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第十一話 崩壊の鏑矢 (8)

第十一話 崩壊の鏑矢 (8)







「しかしどーやってあの利かん坊納得させたの?僕らの話はてんで聞かなかったのに」


 その夜、やっぱり何人かで一部屋でたむろっている中で、ユーリスがルイスとリディに訊ねた。


「え?あー…」

「簡単にいうと、逃げんなガキって説教しただけだ」


 リディが詰まる傍ら、こともなげに応じたルイスは、奪われた愛剣の代用品として貸してもらった剣を研ぎ終え、「質悪…」とぼやく。


「俺達はゼノを直接見てきたからな。そこらへんも踏まえて、もう人を死なせたくないなら逃げんなって言ったんだよ。それが効くぐらいだからまだひねくれてない」

「うえー十四のガキんちょに言う科白かっつーのそれ…」


 テディーが舌を出して非難したものの、クラウディオが「王族に年齢は関係ないだろう」と言った。ルイスとリディは何も言わなかった。


「けど、ここの半分の家臣…救えねーよ」


 不意にヨセフが吐き捨てた。


「今日一日見てたらわかるけどな、心底王子に従ってんのは半分だぜ。残り半分は、当座を利用することしか考えてねー。終わったら始末しようとか考えてるヤツもいるぜ」

「え、そうなの!?」


 何人かが驚きを露にする。生まれの複雑さ故にヨセフは人の感情の機微を読むのがうまかった。


「ま、そんなもんだろーな」


 ジョンも大きく溜め息をを吐いた。


「どっかにこんな言葉がある。『最も勇気のある者は、最も早く死ぬ』。今この国に残ってんのは、程度の差こそあれ、小粒だろうさ」


 ひどい言われようである。


「…ルイス、救えるとか言ってなかったっけ」

「半分はな。全部とは言ってねえ」


 ぼそっとしたリディの非難に、悪びれなくルイスは応じた。


「まあ、そういった侫臣をどう始末するかは、その国次第ってわけね」


 ツェツィリアが髪を梳きながら肩を竦めた。エドガーがあくびをかます。


「そういうこったな」

「何にせよ、ワタシ達は戦うだけネ。狩人として、人ならざるものと」

「そーゆーこった」


 ガチャ、と扉が開いて、入ってきたゼーテがマルセロの言葉に頷いてみせた。


「今しがた、テメエら達の処遇について言ってきたぜ。俺らぁ仕方ねえとして、テメエらはもともと人と戦り合うためにここに来たワケじゃぁねぇってな」

「あぁ、サンキュなゼーテ。…お前らは組み込まれそうなのか、軍の方に」


 ジョンの問いかけに、彼は肩を竦める。


「確定じゃねぇが…多分な。詳しい作戦は明日立てるらしいぜ。王子デンカがやる気になったから、早いとこ始めよーってハラだ。ったく、ゲンキンだよな」

「国なんてそんなもんだろー」


 エイトが言い捨て、俺は寝る、と言い置いて宛がわれた部屋に消えていった。ユーリスもそれに続き、なんとなく解散の雰囲気が漂う。


「あたし達も寝ましょうか」


 ツェツィリアの音頭に女子軍が頷いて立ち上がり、他の面子も腰を上げた。ルイスも欠伸を噛み殺しながら立ち上がったが、後ろから呼び止められる。


「ルイス。ちょっと呑もうぜ」


 振り向けば、ジョンが酒瓶を掲げていた。










「お前さんとこうやって呑むのは二回目だなあ」

「まだ会った回数自体片手で足りるだろ」


 二人を残して誰もいなくなった部屋で、チンと硝子が音を鳴らす。一息に飲み干してから、ルイスは


(まあまあかな)


