無味に味を上
「ごちそうさまでした……」
一人を除き暗い表情で食事を終える。調味料のお陰でちょっとマシになったが……味のしない食べ物にかわりなく。その一人、大地ぐらいが澄ました表情で使用した食器を片付けにいく。
「なんの問題もなさそうな感じっすね……」
「不思議です……」
ガラン、ジーフェン項垂れながら大地の眺める。この食事に良くあんな風にしていられるものだと思う風で俺らには無理だと遠くを見て、この食事が今後も続くのかと思うとさらに落ち込む。
「あはは、小さい兄弟とかみたいだね」
「葵さんその言い方やめてくださいよ」
「俺もいやっす……」
二人の様子をクスクス笑いながら、茶化す葵に二人はさらに力を無くす。けど大地の様子にはカリンやアコニトも不思議そうであり、疑問をギムレントに聞いてみる。
「けど、なんで、大地さんは気にしてないような風なんでしょうね?」
「大地だからだろ……昔からあんなんだからな」
「そ、そうなんですか?」
ギムレントは答えながら席を立ち体を伸ばす。ギムレントのさも大地がそういう風なのが、当たり前のような答えにアコニトは首をかしげてしまう。その様子に葵はまたクスリと笑いながら答える。
「うん、あの人は、自分の中でルールを固めて決めたら、新しい事がわかるまでそれを通す人だからね。あの人の中できまったことなったら悲観も何もしないのある種変人かもね」
「誰が変人ですか?葵?」
「あ、あれ?戻ってたの?」
「戻ってたというより丸聞こえです」
葵の説明を眼鏡を直しながら聞き返す大地。その大地の様子に、カリンとアコニトは押し黙ってしまうが、葵はやはりいつもの風で大地笑顔返す。押し黙っていた二人だが、大地のちゃんと見てみると怒ってる風ではなく、葵との掛け合いを楽しんでるように二人には見えた。
「あ、社長。今日はどうするんすか?」
「お?……ああ?そうだねえ……」
数日ぶりに良く呼ばれたその役職にギムレントは不思議に感じてしまい、役職名を聞いても思考が一瞬繋がらず動きを止めてしまう。すぐ我に返り顎の髭をさわり考える。
「社長?」
「ああ、ギムレントさんは日本の北海道で会社経営してる人なんだよ。色々なことやってるらしいね」
「へー……ギムレントさんってリアルでもすごい人なんですね」
「まあ、すごいと言えばスゴいけど……あの人曰くやりたいことをやって来ただけって言って……気付いたら社長になってたって」
カリンにアコニトは、ギムレントの元の世界の仕事を少しだけたが聞き、知るとギムレントに尊敬の眼差しを向ける。カリンも同じようには思ってるが、昔言われた言葉を思いだしあきれた表情を見せる。
「よし……今日でなく今後について考えようか」
「今後?ですか?」
ギムレントの一言にジーフェンらは首をかしげる。ギムレントの目はあの日のようにギラついていた。
ブックマークしてくださった五名の皆様。ありがとうございます。
良い海外設定になりますよ私も勝手にさらに頑張ります←




