表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/115

閑話 管理AIナインちゃん2

閑話なので短めです!

本日三回目の更新です!


 とある電脳空間に、一人の少女がいた。

 白い髪に白い瞳、着ている服は白いワンピース。

 少女は何かを眺めては、わたわたとはしゃいでいる。

 この少女こそが今話題の最新VRMMO≪カスタムクラスオンライン≫の管理AIである。

 

 名前はナイン。

 敬愛するマスターの九番目の作品として生み出された。

 今はそのマスターや姉であるナナコにサポートされながらも、立派にゲームの運営を行っている。


 ナインの主な業務は、細かい部分の作成にある。


「このクラスは剣を扱うのが得意だから、やっぱり剣に関係するスキルが多いけど、あえてこんなスキルも用意しておきましょう!」


 このゲームでは、職業に相当する≪クラス≫と呼ばれるものがある。

 ≪クラス≫ごとに何かしらの行動をとると≪称号≫がもらえることがあり、それに紐づいた≪スキル≫を同時に取得するシステムになっているのだ。


 その数は膨大であり、とても纏めきれるものではない、と言われている。

 しかし、その全てがあらかじめ用意されているわけではない。


「むむ、矢を持って殴りかかるなんて面白いですね、新しい称号を用意しておきましょう! やや! これは、味方ごと魔法に巻き込むなんて、もっと威力をボーナスしてあげたら面白そうですね!」


 ナインは何かを察知しては、むむむむと新しいデータを構築している。

 そう、プレイデータから新たなデータを産み出すことこそが、彼女の仕事の大部分を占める。


 それは≪スキル≫や≪称号≫、≪クエスト≫等多岐に渡る。

 プレイヤー人数は約一万人。

 その膨大なデータを日々処理するナインは、生半可なAIではないのである。


「ありゃりゃ、このクエストバグっちゃってませんか? この段階で突破出来るようなクエストじゃない筈なのに……まぁいいですね!」


 ナインは、高性能な割にどこかお茶目な部分もあった。

 姉が賑やかな家族に憧れ、賑やかな妹を欲した結果でもあるので、そういう意味では間違いなく高性能である。


「遠距離系のクラスで近接戦闘ですか。いいですね、嫌いじゃないですよその反骨精神。もう少し続けられたなら、ちょっぴりサービスしたスキルを贈呈しちゃいましょう」


 そしてこのゲーム、ナインが管理を任されていることからも分かるように、バランスは重要視されていない。

 理由は単純で、完全に製作者の趣味で作られたからだ。

 だからこそナインが任されているとも言える。


「お、この人達はいつも面白いことをしてる人達ですね……ぷっ、なんですかこれ! なんですかこれ! あはははははは!」


 ナインに、とあるプレイヤー達のデータが流れ込んでくる。

 ピンクのドレスを着た少女が、筋肉モリモリのマッチョマンを振り回している映像だ。

 それを確認するや否や、ナインは笑い転げた。

 彼女はこういう突拍子もない行動が大好きなのである。


「いいですね、最高です! これはもうとっておきをプレゼントしなくてはいけませんね!」


 管理AIナインちゃんの仕事は日々続いていく。

 今日も素敵な≪称号≫を作成しては、プレイヤー達の元へと届けていくのだ。



少しでも面白いと思っていただければ、↓から評価をお願いします!

ブックマークや感想、レビュー等をいただけますと、よりいっそうの励みになりますので是非よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