第十三話 終焉と黎明 【前篇】(1)
ほんっとうにお待たせいたしました……!!(土下座)
第十三話 終焉と黎明 【前篇】(1)
「――以上が、この大陸の現状です」
ユーデルシア大陸北央部、三大国家が一、エーデルシアス。その南西部、アルフィーノやオルディアンとも境を接する、城塞都市アイゼンベルグ。尖山の麓に作られたこの街は、頑健な石造りの城塞に囲まれ、街並み自体にも、敵に攻められた場合即座に対応できるよう工夫が凝らされている。
そして街の一番奥、大通りを貫いたその先に聳える、魔鉱石で造られた物々しい門をくぐり、気の遠くなるように長い石段を登った先――尖山の中腹付近に、狩人協会本部は、存在していた。
「三ヶ月間の死者総勢、凡そ10万人…大陸全体の、約0.5%ですか。由々しき事態ですね」
「だが、犠牲者の多くは〈大崩落〉の際に出たものだ。以降の数は、二万にも満たないだろう」
「それが何かいいことなのか?依然、大穴は開いたままだ」
狩人協会内にある、階段上に円になって机が立ち並ぶ広い一室――通称『議会』と呼ばれる、普段殆ど使われることのないそこは、満員とまではいかないまでも、そこそこの人数で埋まっていた。
集まっている者達は、皆この本部にいる幹部だ。元『十強』の多くは、各地の支部長、もしくは本部に在籍する。
いちように険しい顔の彼らが話す議題は、そう――三ヶ月程前、イェーツとアルフィーノの境に突如口を開けた、謎の大穴のことだった。
当時イェーツにいた『ノナ』の言に因れば、突如、尋常でない揺れが襲ってきたあと、凄まじい轟音が響き渡り、揺れが収まったあとに急遽見に行ってみれば、そこにあった街ごと大地は姿を消し、奈落へと続くような大穴が開いていたのだという。
時を同じくして大陸を襲った地震は、大陸各地の大地に亀裂を生んだ。そして、その亀裂からは障気が漏れだし、魔物の活性化を招いていた。
「各地の狩人の状況は?」
壮年の男が訊ねる。別の男が答えた。
「各地で溢れる魔物を相手に皆奮戦している。街を拠点に国軍側とも協力している者が多いようだ」
「わからんのが王族だな」
一人の呟きに、沈黙が落ちる。
各国で絶対的な人心を集め、統治している王族達。彼らが、数ヶ月、場合によっては数年前から、軍編成の整備や体制の強化などに動いていることは、狩人協会側の知るところでもあった。
彼らは、なんらかの方法をもってこの事態を察知していたのだろう、と狩人側は予測していた。実際、そうした事前準備とでもいうべきものにより、各地は当初予想されたようなパニックには陥っておらず、街単位で配備された警備網により、魔物による被害もかなり抑えられている。小さな町や村からの住民の移動も行われていて、その警護に狩人も協力した、という報告も上がっていた。
そうした慧眼さを窺わせる一方――。
「この三ヶ月だけで死んだ王族が多すぎる。何人だ?」
「把握しているだけでも10人はいるわ。直系も何人か。有名どころでこの国の王太子ね。死因も不明、また混迷状況についても音沙汰なし。まるで沈黙よ」
本来この状況は、国家側と狩人、双方が全体で協力して当たるべき災厄だ。完全に守りの後手に回っている、各地の魔物の殲滅、そして、それらとは比べ物にならない量が徘徊する〈大穴〉の対処。
それらについての打診を狩人協会がいくらしても、この三ヶ月、王族側は『待て』の一点張りで、いい加減狩人協会も我慢の限界に達していた。
「そのことですが」
その時、それまで一切口を挟まなかった、望洋としながらも澄んだ声が議会に響いた。
途端、一斉に皆口をつぐみ、一番外の円、唯一他の机から分離された席に座る人物を振り向いた。
