出して静かに止める。馬から降りて腰掛けに調度いい岩に腰を下ろす。バッグからギムレントから貰った地図を出し広げ進んだ道筋を書き、日にちと簡単な情報を入れていく。
(メモ程度ならよいのだな……)
「よしと……さて、昼食でもとりますか……」
バッグのなかから見た目だけの味無しサンドイッチを取り出して食べ始める。本当に味のないことを気にしてない風でもくもくと食べている。その間地図を眺め、今後の進路を考える。
(私が指名されたと言うことは……所有してるものからでしょうね)
サンドイッチを食べ終えて、水を飲み始める。色のついた水を買うぐらいなら汲んだ方が安いし、綺麗な水があればそれを汲めばよい。いざとなれば新雪を集めて溶かせば飲み水に出来る。その点ではこの土地はもうしばらくは水に困らないだろうと思う大地。
「さて……移動しますか……」
「離してください!!やめて!!」
「……」
どこからか聞こえるその声に、大地の目は鋭くキツくなる。そして、聞こえた方へ雪を踏みしめて向かっていく。
因みに独自解釈、設定のオンパレードになりますが、地図に書かれているとした国名・ヴァンストロバ帝国の触りを説明してみましょう。
ロシアサーバーが管理してたロシア地域は、セルデシアではリューリク地方と呼ばれています。
そして、元の世界ロシア連邦の地域区分で、極東ロシア、極東連邦管区とされてるエリアを支配する国家がヴァンストロバ帝国です。亜人の出現前から存在してる国家であるが国力は低下していく一方のまあ可哀想な国とも言える状況。帝都は元の世界、ロシア連邦を構成するサハ共和国の町ミールヌイに位置して、名はミルヌイト、皇帝の居城は、魔力の力を宿したダイアモンドの山に造られたアルマスシート魔法宮。エターナルアイスの古宮廷と似たような物で、土台となってるダイアモンドの山は古アルブ族が魔法で創ったとか、ダイアモンドの鉱脈を大地から引き上げて魔力を吹き込んだとか言われている。このダイアモンド採取するのは大罪に当たりますが、皇帝のお墨付きがあれば、研究や冒険者たちのアイテムの製作のために採取することができます。(このダイアモンドの山は地下にも及んでいる)帝国内にはハバローフ、ウラジオンの他に冒険者の町が一つか二つある予定です。
この設定はあとで本編でも説明すると思います。
今後もよろしくお願いしまーす☆




