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2:鬼ごっこの基本は狙われないこと

短めです。毎日投稿してる人って尊敬します。

 走る、走る、全てを捨てていくように走っていく。常識も倫理観も・・・


「星水!逃げるっていっても、どこに!?」

「今、俺たちが走ってる方向にあるのは?」

「え・・・あ、駅・・・電車か!」


 2人の目の前には駅が見えていた。

 駅の中に入っていくと、そこにはたくさんの人がいた。

 だが、彼らの顔は「日常」の表情だった。今、外でどれほど恐ろしいことが起きているのか、この人たちはまだ知らない。


「ハイハイ!ちょっとどいてくださいよっ、と!」

「!? ちょっ、そこの学生!?」


 人ごみの中を無理やり押し通っていく星水は、その勢いのままに改札口をハードル走のように飛び越えていく。

 お金を払わずに。


「お、おい星水!何やってんだよ!?」

「アハハ!太陽も早く来いよ!モタモタと電子マネーなんか行儀よく使ってる状況じゃないんだぜ?」

「あ~~!もう!!」


 そして朝神も星水に続いて飛び越えていく。


「アハハ!さっすが太陽、俺よりも綺麗に飛び越えたな!やっぱ勉強もできて運動もできるイケメンは憎いぜ!」

「るっせ!でも星水の言うことも正しいからな・・・って、そうだ!皆さん!今すぐ逃げてください!!」


 朝神は今、この場所に危険が迫っていることを周りの人に聞こえるように大声で警告する。


 ”ザワザワザワザワ” ”?”


 しかし、みんな困惑したり無視したりと、聞く耳をもつ人はいなかった。


「は!?何してんだよ太陽!?()()()()()()()()()にできると思ったのに!」

「・・・・・・え」


 朝神の顔が固まる。


「まあ、別にコイツら気にしてなさそうだから、別にいいけどさ」

「なあ、」

「ハハ、つうかコイツら(一般人)危機感なくて笑える」

「待てって・・・」

「とりあえず、近くにある電車に適当に乗るか 」

「ゼロイチ!!!」


 朝神が星水にタックルする。


「ごへっ!?な、なにしてんだオマエ!!」


 星水は地面に向かって盛大にヘッドスライディングを決める。

 朝神はそのまま星水を押さえつける。


「それはこっちのセリフだ!!!」


 初めての感情だった。

 自分にこんなにも大きな『怒り』があったなんて。しかも、それを友人に向けれることに朝神は戸惑った。

 しかし、それ以上に目の前にいる友人の言葉が許せなかった。


「・・・じゃあ、聞くけど。今のオマエに、あの悪魔ども(異世界の人)倒せる力あるの?」

「ほし・・・みず?」


 ゾッとした。

 今、自分は星水を押さえつけている。

 客観的に見れば星水をどうするかは自分次第でどうにもできてしまえるほど、圧倒的に有利な状況のはずだ。

 それなのに、友人の、人を人として見ない冷めた目に何も言えなくなってしまう。


「俺たちは、多分だけど異世界の人間に襲われている」

「あ・・・」

「そして、俺たちじゃ悪魔みたいな異世界人には勝てない。だから逃げるしかない」

「・・・」


 星水は自分を押さえつけている朝神の手をゆっくりと握り、どかそうとする。

 それを朝神は抵抗しない。


「そして、あんな超人パワーのやつらに俺たちじゃ逃げるのも難しい」

「・・・」


 星水は上半身だけを起こして、馬乗りしている朝神に真正面から目線を合わせる。


「だけどオレ達にも1つだけ有利な点がある」

「え?」

「それはオレ達がモブのような小さい存在であることだ」

「ど、どういうことだよ・・・」

「俺たちは別に物語の主人公レベルに重要な存在ってわけじゃねえ。影が薄いんだよ。だからこそ他の人が狙われてる間に逃げられる」


 淡々と言う。

 目の前の友達は他人の命を犠牲にすることに、一切のためらいもなく話す。

 ただ、彼の言葉も1理はあると思ってしまった。

 敵の強さは?少なくとも普通の人より圧倒的に強い。人を助ける余裕は?分からない。敵の数が不明だから、


「・・・」

「はは。にしても、こんだけ2人で騒いでおきながら周りの人たちは知らんぷりですか。都会の人は冷たいね~。ま、面倒ごとに構うなんて苦労するだけだから・・・・・・ごめん、別に太陽を否定するわけじゃないんだ。ただ・・・俺の考えがクソってだけだ」

「あ・・・」


 ほんの一瞬だけ、星水の顔がいつもの表情に戻った。


「じゃあ、お互いに生きてたらまた会おうぜ」


 星水はゆっくりと立ち上がる。

 そして、少し寂しそうな表情を見せると背を向けて走っていく。


「・・・ったく、だったら・・・そんな顔すんなよってな!星水!」

「は?!なんでこっちに走ってくんだよ!?」

「当ったり前だろ!俺だって逃げたいんだからさ!」

「・・・た、たしかに」


 よく考えたら逃げる方向は一緒か、と思った星水は先ほどまでの自分の発言を思い返して死ぬほど恥ずかしくなった。


「でもよ!俺は諦めたわけじゃないぜ!!」

「?」

「みなさ~ん!!逃げてください!悪い人たちが襲ってきていま~す!!」

「うるさ!?てか大声だしながら走ったら疲れるだろ?!」

「それでも!俺は1%でも人が助けられるなら、助けたいんだ!」


 朝神は偽りのない太陽のような眩しい笑顔で答える。


「・・・アハハハハ!ほんとアホだな太陽!でも、そういうところが俺は好きだよ」

「お、なんだ告白か?そういうカッコいい言葉は将来の彼女のためにとっておいたほうがいいぞ」

「いや俺、彼女とかできる性格してないから問題ないね」

「悲しい」



 ♢ ♢ ♢



 2人は駅に出る。

 駅にいる人たちも『異常事態』というわけではなく、みんな静かに電車を待っている。


「電車は・・・10分後か」

「どうする星水。10分だと待つのは危険じゃないか?」

「たしかに・・・じゃあ線路走るか」


 星水は迷いなく線路に飛び出す。


「え、ええ!?」

「アハハハハ!太陽も早く来いよ。合法的に線路を走れるなんて、そんなにあるもんじゃないぞ!」

「あ~!もうどうなっても知らないからな!」


 朝神も続いて飛び出した。


「アハハハハ!!少年法でなんとかする!」

「お前みたいな考えがあるから、少年法はダメだって世間に認識されてんだぞ!みなさ~ん!!悪い人たちが襲ってきています!みなさんも逃げてください!」


「「「「「・・・・・・・」」」」」


 2人の非行少年の行動に周りの人たちは”ぽかん”と開いた口が塞がらなかった。


(それにしても、俺と太陽が言い争っていた時に周りの反応がなかったのは不自然だったな。てっきり人が多い駅は狙ってくるかと思ってたんだが・・・違う場所に向かったか?)

よかったらブックマーク登録と評価ポイントよろしくお願いします。


はげみになります。

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