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セルデシア・インザ・リューリク  作者: 創手カケラ
欠片集め
18/94

変わらぬことも悪くはない

「おお、もう起きてたか?他のみんなは?」

「まだっすね。あ、買い物してきたんすか?ギムさん」

ギルドホールに戻れば、ガランがホールで待っていた。いつもの鎧でなく動きやすそうな私服姿である。頭の後ろで腕を組みこの世界でももとの世界と変わらずな様子にギムレントは微笑む。買い物をテーブルに起きギムレントは椅子に腰掛け、コップを手に取り水差しの水を注ぎ飲み始める。一呼吸ついたギムレントにガランは椅子を引っ張ってきて近くで座り話を続けた。

「町の様子はどうっすか?」

「相変わらずだよ。死んだ目の連中や鉄熊みたいな連中や……てか、鉄熊も蘇るんだね……悪党なのに」

「そりゃあ、あれでも冒険者っすから、見てないっすけど」

あのPK狩りの後、鉄熊の連中を町で見つけた。イワンに少し聞いていたが、本当に神殿で蘇るらしい。ただ、ギムレントやジーフェンなどを見るとむこうは避けているのか身を隠す。特にギムレントを見ると逃げるようである。そしてPKはもうしてないようである。ただ素行は相変わらずで今度は大地人相手に乱暴を働いたりしてるとか。

「もう、明らかにゲームでないのに……ゲームと同じと言う風に暴れて」

「まあ、仕方ないっすよ。ゲームの延長戦みたいな雰囲気ですからね。俺らの姿や世界の名前なか見ても……」

「仕方ない……か」

ガランの答えに残念そうな表情を浮かべ、買ってきたもののリンゴをガランにひょいと投げる。ガラン自身はそんなつもりはないが、この世界の冒険者が思うその仕方ないと言う部分をいつ変えるのか。行動を改めるのか。

「ありがとです。まあ、ホントにやる糞はヘドが出るっすけど……」

「……やっぱりいい子だね。ガランは」

「ガランの言う通り……それにいつ彼らは改める気なのでしょうね……ゲームと思い続けてるようですが……」

「ホントだよね……良くそんなこと続けたり、動けない人たちも誰かがどうにかしてくれるといつまで待ち続けるだろうね。甘いと言うかなんと言うか」

ガランの続けた言葉に安心した目をして、水を静かに飲む。その話に廊下の方から、大地と葵が言葉を交えながら姿を見せ二人の方に歩いていく。大地はガランの言うことに、肯定しつつ変わらぬ彼らに目付きが悪くなる。葵は、町の中の大多数の冒険者の無気力さや行動にいつもと違う風で意見を言う。二人の言うことにリンゴかじりつつ、また水を飲みつつ苦笑いを浮かべる。

「おはようございます」

「オハヨーレントさん」

「二人ともおはよう」

「皆さん早いですね」

「ジーフェンもおはよう」

「てかフェン遅くない?」

「ちょっと情報整理してたんだよ」

「そうっすか……」

「私たちが最後?おはようみんな」

「おはようございます。皆さん」

大地と葵が挨拶をしてるとその後、順次ジーフェン、カリンとアコニトがホールにやって来る。外の連中と違う意味で変わりない、自分の仲間の様子にギムレントは微笑む。あれから数日、アコニトのレベル上げを手伝ったり、町の中、町の外と情報を集めた。時に、ギルメンだけで狩りに行ったり、目に余る連中、PKするやつらを秘かに狩った。ギルメン達とだけでもたった数日で色々してきた。ふと思い出し、ギムレントの自分の独善に着いてきてくれるギルメンには、感謝をせねばと思うところであった。

「イワンの言葉……考えねばな……」

「どうしましたか?ギムレントさん?」

「いや、何でもないよ。カリンちゃん……さあ、朝食にしようまず飯ばかりだが」

「はぁ……聞くだけで泣きたくなるっす……」

「リンゴ一人先に食べていてなにを……」

「鼻つまんで食べてると思えばいいのですよ。ガラン君」

カリンは首かしげてギムレントを見るが、ギムレントは優しく微笑んで、商店で買ってきたものを並べ朝食の用意をする。味のしない料理と味のする素材アイテムの食料。この食事に嘆くガランに、手に持つリンゴをじっとり見つつ物言うジーフェン、そのガランをからかう大地。それにクスリと皆笑う。正直なところこれもどうにか出来ないか出来ればまた変わるであろうとギムレントは思うところ。冒険者のことと同じく、ギムレントの悩み、変えたいことが増えるばかりである。勝手な悩みかもしれないが……

この作品にはまだ口伝のくの字もございませんが……口伝は教えれるのではと思うところ。ただ体得するかは鍛練や本人素質によるが……だって口伝、口で伝えるものだろ?

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