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おふとりさまを卒業しよう。太ってねぇよ。

作者: 愛植乙葉
掲載日:2025/11/28

前作を子爵令息側から見たお話です。

小柄で素早い剣士とか最高かよ。

身長が伸びれば良さ、伸びなくてもまた良し。

カッコいいとはこういうことさ。

男として生まれて、世界最強を目指さないやつなんていない。

いずれは現実、限界を知って諦めるけど、子どもの頃はみんな世界最強ナンバーワンを目指したことがあるはずだ。多分、知らんけど。

少なくとも、俺はそうだった。割と最近まで世界最強の騎士を目指してた。世界最強のとまではいかなくても強い男に、カッコいい男になりたかった。正直に言うと今でも諦めるなんてしたくなかったけど。

なぜ過去形かって?キミ、身長の伸びを予測する残酷な計算式を知ってるかい?

父親の身長+母親の身長の合計に男子なら13を足して2で割る、女子なら13を引いて2で割った身長。誤差でプラスマイナス2センチくらい見てもいいそうだけど、まあ、結構つらいやつだ。ゲンジツってツラい。見たく無い。今、ホビットって言ったやつは極刑に処す。俺が。お前は俺の心を傷つけた。許さん。

まあ、とにかくそれはそれとしてまあ、そう言うことだ。手足の長いやつは戦いで有利。身体の重いやつのパンチは強い。格闘技だって体重別、はっきり言えば身体のデカいやつが有利すぎる。どんなに動きが早くても、努力じゃどうにもならない壁がある。

そう、俺は チビだ。今、可愛いと言ったやつも俺が極刑に処す。これから伸びるんだ。伸びしろの多さに期待しろ。親の身長とかクソ喰らえ。

だから、俺は思ってた。俺の息子はデカくて強い奴にしたい。ゆえに、嫁は大きくて強い奴がいい。できたら霊長類最強とか二つ名があるくらいの女がいい。

なのに、あいつを見た瞬間、わかってしまった。

俺は素直に、ただ単に可愛い子が好きなだけだった。

おっとりしてて、いつもニコニコゆったりしてて。なんだよ、自分の胸で足元が見えなくて階段から落ちそうになるってどんだけだよ。鈍臭えな。危なかっかしくて見てらんねー。なんかうさぎみたいに野菜ばっか食べてアホか、そんなんで痩せるか。痩せる必要ねえだろ。むしろ食って鍛えろ。方向性が違う。せっかく良いもの持ってるのに、なぜ痩せたがる。

気が付くと一人でトロトロ歩いてるし、なんで護衛も共も付けて無いんだ。正気か?10代の見た目の良い女なんて10代から上は80代まで全ての年代の男が欲しがる貴重種だぞ。ほら見ろ、危ない、変なのに絡まれてるじゃないか。しょうがない、行くか。


結局、アイツの前でボコボコに殴られた。

勘違いするなよ、あんな奴らなんて簡単に潰せるけど、時間稼ぎのために敢えて殴られてやってたんだよ。ふざけんな。ついでにもう痩せるな。一人で出歩くな。心臓に悪い。


気が付くと衛兵詰所に居た。

「やり返さずに止めに入ったな」

「冷静な判断だ」

「あれだけの人数相手に良く抑え込めたな」

やたら褒められて照れ臭い。

「推薦状をやるから騎士団で稽古をつけてもらってはどうかな」

アイツの父親の推薦状もあるとか。ふーん、まあ、もらってやってもいいかな。


懲りないアイツはまだ痩せたがっているらしい。

懲りない俺はまだ強くなりたがっているらしい。諦めたくない。諦めるものか。俺は、いずれ世界最強となる男だぞ。

痩せるな、鍛えろ。筋肉は寝ている間もカロリーを消費してくれるしスタイルを整えてくれる素敵な相棒だぞ。歩くくらいなら走れ。心肺機能も向上するぞ。なのに歩くってか。胸が揺れないようにすればいいんだ、サラシ巻いて走れ。有酸素を信じすぎるとやつれるぞ。それでも歩くのか?頑固だな。そこが良いんだがまあ、こんな危なっかしいやつを一人歩かせるわけにもいかない。ここは俺が付き合ってやるか。

「俺が一緒に歩いてやるよ」

しばらく間があった。なんか言ったか?


「ご一緒に歩いていただけるとうれしいわ」

あいつの顔は真っ赤だった。




調子に乗って2作目です。

誤字脱字、粗さや矛盾点お許しください。

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― 新着の感想 ―
私もチビの格闘家だったので、気持ちわかるわ~って感じでした おやすみなさい
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