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2nd Game 『新たな日常 前編』

余裕を持って家を出てきたはずだった。

この時間なら余裕に学校に間に合う

だが俺は今、走っている。

理由は簡単だ。


「くっそ~!何なんだよ!いくら変なことが起きたからって、しっかりしろよ俺!」


千華高校

俺の高校は進学校として有名な高校だ。

だが得に難しい内容と言う勉強はしていない。

どちらかといえば普通の高校より簡単な方かもしれない。

それでもレベルの高い大学などの進学が多いのはなぜか?

そのなぞはいまだ解明されていない。

この学校の七不思議の一つである。

まぁ俺は進学ではなく就職だがな!

なぜ進学校に入学したかだって?

それは……

学費が安いからだ!!

他にも中学の頃の知り合いが多く入学するからと言う理由もあるがな。


話し変わって

この学校の登校時間は8時30分

それを過ぎると遅刻。


俺の家は学校まで、歩いて15分のところにある。

家を出たのは8時。

余裕だ。時計が遅れていなければ。


「あぁ~、なんで気付かなかったんだよ。俺がいつも目覚ましで起きる時間は、7時だろ!」


朝、目覚ましで起きたとき、時計で確認したのは6時40分。20分の遅れである。

まさか時計が壊れているなんて、思いもしなかった。

俺の敗北の原因はテレビをつけなかったことだろう。


実際、家を出た時間は8時20分となる。

走ってぎりぎりだ。総一は運動神経は良いほうだったので

全力で走れば間に合うはずだった。


学校まで残り200メートル。

「間に合う!」

総一は心の中でそう呟いた。


そして、学校の通学路、最後の十字路を左に曲がろうとしたとき……


総一の頭に衝撃が走った。

動いていた足は、止まっていた。


つぎの瞬間。

ものすごいスピードで総一の前を黒い車が走りさっていった。


「………」


あまりのことに総一は、なにも言えなかった。

ただ走ったせいで呼吸が乱れ、声にだせなかったのかもしれない。


ただもし、あのまま道を曲がっていたら確実に車に引かれていただろう。


だがそれよりも総一を驚かせた出来事があった。




結局、学校へは遅れずに登校することができた。

自分の運動神経に感謝!!


「おいっす~、総一。また、ずいぶんと『あ~疲れた~』みたいな顔してんな!」


「どんな顔だよ。彰くん?」


「まさに、こ~んな感じの顔だよ」


彰が自分の顔をつかって表現してきやがる。


「んなわけあるか!!」


今の彰の顔が本当に俺の顔なら、相当悲しい顔だな。


「いやいや、マジで本当だから。」


「勘弁してくれよ」


渡辺わたなべ あきら

俺の親友で、小学校からの友達だ。

こいつも俺と同じく、勉強ができない。

去年は、留年だーとか騒いでたレベルだ。


「そういえば、聞いたか総一?」


「今来たんだ、聞いたもなにもない。」


「そりゃそうだな~。実はこのクラスに転校生が来るらしいぞ!」


「転校生か?珍しいな。」


「だろ、だろ! しかも女子だってよ!!やばくね~」


「そうか…」


何がやばいのかは、わからないが、転校生はやはり珍しいな。

今まで転校生は普通、4月に来るもんだが、5月は珍しい。

珍しい続きやな。

しかし、なんでこんな時期に?


「よーし、みんな席に着け。ホームルームをはじめるぞ。」


このクラスの担任である、岡野先生が朝の出席を取る。

ホームルームの話を聞きながら、俺は登校時のことを考えていた。


「………能力…」


総一はそう一言、呟いた。


「今日から、このクラスに転校生が入ります。名前は神崎かんざき 麗佳れいかさんです。」


俺は考えをやめてその転校生を見つめていた。

髪はツインテールで、髪色は黄色。身長は165センチといったところか。

しかも見た目はかなりの美人であり、どこか大人っぽい印象だった。

外国からの転校生か?にしては、名前がしっかりしている。


「神崎 麗佳です。よろしくお願いします。」


それにしっかりとした日本語だ。日本人かな?