 と感想を抱き、無言で次杯を注いだ。


「リディは相変わらず呑まねえのか?」

「あいつは酒乱だ。呑ませると暴走する」


 ごくりとジョンは唾を飲んだ。


「…どんな感じに?」

「火の玉が浮遊し出す。静電気が出まくる。何もないのにグラスが飛んでく。手加減利いてない蹴りが飛んでくる」

「…………」


 だらだらと冷や汗が伝うのをジョンはしっかり自覚した。絶対リディには呑ませないようにしよう。


「つか、お前が呑ませたのか?」

「まさか。呑ませたのは通りすがりの酔っ払いだ」

「…止めなかったのかよ」

「どうなるか興味あったしな。本人のいう酒癖悪いがどの程度か知っときたかったし」

「…で、その酔っ払いは」

「全治二ヶ月。一週間で済むように治してやったけど。器物損壊で結構金も持ってかれたな」


 ははは、と軽い調子でルイスは笑うが、笑い事ではない。断じて。


「…お前はそういうの、ないよな?」

「残念ながら俺はほぼザルだ。だから口が軽くなるかとかは、期待しない方がいいぜ?」


 虚を突かれたような沈黙が落ちる。


「……。…お見通し、ってか」

「俺だけ酒に誘うなんて、なにか聞きたがってると疑えって言ってるようなもんだ」

「…ったく、可愛げねえガキだなお前さんは!」

「そんなもん、十代前半にはとっくにねえよ」


 鼻で笑って見せたルイスは、なるほど酔った欠片もない。強いて言えば口調が軽くなっている程度たが、それにしたってアイルの時に戻ったような感じだ。


(本心を見せない――貴族の業か)

「…わぁったよ、遠回しはヤメだ。直球勝負で訊いてやる」


 開き直ったジョンを、横目でルイスは見遣る。挑むような視線とぶつかった。


「誰にも言わない。だから教えろ。――お前は、エーデルシアスの、どこの貴族なんだ?」


 ルイスはフッと笑った。口調ががらりと変わる。


「なぜそこまで知りたがる?ジョン・イーデル。狩人に過去をしつこく訊ねるのは、ご法度のはずだぞ」


 背筋を氷塊が滑り落ちるような感覚。ジョンは内心で自嘲せざるをえなかった。


(この俺が…十も下の餓鬼に、畏れを抱くなんてな…)


「…そうだ。普通はな。だがお前らは、いくらなんでも謎が多すぎる。三属性の魔術、飛び抜けた戦闘技術、王族にまで及ぶ交友関係。今だから言うが、アイルの時俺達にはお前らの調査命令も下ってたんだぜ。…俺としても、浮かべたくない可能性を今、浮かべちまってる」


 それまでどこか余裕すら交えていたルイスが、ふと真剣な眼差しになった。ジョンがそれに気付いた瞬間、しかし読めない深さのものに取って代わる。


「……その浮かべたくない可能性が本当だったとしたら、お前の態度は変わるのか?」


 その口調が、どこか寂しささえ含んでいるように聞こえて、ジョンは息を詰める。

 もし、彼らがそうだとしたら。自分は何か変わるのだろうか。


「…わからん」


 口を衝いて出たのは、そんな機転もへったくれもない言葉だった。


「何も変わらんというには、あの方達は異質すぎる。…いやでも、頭を垂れたくなるのさ。その存在に対してな」

「…お前、どこかの従臣でもしてたのか?」


 ジョンは舌を巻いた。たった一言で核心を釣り上げられた。


「…昔の話だ。俺は負け犬さ。政争のな」

「……」


 ルイスは目を細めた。


(ここ十数年で、政争があったところといえば…ラーシャアルド、アルフィーノ、ゼノ、ビグナリオン)