あちこちに跳ねる長い白髪を、頭の後ろで無造作にまとめたその男は、満場を見渡して淡々と告げる。
「昨夜、王族の方から私に連絡が入りました。四日後、説明のための人員を寄越す。各地の『十強』及び、支部長の招集を願う――とのことです」
「…やっとか」
ふん、とひとりが鼻を鳴らす。誰かが肩を竦めて言った。
「王族側が唯一開示した『水鏡』と『転移』はこのためか」
〈大崩落〉の二週間後。まだ混乱の続く狩人協会に対し突然オルディアンの王族が現れ、水魔術によって離れたところの情景を映し出す『水鏡』と、空間を一瞬で移動する『転移』、二つの魔術が伝えられたのだ。それらをなるべく早く狩人の間で普及させてほしいといいおき、あっという間に彼は消えてしまったが、それがもたらした効果は甚大だった。
この三ヶ月、狩人の死傷者は勿論かなりの数に登ったが、想定よりかなり少なかったのは、これによる情報伝達が効を奏したところも大きい。
「アルトゥール、誰が来るかご存知なのか?」
ひとりの男の問いかけに、アルトゥールと呼ばれた彼は眼鏡の奥の赤い眼を伏せ、いいえ、と首を振った。
「王族の誰かである、ということしか。すみません」
「いや、わかった。ただの好奇心だ、お気になさらないでくれ」
慌ててその男が手を振って下がると、いずれにせよ、と別の女が言った
「四日後となればそうそう時間はないわ。どうせみんなばらばらな戦ってるんだろうし。即刻、各地に連絡を」
異議なし、との応答ののち、『議会』からは三々五々に人々が出ていった。
ひとり残ったアルトゥールは、ふ、と息をついてから、つと視線を上げる。
「やあ」
次瞬、魔力の揺れと共に目の前に生じたのは、まだ10を幾つか越えたくらいの少年だった。
しかし驚くこともなく、アルトゥールは深々と頭を下げる。
「お久しぶりです、オージディス。5年と4ヶ月振りですね」
「ああ、もうそんなに経つのかい。君も老ける訳だ」
「放っておいてください。貴方は、――変わりませんね」
「それが呪いだからね」
オージディスはひょいと肩を竦めると、軽く宙返りをして、一段下の机に腰を下ろす。目深に被った帽子の下から覗く老成した瞳に、アルトゥールは静かに問いかけた。
「して――大丈夫なのですか。彼らは」
「今はね」
オージディスは帽子を外すと、指でくるくると弄ぶ。襟足の長い漆黒のような髪が顕になり、蒼い瞳がすっと細められた。
「彼らが――シルファーレイとクローディアナが殺された直後は、目も当てられない状態だったけど。今は、落ち着いているよ」
「それもありますが。《覚醒》したのでしょう?その安定化には成功したのですか?」
「ああ、そっちも上々だ。まだ揺れ幅はあるけど、問題ないよ」
「そうですか…」
アルトゥールは沈痛な表情を隠さず目を伏せ、静かに呟く。
「始まるのですね」
オージディスは笑う。どこか苦しげに、大部分は満足げに。
「ああ、そうさ。小説にはよくあるだろう?終わりの始まり――さ」
四日後。『議会』には有数の狩人が集まっていた。ここ本部に在籍する者達だけでなく、各国の主要な街の狩人協会支部長、戦線に近い街の支部長、そして現『十強』の代表。彼らは『転移』を使ってやって来たり、『水鏡』を席に設置したりしてこの場に臨んでいた。
「しかし慣れねェな、この転移って奴にはよ。頭がくらくらしやがる」
こきこきと首を鳴らしながらうんざりと言ったゼーテに、アハトがへん、と鼻で笑う。
「俺ぁ慣れちまったぜ。てめえも何度も使えば慣れっだろーよ」
「しかし、こいつを考えたのは誰なんスかね。ウチの魔術士が魔術環見て発狂してたんスけど」
