表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/20

オリジナルのフィーリオン

警告。

未確認の機体が多数接近中。


警告音と共に警告が表示される。


カイ「何かの警告か?」


シャル「どうやら味方が来たようですね」


カイ「こいつの言葉がわかるのか?」


シャル「少しならば。フィーリオンの情報は、ほとんど公開していませんが」


カイ「もしかして、フィーリオンって、これの他にもあるのか?」


シャル「おそらく」


カイ「おそらく?」


シャル「フィーリオンは元々、隣国、シーラディア王国が所有していたものです。シーラディアは以前から、我が国と反目していましたが我が国と比べ国力が小さいため

いつも小競り合い程度で終わっていました。ところが最近になって、謎の高性能の機体で我が国を徐々に侵略し始めたのです。

情報部の調査によると、その機体の名はフィーリオン。我が国の機動兵器の数段上の能力を持っているとのことです。

更に驚くべきことに、実戦配備されているのはフィーリオンの劣化コピーであり、その能力を遥かに上回るオリジナルのフィーリオンが存在するというのです」


カイ「ということは、この国にはフィーリオンはないのか?」


シャル「鹵獲したフィーリオンコピーなら、何体かあります。フィーリオンコピーは、この機体と内装から外装まで全く違うので、この機体をオリジナルと判断しました」


カイ「じゃあ、このフィーリオンは一体――」


ガシャン、ガシャンと音を立てて、多数の機動兵器が近づいてくる。


?「フィーリオンの搭乗者に告ぐ、直ちに投降せよ! 少しでも動けば敵対行動とみなし攻撃する」


カイ「みんな同じようなことを言うんだな、軍隊ってのは」


シャル「このボタンを押せば、外部と会話できるはずです」


シャルは何かのボタンを押す。


シャル「私はシャルロット・ゼノビア・アリエス。敵ではありませんよ」


?「シャルロット・ゼノビア・アリエス……じょ、女王陛下! な、なぜこのような所に」


シャル「カイ、ハッチを開けてください。顔を見せないと信用しないでしょう」


カイ「あ、ああ」


フィーリオンのハッチを開ける。


丸っこいロボットのカメラがズームする。


マイルズ少佐「おお、間違いなく女王陛下であられる。私は対シーラディア辺境警備隊、テッド・マイルズ少佐であります」


丸っこいロボットが敬礼をしている。


シャル「ご苦労、マイルズ少佐。見ての通りシーラディアの攻撃により町は酷い状態です。敵はフィーリオンコピー小隊で、大体は倒しました。この辺りの警戒の強化と住民の救助、支援をしてください」


マイルズ少佐「はっ! 警戒の強化と住民の救助、支援を行います。えっと、たった1体でフィーリオンコピー小隊を倒したのでありますか?」


シャル「ええ。後の事は中央に状況を報告して、指示を受けてください」


マイルズ少佐「はっ! あの、女王陛下はどうなさいますか?」


シャル「私のことはお構いなく。フィーリオンで帰りますから」


マイルズ少佐「はっ! お気をつけて、お帰りください!」


再び敬礼をしたあと、手を振っている。


シャル「ええ。ありがとう」


シャルの顔を、まじまじと見るカイ。


シャル「なんですか、人の顔をじろじろと」


カイ「いや、本当に女王陛下なんだなって」


シャル「もちろんですよ。疑っていたんですか? ふふふ」


シャルは上品に笑った。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