 そういえば昔、ラーシャアルド出身だと言っていた記憶がある。


「だが、昔染み付いた固定観念ってのは消えるもんじゃねえ。気になって仕方ねえのさ…もしお前らがそうなら…ってな」

「…成程な」


 ルイスは持っていた杯の残りを、一息にあおって干し、ガタンと立ち上がる。


「なら、俺はこう返すよ。…『ルイス・キリグ』と『リディ・レリア』は、そうじゃない。ここにいるのはただの狩人だ、ってな」


 ひらひらと手を振って踵を返す青年の背を、ジョンは呆けたように見送る。バタンと扉が閉まってから、数十秒後。


「どっちだよ…」


 空しく声が漏れた。







――――――――――――――――――――――――





「ほい、ナイト獲った」

「ああああっ、私の切り込み隊長をっ!」


 翌日、庭の一角、四阿でルイスとリディはチェスをしていた。他の面々、イグナディアの人間達や狩人達の一部は作戦会議で室内に閉じ籠り、多くの他の狩人も街に出掛けている。警備も退かせた庭は、状況に似つかわしくなく穏やかだった。


「甘いんだよ、先読みが。もっと盤面全体を見ろ」

「~~だって、こっちのビショップ狙いだと思ったし」


 ぶつぶつ言いながらリディは駒を動かす。狙いの透けて見えるそれの応手を、ルイスは苦笑しながら打った。


「……むぅ」


 半ばむくれて盤面を睨み付け、長考に入ったリディから意識をずらし、傍らに置いた水盆に耳を澄ます。


『だから、この軍編成では…』

『しかし、これなら…』


 先程と代わり映えのしない議論に微かに溜め息をついたルイスにリディは気づき、目線を動かさないまま訊いた。


「相変わらず?」

「あー。ひどいもんだ」


 この国にゃ録な軍師もいねえのか、とぼやく彼に、リディは肩を竦める。


「いっそ君が口出せばいいじゃないか。得意なんだろ、戦略(こういうの)


 ルイスは渋い顔つきになる。


「…どうしようもなくなったら、な。とりあえずジョンもいるし、頓珍漢なことにはならないだろうさ」

「そういえば、ゼノでもそっち方面には口出ししてなかったよね」

「ま、あのときは必要なかったしな実際」

「ルーベンス伯とかいたしね」


 リディがようやく駒を動かす。今のところ大勢に影響はない一手だが、何か意図が隠されているように思えてルイスは腕を組む。しばらく盤面を見渡して、ルイスは口の中で舌打ちした。


「…お前、誰にチェス(これ)習った?」

ヴィンセント(馬鹿王子)

「…成程」


 恐らくだが、リディには本来軍師方面の才能はない。完全に有事の人材だ。だが、生来の勘の良さと、優れた能力を持つらしいオルディアン王太子の手解きによるものか、たまに巧妙な手を打ってくる。


(一度、ヴィンセント殿と手合わせしてみたいものだな)


 ルイスは淡く笑むと、黒の女王(クイーン)を動かした。




――半刻のち、清々しくリディは大敗を喫した。




「いい加減機嫌治せって、リディ」


 厨房から貰ってきた冷たい紅茶を、未だ盤の前でむくれているリディの前に置いてやりながら、ルイスは苦笑した。


「…我ながらいい手を何手が打ったのに、あっさり叩き潰されたのがムカつく…」

「諦めろ、お前とは年期も経験も違う」

「くー…」


 苛立たしげに紅茶をあおり、リディはふと空を見た。


「…来ないね、エカテリーナ」


 彼らが二人、こうして外にいるには訳がある。いつ魔族が来ても、対応できるようにだ。

 彼らの予想では、すぐにでもエカテリーナが彼らを殺しにやってくるだろうと踏んでいた。だが、三日が経つ今もいっこうにその気配はない。


「…全面戦争を狙ってるのかもな」


 ちらりと庭の隅、こちらからは死角になっている場所を見て、心なし大きくした声でルイスは言った。リディも一瞥し、小さく息を吐く。


「戦力差は甚大。ゼノのときと違って王が戦力を割いてないからね。しかも向こうには魔族。…さて、どうする?」

「魔族は俺達がやるとして、軍は…意表をつかなきゃ厳しいな」

「意表ってどんな?」


 ルイスは肩を竦めて、終局したままの状態の盤面を、ちょこちょこと動かす。


「罠。…思いもしないところから現れたり、背後を突けたりしたら理想だな。あとは、こんなふうに――」


 ガン、とルイスは盤面を叩いた。衝撃で駒がコロコロ跳ねる。


「反則技で、足止めするのも効果的だ」

「……はんそくわざ?」


 リディははてと唸る。戦争には確かに奇策というべき記録はあるが、反則技とはいったい何を示しているのだろうか?