「それでは神崎さん、あのあいた席に座ってください。」


「はい」


真ん中の一番後ろの空いた席。

神崎さんは、ゆっくりと歩き席に着いた。

それを見ていた総一は

その動作から考えて、お嬢様かなと思った。

また、すごい人が来たな……


「それでは、ホームルームを終わりにします。」


「起立、礼、着席!」



ホームルームが終わったとたん、神崎さんの席は人だかりで埋まってしまった。

いろいろな質問をされているらしいな。まあ転校生だし、しかたないな。

しかし、ずいぶんと丁寧に受け答えしているな。

俺には無理だな。


「あっ、あいつまで…」


神崎さんの周りを取り囲んでいる人の中に彰の姿があった。

お~、はりきってんな~あいつ。

今の彰はいつも以上に元気だった。


そんなことを考えながら、俺はホームルーム中に考えていたことをまた考えていた。

そして、ポケットに手を伸ばした。

手に触れる携帯の冷たさ。


「これで、信じるしかなくなったか。まさか、本当だったとはな。」


ポケットからその携帯を取り出し

黒き携帯のメニューを開く。


「超能力…」


メニューの目的の隣の欄、そこには超能力の文字。

いすの背もたれに思いっきり背中を付け、天井を見上げた。


そして昨日、この携帯が告げたことを思い出した。


「あなたには、目的を達成するために、自分に適した武器と能力をプレゼントします。

頑張って目的を達成してください。」


冷たい女性の声はそう告げた。

最初は、なんのことだかわからなかったが、起きたときの銃を見て、これが武器なのだと思った。


「銃だけなら、いたずらかと思えたりしたが…さすがに能力を見てしまったらな…。」


黒い携帯の能力の欄を見て総一はこれは現実だと確信しそして、苦笑した。


「しかし…。未来予知って、ありえんだろぉ。」


黒い携帯の画面、そこには


超能力

未来予知。


の文字が印されていた。

まぁその名の通り。

未来が予知出来る能力である。

いくらなんでも、そんなのありえんだろと思ったが

俺は先ほどの登校時に、その能力を体験した。

あの時、車に引かれそうになったときである。


あの時、俺の頭に衝撃と同時に映像が流れた。


それは自分があの車に引かれるという未来だ。

確かに、あのまま走り続けていたら、今の俺はいないだろう。


「まぁ、この能力のおかげで死なずにすんだ。とりあえず感謝かな?」


前向きに考えよう。前向きに!

どうやって俺がこの非現実的な能力を手に入れたのか?

俺を誘拐した奴は、俺に何をしたのか?

考えてもわかるはずがなかった。

ただ、奴らが俺になにもしていないことを祈ろう。


開いていた黒い携帯を閉じ再度、天井を見上げた。


「なんでこんなことに…」


総一はそう呟いたのだった……。




昼休み


「うぅ~疲れたぁ。飯だ飯!総一、飯食うぞ!」


「疲れたって言うわりには、ずいぶんと元気やな。」


「元気にしてればいいことあるさ精神だ」


「その精神を、見習いたいよ…」


昨日の出来事、今日の朝。信じられないことが起きすぎて疲れているんだ。

あまりはしゃぐなよ彰ボーイ。


「一緒にご飯食べよ~、総一~」


「よぉ~、美咲。今日の弁当はなんだね?」


彰が楽しそうにそう問いかけた。

しかし、どんだけ元気なんだお前は!

転校生が来てから、ずっとこのテンションだ。

よっぽど嬉しかったんだろうな。こいつ…

そう思って、転校してきた神崎のほうを見ると。


「うっわ…」


女性陣たちが相変わらず取り囲んでいる。

あれでは、落ち着いて飯も食べられないだろうに…


「えっへん!今日はのり弁なのだ!」


そんなことを思っていたら、美咲が胸を張って言ってきやがる。

そんなにたいしたことじゃね~よ!