ふわ、と欠伸をしながら混ざったのは『ノナ』のリーダー、ジャッカル・アーレイだ。
「あー…アニタも見た瞬間喚いてたぜ。ったく、ホントにアイツら規格外だったぜ、ジョン」
話を振られた『オクタ』リーダー、ジョンは振り向いて顔を歪める。
「なんで俺に振るんだ」
「そりゃお前、あの『ヘキサ』――いや、元『ヘキサ』っつーべきか。と俺達ん中で最初に接触したからだろーが」
「んなこと言ったら新『デカ』の奴らも一緒だっつの。なぁ、ヘンリー」
「あぁ?」
巻き込まれたヘンリーは胡乱げな声を上げた。その顔は微妙にわかりにくいが緊張している。無理もない、『十強』就任からまだ三ヶ月弱からの、滅多にない〈緊急招集〉。緊張するなと言う方が無理だ。
(…いや)
あいつらなら、大した動揺もせず飄々といたかもしれないな――と、ジョンは口の端を歪めた。
「というより、『フリータイム』と最後に会ったのはアハト、システィア、貴方達。本当に消息を知らない?。アハト、貴方の仲間のカインズも消えた。」
アインス・ザレッタが首を傾げる。アハトはけっ、とそっぽを向き、システィアは(漏れなくほかの男性『十強』が顔を強張らせた)、無表情に答えた。
「生憎と知らない。〈大崩落〉の寸前まで竜と戦っていたからな。その後の混乱の中で姿が見えなくなった」
「んで、その3日後には狩人登録抹消願いを出した、と。それきり綺麗サッパリ消えちまったんだよな?」
「ああ」
端で話を聞いていた灰色の髪の男が、残念そうに唇を尖らせる。
「会ってみたかったなー、そいつら。結局『十強』で会ってないのって、俺とジャッカルだけだよな?」
「あーアレックス、お前会ってないのか」
「会ってないっすよー。ディオさん、どんな奴らなんすか?」
「…そうだな。よくも悪くも、鮮烈なやつらだ」
隻腕となった彼は、半年弱の間にすっかり元気になっていた。前のようにとは行かないまでも、その力は『十強』としてなんら遜色ないまでに回復している。
「あー確かになァ。少なくとも、一回会っちまえば二度と忘れねェだろなってのは思うぜ」
「同感だな」
からからと笑う現『十強』達を尻目に、それより幾ばくか年を重ねた集団が、やはり同じ対象を肴にしていた。
「鮮烈、か。確かにその通りだな」
マリナリオ支部長、グレイが水鏡の向こうからくくっと笑えば、
「見た目も派手ですものね。鮮烈、もしくは強烈と言ってもいいかもしれませんよ」
シュリアグランデを与るアリスティアが上品に微笑み、
「違いねぇな。おら元凶、なんとかいえよ」
ヴィレーヌのオーギーンがにやにやと顔を手に埋める男を肘で小突いた。
「うるさい」
くぐもった声で男は唸り、机に突っ伏す。
「わかってるさああわかってるあいつらを送り出したのは俺だだけどそれしかなかったんだっつの二人で組ませなきゃ一人でだって行く気満々だったし下手に実力あるし世間知らずのくせして妙に達観してるし行ったら行ったであちこちでトラブルメーカーになってるしなんなのあいつらもうなんなの」
「おーいクラークぶつぶつ言ってないで戻ってきてこ…駄目だこりゃ」
「変わらないな、クラークは」
一同仕方なさそうに肩を竦める、けれど男を見る目はいちように柔らかかった。
――現在アリエルの支部長を務めるこの男の名を、クラーク・メイフィールドという。今から10年以上前の『ジィ』のリーダーであり、その時代の最強の狩人として名高かった。
かつて中位竜を一対一で倒した程の、凄まじいまでの実力者で、二つ名は『竜殺し』。しかしその恐ろしげな名とは裏腹に、本人はかなりお人好しの苦労人だった。
そして。
「師匠」
「…なんだよ、システィア」
