表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

いつになったら起きるの?

作者: 小雨川蛙
掲載日:2025/12/06

「いつになったら起きるの?」


 あなたの言葉に私は欠伸をして答える。


「もうちょっとしたら」

「そればっかりじゃない」


 日だまりの中の時間。

 温かい。

 透き通る風も目に映る。

 そう錯覚してしまうほどに。


「遅れちゃうよ。皆に」

「遅れたっていいさ」

「絶対後悔するよ」

「これ以上の後悔はしないさ」

「もう……!」


 呆れるあなた。

 その表情はどこか嬉しそう。

 そう見える気がした。


 いや。

 そう自分が思い描いているんだ。


 そう気づいた時、私は自分が目覚めつつあるのを悟った。


「もうおしまいか」

「そうね。おしまいね」


 あなたらしくない言葉をあなたか言う。


「またここで待っているから。頑張ってきてね」


 本物のあなたはこんな事を言わない。

 だって、あなたは自覚する間もなく事故で死んでしまったから。


 わかっているよ。

 全部夢だって。



 *



 目が覚める。

 隣りにある写真。

 本物のあなたが亡くなる数日前の写真。


「夢っていい加減」


 死んだことも知らずに死んだあなたが。


「私を待っているわけないじゃない」


 くすりと笑って起き上がる。

 いい加減な夢に別れを告げて、退屈な現実を生きるために。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
いい加減な夢に別れを告げて、退屈な現実を生きるために。 とても素敵でとても共感できる言葉でした。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