しかも、のり弁だぞ。

と心の中でツッコミをいれた。


「あれ~総一。元気ないね~どうしたの?」


「こいつ、朝からこんなんだよ。」


「ほっとけっ!今はそういう気分なんだ。」


「ふ~ん、まぁいいや。食べよ~」


片岡かたおか 美咲みさき

こんなアホっぽいしゃべり方だが、頭は良く

学年5位以内にはいつもこいつの名前がある。

俺とは幼なじみで、中学のとき、母親のショックで立ち直れなかった

俺を救ってくれた、大事な友達である。

本当感謝しているよ。


「それでさ~、マジ、昨日のテレビが面白くてさー…」


「あ~見た見たょ。あれ、アホっだったよね~普通Aの答えだよね。総一は見た?」


「わりい。昨日はテレビ見ないで寝ちまったからよ。見てないんだよ。」


そりゃ、誘拐されてたんだ。見れる訳ないよな~

どうやって帰ったのかもわからなかったし、気がついたら家だったしな。

本当に夢見たいな話だ。


「そうなんだ~。残念だよ。面白かったんだから!」


「そっ、そうか」


あまりにも美咲が強く言ってくるので、相当面白かったんだろうな…

くそぉ~俺も見たかったな。


「はぁ~」


総一は昨日のことを思い出し、ため息をつくのだった。





そんなこんなで時間が過ぎた。


「それじゃ、私は自分のクラスに帰るね~」


「あ~、もうそんな時間か。うん、わかった」


美咲は俺のクラスではなく違うクラスだ。

この学校のクラス分けは簡単だ!


馬鹿か天才かだ。


これで美咲が違うクラスで、俺と彰が同じクラスの理由はお分かり頂けただろう。


「じゃぁ~、俺は飲み物でも買って来るかな。総一、なんか飲むか?」


「おっ、んじゃコーヒーを。」


二人が同時に消えたことによって

総一の周りに静寂が戻った。


「ふぅ~。なんだかな~」


思わずそんな声が漏れてしまった。

あと半日あると思うと、どっと疲れがでる。


「ふぁ~。眠い…」


後半、眠らないようにと

彰にコーヒーを頼んでおいて正解だった。

今のは未来予知を使ったわけでわない。

朝以降、未来は予知できていないし、

予知の仕方もわからなかった。

どうやってやるのか?そんなことを考えていたときだった。


「あなたが、総一君よね?」


突然、後ろから聞きなれない声がしたので振り返ると。

そこには転校生の神埼さんが立っていた。


「えっ。あぁ、そうだけど」


あまりのことに驚きながら答えた。

なんだ?あいさつか?


「急で悪いんだけど、放課後、4時に屋上に来てくれないかしら?」


「あっ。別にいいけど…」


「よかった。では、また。」


そんなことを言い残し少女は自分の席に戻った。

残ったのは?の文字と彼女の髪から出た良い匂いだけだった。

このときの総一の顔を彰に見られていたら、きっと

馬鹿にされていただろう。

やはり彰にコーヒーを買ってきて、貰ったのは正解だった。




放課後

3時53分


「いったいなんだ?」


屋上に行くための廊下を歩いていた総一は、そんなことを考えていた。

お昼のとき以降、神崎さんとは話しをしていない。

話どころか、見ることすらできなかった。


総一の席は、窓際の真ん中あたり。

後ろの彼女が気になって、勉強どころではなかった。

いったいなんだろう?

わざわざ屋上に呼ぶってことは、人前では話せないことか?

まさか……


告白!?


「ないな…」


転校してきて初日。

ましてや、俺みたいな馬鹿に一目惚れってことはないだろう。

だとしたらほんとに…


「なんだ??」


疑問が増えていくばっかりだ。

まぁ、屋上に行けばわかるってことだよな。

そんなことを考えていた時だった。



ウゥーウ・ウゥーウ・ウゥーウ・ウゥー……


急にポケットが鳴り出した。


「なっ。何だ!」


総一は驚いたがすぐに、ポケットに閉まったそれを

取り出した。


「こいつか……」


黒い携帯。

最初に鳴ったときと同じだった。


「………開くか。」


総一はあの時とは違い少し考えたが

このままにはしておけなかった。

総一の手に緊張が走る。

こんどはなんだ?

そんなことを思いながら、携帯を開いた。


カチァッ


しかし、その携帯は最初のような通話ではなかった。

変わりに文字が画面に映し出されていた。




JOKERジョーカーを近くで確認しました。

対処してください。


ようやく、学校の話に入れました。

小説家さんたちの苦労がわかってきました。

小説家さんたちに感謝!!

この小説を読んでくださった人に感謝!!


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