呼ばわったのは、現『トリル』リーダー、最強の女狩人と名高いシスティア・ランデンブルグだった。薄氷の瞳でクラークを見据えた彼女は、「話が」と端的に言った。
「…わーったよ」
重い腰を上げ、少し離れた席に向かう男女を、若年組も壮年組も黙って見送る。前者はおののきをもって、後者は愉快そうに。
そう――クラーク・メイフィールドは、システィアランデンブルグの師だった。彼がまだ20代だった頃、クラークは幼子をどこからか拾ってきて、連れ歩いていた。
当時フリーの傭兵だった彼と子供の組み合わせは異色で、時に小児性愛者かと剣呑に武器に向けられたりしたが、クラークはそれはもう立派に幼子を育て上げた。寧ろ、立派に育てすぎた。
「あのちっちゃかった子が今や、泣く子も黙る『氷剣』だものね。年をとる訳だわ」
当時を知る元狩人達は、やれやれと肩を竦めた。
その後クラークは、幾人かの気心の知れた友人――ここに、アリスティアやグレイが含まれる――と共に、狩人パーティを結成し、システィアもまた、己で信頼出来る仲間を見つけて、自立していったのだ。
もう、30年以上も前の話だ。
人の少ない席に腰を下ろしたシスティアは、低い声で言った。
「師匠、リアの娘が」
「ああ、聞いた。――一番大きかった、あの女の子だな」
可哀想にな、と呟くクラークに、システィアは目を伏せる。
仲 違いをしてから、10年経って訪れた妹弟子にできていた、四人兄妹の一番上の少女。リアから愚痴のように、王太子に取られたと聞かされていた。愚痴のようでありながら、リアの顔は嬉しそうで、己の子の幸せを心の底から願っていた。それが――。
「リディは、どうしているんでしょう」
ぽつりと呟いたシスティアに、クラークは無言で目を細めた。
リディ・レリアとルイス・キリグ。彼ら二人を、狩人として世に送り出したのは自分だ。そのうち少女の方が、彼の弟子の娘であることは、見た瞬間に解った。胃をキリキリと痛めながらも、少女が、母親が焦がれ、でも歩めなかった道を突き進んで行く手助けをしたりもした。それらはひとえに、弟子への情故だったが。
「あいつらが背負ってるもの――それは俺が探してたもんらしいってのは、ホントか?」
「ええ。『原初の運命』。彼らは己を、そう呼ばれていると言っていました」
システィアの頷きに、皮肉げにクラークは唇を歪めた。
若い頃、自分が巻き込まれたとある事件。そこで彼は、ある未来を知った。その未来は今に通じている。彼にそれを教えた人間によると、自分はいつか『原初の運命』に関わる。その時は、出来るだけ助けてやってくれ――そうも頼まれたのだ。
結局自分はそれと知らぬまま彼らと出会い、その時の自分なりの助けを施した。長年の答えがさらりと与えられた後に残るのは、妙な虚無感だ。
「師匠」
少し苛立った声音で意識が引き戻される。眉を寄せたシスティアが彼を睨んでいた。
「この三ヶ月、リアからの連絡はそれだけです。リディがどうだとか現状だとか、何も伝えてこない。でも師匠なら何か知っているのでは?」
詰問に、いや、とクラークは首を振る。弱りきった顔だった。
「傭兵時代に培った裏社会の情報網ですら何も掴めないんだよ。だから俺も何も知らない」
彼とて、あの二人を心配しているのだ。色々手を尽くし、素性を元に調べすらした。――しかしリディもルイスも、今現在どこにいるのかすらわからない。
彼らは二人とも、兄姉を亡くした。その心中は察するに余りある。ルイスに至っては、兄の死で降りかかってくるのは心痛だけではない。
「無事だといいんだけどな…」
ぽつりと呟きが落ちた、その直後。澄んだアルトゥールの声が、場に満ちる。
「連絡が入りました。王族の説明役が到着したそうです。今向かってきていると」