 

 彼女をよそに、さて、とルイスは立ち上がった。


「そろそろ昼飯でも食べにいくか。ほらいくぞ」

「反則技、ねえ…」

「よし、二時間考えてわかんなかったら次の野宿の料理当番お前な」

「げっ」


 軽口を叩き合いながら、四阿を去っていく二人。


 完全に二人の気配が消えてから、すっと死角から人影が歩み出る。どこかバツの悪そうな顔の持ち主は、ジョンだった。

 進まない会議に一時入れられた休止時間に、姿の見えないルイスとリディを探しに来たのだが――。


「ホント、可愛げねえな…あっさり俺の気配にも気づきやがって…」


 ぶつぶつぼやきながら、彼は放置されたチェス盤を覗き込む。――まばらな黒と、それを挟むように位置する白。

 先程の会話と照らし合わせ、なんとなく本髄を察したジョンは、やるせなく天を仰いだ。


(押し付けやがって、たく…)







―――――――――――――――――――――――――――――――




「あ、ルイス、リディ!」


 食事処を出て、何とはなしにルイスとリディが街を歩いていると、不意に誰かに呼び止められた。見れば、『シルバーダガー』ユーリスとハワードが走り寄ってきていた。


「ユーリス?なんかあった?」

「違うよ。ねえ、今暇?」


 ルイスはリディと目線を交わし、頷いた。


「やることねえし、暇だな」

「じゃあ、魔術教えてくれないか?僕は水魔術士なんだ」

「教える?俺が?」


 ルイスが目を丸くすると、ああとユーリスは首を振る。


「魔力量を脇に置いても、あんたのコントロール力と応用力は凄い。頼むよ」

「まあ、いいけど…」


 若干照れたらしく鼻の頭を掻いたルイスは、リディを見下ろした。


「お前は?一緒にくるか?」


 リディは少し悩んだあと、首を横に振った。


「私は遠慮するよ。街把握したいから」

「なら、僕もご一緒しましょう」


 ハワードが口を挟んだ。優しげな顔に遠慮がちな笑顔を浮かべてリディに訊いた。


「いまいち方向感覚が鈍いもので。いいですか?」

「…いいけど」


 リディは素っ気なく応じると、ルイスからネーヴェを受け取った。ルイスは束の間探るような瞳でハワードを見、それじゃまた後で、と言ってユーリスと連れだって雑踏に消えていった。









「あの、すみませんでした。一昨日…」

「君の年なら怖じ気づいたってしょうがないよ。謝ることじゃない。謝るとすれば、私じゃなくてクラウディオに謝るべきだ」


 歩き出しながら、ハワードが紡ぎだした言葉をリディはさっさと両断する。ハワードは眉を八の字に曲げた。


「あの…同い年ですよね?」

「君が18歳なら、そうだ。私は計算に入れない方がいい。規格外の自覚はある」

「確かに、反則業ですよ。並みの剣士より強いし、魔術士より魔術に長けてる。治療魔力も持ってるんですよね?」

「…まあ、生まれつきだからね。…ああ、反則技ってそういうことか」

「?」

「なんでもないよ」


 ほぼ一方的にハワードが質問し、リディが簡潔に答えていく会話がしばらく続き、会話が途切れたところでリディは立ち止まる。


「大きな通りはだいたいわかった。私は帰る」

「え!?…あ、あの、じゃあその前に、ソレイユ通りに行きませんか?」


 リディは通りの名と記憶を照らし合わせ、小雑貨が立ち並ぶ通りだと思い出す。――一人や、女性陣といくならともかく、この男と行っても面白いとは思えない。

 一人で行けば、といいかけて、そういえば方向感覚が悪いと言ってたなとも思い出したリディは、溜め息をついて足をそちらに向けた。すみません、と後ろで謝ったハワードが、リディの隣に追いつく。

