十四話「デイズ of the ウィーク×ONE」
俺は揺れていた。おそらく、心が揺れているのだろう。マチオを無我夢中の内に退け、紫藤の仲間になった。それがおよそ、二週間前のこと。
「ん、どうした?猪は行かないのか?」
何故か、紫藤がいるという部屋の前で、猪は踵を返した。
「猪ちゃんはね、諸事情があるんです。……気にしないで下さい。」
そう言う虎太の表情から、これ以上聞いてはならないことなんだと理解した。
「そうか、じゃあ、改めて礼を言うよ。猪のおかげで傷が治った。その能力、便利なんだな。」
「お前って奴は、一言多い。でも……まあその気持ち有り難く受け取ってやっても、いいぞ。」
「じゃあ、行きますよ。」
虎太が少し顔を赤くしていた。何か怒らせるようなことを言ったのだろうか。
扉を開けると、どこかで見たことのあるような女生徒が椅子に腰かけていた。あれは、入学式、だっただろうか。そして、その少女は両手を広げ、歓迎してくれているようだ。
「いやあ、よく来てくれた。私が紫藤だ。この学園の生徒会長であり、乙女の、紫藤すみれだ。」
「乙女は余計ですよ。」
辰が隣に居て、すかさずツッコミを入れている。しかし、そんなことは無かったかのようにスムーズに話を続ける。
「ここに連れて来た理由は分かっているな。そう、君は私の試練を見事に乗り越えたのだ。だから、今この時をもって沖四里海斗、君は仲間だ。いや、同志とも言えるか。いや、戦友、いや、恋人………まさか、これが、恋?」
「そういうことだ、よろしく。」
俺は辰が差し出した手を強く握った。
「じゃあ、詳しい説明は俺がやろう。聞きたいことはたくさんあるだろう。」
辰がそう言って、スクリーンをだした。そのスクリーンの裏には悶える会長が透けている。
「まずは俺達のことから説明しよう。俺達は色という組織に属している人間だ。その色の存在目的はルールテキストを集め、一つにする事。それに賛同した結果、クロとシロがその垣根を越えて集結している。」
マチオも色がどうのと言っていたような気がする。
「色は他と比べて人数の圧倒的に少ない組織だ。なんなら、紫藤組×7が色全員の人数だと思ってもらって問題無い位だぜ。だが、黒と白と同等に数えられる。それは、色の最高幹部、虹と呼ばれる人達がいるからだ。勿論、紫藤さんはその超越した人間の1人だ。」
「ここまで聞いてきて、疑問が一つある。ルールテキストとは何なんだ?」
「それはまだ知る必要はない。」
俺の問いに答えたのは意外にも、会長だった。




