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65 リリィとお姉様二人旅!

本日二回目の更新です!


 俺達は筋肉的な花の採取を終え、無事にクエストをクリアした。

 鬼コンビ曰く、筋肉がむせび泣く程の良いクエストだったそうだ。

 是非またクエストに付き合って欲しいと言われて、笑顔で了承した。


 ギルドメンバーと一緒にクエストに挑むなんて、極々当たり前のことだ。

 むしろ遊んでもらえて大喜びってもんだぜ。

 アズも喜んでいたし、定期的にクエストを消化して回るのも悪くない。


 一つ気になったことと言えば、謎の芽だ。

 ダリとリリィのじゃれ合いから距離を取った時に、俺の服から落ちた何かが芽を出した。


 それを見たダイナとダリは


「こ、これは! あの花の芽じゃねぇか!?」


「なんてことでしょう、姫様の歌を聴いた筋肉花が、お礼をくれていたということですね!」


 なんて大興奮。

 俺の足元に生えてきた二つの芽を丁寧に周囲の土ごと掘り返し、裏庭に植え直していた。

 あの芽が一体何なのか、気にはなるけどしばらく触れないことに俺は決めた。





 とある日。

 いつも通り遅めの朝食を終えてログインすると、リリィがいた。

 場所はギルドホームのリビングだから居ても不思議ではないが、時間帯的には少し珍しい。


「こんにちは」


「こんにちはお姉様。早速なんですけど、狩りに行きませんか!?」


「他の人達はいないみたいですけど、私達だけでですか?」


「はい。お姉様と私の二人だけで、お姉様と私でペア狩りに行きたいんです!」


「いいですね、行きましょうか」


「ありがとうございます!」


 嬉しいお誘いに即答で返す。

 俺とリリィのペアだと、バランスがあまりよろしくないが、なんとかなるだろう。


 俺もリリィも支援系の職業で、火力はほとんど無い。

 しかし俺には≪チャーミングショット≫がある。

 極端に振りきった≪魅力≫のお陰で威力も中々のもので、確殺狩りなら安定して狩れるだろう。

 近づかれると脆いが、≪アイドルステップ≫等で少しは持ちこたえられる。


 慎重にならざるを得ないので効率は出ないだろうが、俺達はガチ勢じゃない。

 楽しくこの世界を満喫出来ればそれでいいんだ。

 リリィもいつもの様子なら、初心者用MAPで≪白玉兎≫を撲殺し続ける狩りでも喜んで付き合ってくれそうだしな。

 

「実は行きたい狩場があるんですが、良いですか?」


「勿論大丈夫ですよ。どこなんですか?」


「先日実装された三層にピラミッドがあるんですけど、どうやらそこに、レアなアイテムを落とすモンスターがいるらしいんです! モンスターのほとんどはアンデッド系なので、ペアでも大丈夫だと思います」


「なるほど」


 リリィは≪知力≫極振りの≪アコライト≫という支援職だ。

 しかし、アンデッドや悪魔系に対してだけダメージを与えるスキルも持っているという。

 だからその系統のモンスターがメインの狩場では、リリィは火力として活躍出来る。


「では行きましょうか」


「はい!」





 俺が鬼コンビやアズと一緒にクエストをクリアした日に、新しいアップデートがあった。

 三層、四層のマップと、いくつかの細かい機能の実装だ。


 その日の夜に俺達は二層ダンジョンのボスへ挑み、三層を解放してある。

 三層は砂漠と荒野のマップがメインの階層になる。

 俺達は転送サービスを使って≪砂漠の街マルク≫へとやって来た。


 西のエリアへ出て、更に進むと巨大なピラミッドが現れた。

 ここまで来たのは初めてだ。

 そもそも、街の観光すらほとんどしていない。

 また皆で見て回りたいところだ。


「このピラミッドの地下二階が目的の場所です! さぁ行きましょう!」


「はい」


 やる気満々のリリィの先導でピラミッドの中へ。

 中は薄暗く、通路が伸びている。


 普通の遺跡っぽい感じなのは、ゲーム的な都合だと思われる。

 そもそもここはファンタジー世界のダンジョンだしな!

 深く考えてはいけないのだ。


 進んだ先に、上と下へ続く階段がそれぞれ左右に分かれて設置されていて、兵士のような人が立っていた。NPCだ。


「この先はモンスターが跋扈(ばっこ)するダンジョンと化しています。危険なので私はこうして見張っているのです」


「はい」


 よくいる案内係的な役割っぽくて特に何も起きなかった。

 適当に聞き流して、地下への階段を降りる。

 コウモリなんかの弱いモンスターを適当に俺の可愛さで撃ち落とし、先へ進む。

 十分程で地下二階へ続く階段の前へ到着した。


「お姉様、私の攻撃スキルは発動が遅い上に範囲攻撃なので、なるべく巻き込みたいです」


「分かりました。それじゃあ他のプレイヤーに気を付けながら、なるべく複数巻き込みましょうか」


「お願いします」


 大体の作戦は事前に話し合っていたが、追加で打ち合わせをしてから階段を降りる。

 念の為先頭は俺だ。


 階段を降りると、割と広い空間だった。

 すぐ後ろの壁は岩で出来ているようで、まさに謎空間。

 マップを見た感じ、広い空間にところどころ壁や柱が設置されている造りのようだ。


 さて、行くか!



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― 新着の感想 ―
[一言] 鬼二人は裏庭で芽と筋トレしてそうだな お前の父親(彼らの中で勝手に決まった)のように立派な筋肉になるんだ!とか 愛情を込めて育てることでしょう さてヤベーシスターとのペア狩りはどうなること…
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