ざわり、と囁きが波のように広がったのち、まるで波紋が消えていくように音も消えていった。
こつ、こつ、と遠くから回廊を歩いてくる靴音。数は――2。
誰もが口を閉ざし、あるものは好奇心をもって、あるものは苛立ちをもって、その他様々な感情を浮かべた瞳が扉に向けられる。
扉が観音開きに開かれていく。その向こうから現れた人影に、複数人が息を呑んだ。
「な、…」
掠れ声が誰かの喉から漏れる。部屋に悠然と入ってきた人影は、背後で扉が閉まるのを確認すると、満場から集まる驚愕、絶句、呆然の視線を全て受け止め、しかしものともせず、言った。
「お初にお目にかかる方も、久方ぶりにお目にかかる方も――このような形でのお目もじとなることを遺憾に思うが、まず名乗らせていただく。――俺はルイシアス・アレシウス・ロウ・キリグライト・エーデルシアス」
「私の名は、リディエーリア・リィ・オルディアン・エルクイーン」
長い漆黒の髪に蒼い切れ長の目をした青年と、その半歩後ろの、深紅の髪に金色の猫のような目をした少女は、満場を見渡して静かに告げた。
「この度、王族と狩人協会との架け橋として派遣された。――お見知りおきを」
議会は、水を打ったような静寂に包まれていた。そんな中、ルイスとリディは用意された席にさっさと近づくと、リディは懐から紙を取り出す。机に置かれたそれには魔術環が描かれていて、小さく詠唱すると同時、紙の束が出現した。
「まず資料を先に配らせてもらう」
淡々と進めようとしたルイスに、ようやくここで待ったがかかった。アハトだ。
「待て待て待て。ちょーっと耳が遠くて聞こえなかったぜ。もう一回、てめーらはどこの誰だって?」
「聞こえてんじゃん」
ぼそりとリディは呟き、ルイスは苦笑気味に肩を竦めた。
「解りやすく言うか。俺はエーデルシアス第二王子、通称『氷の軍神』。リディはオルディアンの公爵家エルクイーンの次女で、通称」
「『烈火の鬼姫』。ルイスこれ配っていい?」
「いいよ。つか頼む」
「了解、ウェルエイシア」
リディの手元から紙の束が舞い上がり、全ての席に余さず着地する。リディは満足げに頷いた。
「うん、オッケー」
「いやオッケーじゃねえよ!」
だん!とジョンが机を叩いた。
「なに!?お前ら貴族なのは知ってたけどよりによってピンポイントでそこふたり!?」
「悪かったね、悪名高くて」
リディがにっこりと笑う。綺麗なそれに、彼女を知らない者の多くは見惚れたが、知る者は総じて眉を寄せた。隠しきれない違和感を感じて。
低い声が場を打つ。
「…ルイス・キリグ」
凍りついたような空気の中で、ルイスもまた、綺麗に笑った。
「…なんでしょうか、システィアさん」
胃を抑える男の横で、細面を険しく形作ったシスティアは、二人の王族を見据えて問い質した。
「説明しろ。――お前達がアグライヤから消えたあと、何が起こったのか。王族の中で、何が起こっているのか。話せ」
ルイスとリディは、顔を見合わせる。一瞬、二人だけにわかるように苦笑を浮かべ、それから椅子を引いた。
「俺達個人の身の上話も入る。興味のない方々は、手元の資料を読んどいてくれ」
婉然と笑うルイスに、何人かは寒気を感じて身を震わせた。かつて見た時と、明らかに空気が違う。
(なにがあったんだ…)
「じゃあ、話そう。三ヶ月前――〈大崩落〉の後から、俺達が何をしていたのか」
そんな口火を切って、ルイスは話し始めた。
お待たせしました。最終章、開始です。
前篇は説明が多くなります。伏線回収というよりは風呂敷畳みかと…。
また、この話と同時に登場人物紹介を上げていますので、お暇な時にでもどうぞ。