しばらくの無言の道行きの先に、ソレイユ通りに二人はたどり着く。

 閑散とした風景でも、若い女性が多いからだろうか。街の他の場所よりだいぶ華やいで見える通りに、リディは目を細めた。


「リディさんは、その…お洒落とか、しないんですね」


 なんとはなしに気を引かれて通りを歩き出したリディに、ハワードが並んで話しかける。


「女の狩人でじゃらじゃら着飾ってるひと、私は見たことないんだけど」

「そうじゃなくて…化粧とか、服とか。リリアみたいな興味をあんまり持ってないですよね」

「化粧は窮屈だしする意味はない。服は自分でもセンスの悪いものを買ってる気はない。だいたい私は結構装飾具(アクセサリー)付けてる方だと思うけど?」


 リディは耳を示して見せ、肩を竦めた。とはいっても、どちらも魔術的な代物ではあるのだが。


「そう…ですね。そっちの髪留めって、ファーデリアの陶器細工ですか?」


 言われてようやくリディは髪留めの存在を思い出した。そういえば。

 ほとんど自分の体の一部となって忘れていた。


「…そうだね」


 そっと手で触れて、刻まれた模様を辿る。貰った次の日確かめてみたら、枝葉と花をモチーフにした、かなり繊細なものだった。


「それ、結構高いと思うんですけど…ご自分で買われたんですか?」

「いや、ルイスから貰った。…やっぱ高いんだ、これ」


 無造作に髪に挿されたから安物かとも思ったが、鍛えられた目利きの感覚は高いと告げていた。無論、一般的な金銭感覚上では、だ。


(あいつ、実は金銭感覚浮いてるからなー…)


 同じような身の上であっても、暇があれば屋敷を脱走して色々な街を商人顔負けに巡っていたリディと、なんだかんだいって真面目に城で政務をこなしていたルイスとでは、その辺の感覚に隔たりがある。最もこの一年でだいぶ、ルイスも普通の金銭感覚がわかってきたようではあるが。旅が始まったばかりの頃は、鍛冶屋にすらぼったくられていた。


 思い出し笑いをしていたリディは、ハワードが俯いて、傍の露店に視線を移したのに気づかなかった。







「あれ?あれ、ハワードじゃない?」


 若い女性に人気という通りをカミラと連れ立って歩いていたリリアは、一方向を見とがめて声をあげた。その視線を負ったカミラは軽く目を瞠る。


「あら、隣にいらっしゃるのは…リディさんですわね」

「…なんであの組み合わせ?」


 どこかふくれっ面を浮かべるリリアの頭を、宥めるようにカミラはなでた。


「一昨日の事、ハワード気にしてましたもの。きっとそのことですわ」

「…ふーん」


 おもしろくなさそうに唇を尖らせる彼女の前で、何やら言葉を交わしたハワードと赤い髪の少女は、雑踏の中にあっという間に紛れ込んで行く。


(なによ、いままで女の子に興味あるそぶりなんて見せなかったのに…)


 まだ自分も出逢って三カ月程度の間柄なのはそっちのけで、リリアは不機嫌に顔を背けた。


「……」


 一方で、一瞬だけその後ろ姿を口角をあげて見送ったカミラは、すぐに表情を常の穏やかなものに戻してリリアの手を引いた。


「ほら、あちらにかわいらしい髪留めがありますわ。見に行きましょう?」


風邪ひきました。

ルイスは軍略に長ける設定ですが、私に軍師の才能はゼロ以下ですので、ごめんなさい悪しからず。

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