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9 圧縮箱入りモンスター出来上がり

本日二回目の更新です!

祝☆総合評価200pt突破!


 レンのことを馬鹿にしたプレイヤー達と、何故かイベントで雌雄を決することになってしまった。

 俺達はそれまでに、≪空間爆縮(インプロージョン)≫を活かす方法を考えないといけない。

 しかもそれに追加で、レベル上げや装備の強化も考える必要がある。

 

 今の時刻は十二時を回ったところ。

 とりあえず、一度昼食にしようということで、街に戻って解散した。

 一時間後に噴水前で待ち合わせだ。

 きっとレンはすぐさまログアウトしたことだろう。


 俺も昼食ということにしたが、実際は起きてすぐに食べている。

 なんとなく、女の子が昼前まで寝てたっていうのもどうかと思ったから、ちょっとした嘘をついた。 


 俺の操作するこのキャラクターに見合った言動をしたいというかなんというか。

 そう、これも一つのロールプレイ。

 可愛いキャラクターの中身なんだから、せめてフリーターの女の子、くらいは心がけていきたい。


 ……これってもしかしてネカマでは?

 うん、細かいことは気にしてはいけない。

 楽しみ方は人それぞれ。これはあくまでもロールプレイ。

 ネカマだろうと性別が一致してようと、何も影響は無い筈だ。


 特に明言する必要もないしな、うん。


 さて、時間が出来たので放置していた検証を進めることにする。

 次に試すのは≪フェイクモーション≫。

 広場のベンチに腰かけて、詳しい説明をもう一度読んでみる。


 うん、よく分からない。

 実際に使ってみるか。

 って、これはパッシブ型だな。

 どうやって効果を発揮させるんだ?


「お」


 目の前に、選択ウインドウが現れた。

 ふむふむ、基準となるモーションを選択してください?

 とりあえず、≪癒しの願い≫を選択。


『設定が完了しました』


 設定出来たらしいけど、何が変わったかは分からない。

 実際に試してみるしかないか。


 というわけで、やって来ました西の平原。

 街中でスキルを試すわけにもいかないからな。

 ただでさえ見られてる気がするのに、突然箱を出したりすれば余計に目立ってしまう。


 両手の指を絡ませるように胸の前で両手を握りしめる。

 何かに祈るかのようなポーズ。

 これが、≪癒しの願い≫の発動に必要なモーションだ。


 スキルの効果を読むに、これで合ってると思うんだけど。

 発動するのは、箱を出現させるスキル。


 意識を集中させると、シュインという音が鳴った。

 詠唱が完了した音だ。


「≪プリンセス・ボックス≫」


 スキル名を言葉にすると、狙った場所に箱が出現した。

 本来のモーションとは違うのに、問題なく発動出来た。

 これが≪フェイクモーション≫の効果ってことだな。


 ≪プリンセス・ボックス≫の発動の時のモーションは、≪手を翳した状態≫だ。

 それが、登録した≪癒しの願い≫のモーションで発動出来た。

 つまり、本来のモーションとは別のモーションでの発動を可能にするスキル。


 なるほどな。

 で、これって、どういう意味があるんだ?





 一時頃に、レンと合流。

 再び、スキルの検証を開始した。


 課題は、≪空間爆縮(インプロージョン)≫の有効活用。

 しかしこれがなんと、あっさりと解決した。


「まさかこんな簡単な話だったなんて」


「これであいつらにも問題なく勝てますね!」


 ≪空間爆縮≫の問題点は、当たらない事。

 当たりさえすればダメージはでかいんだ。


 手順を説明しよう。

 ≪白玉兎≫を≪プリンセス・ボックス≫で隔離する。

 箱の内側に向かって≪空間爆縮≫を発動する。

 相手は死ぬ。


 以上。

 非常に簡単なことだった。

 ≪白玉兎≫程度じゃあの箱を十秒程度で壊すことは不可能。

 つまり必中。


「この調子で狩れば、レベルも上げられるかな」


 レンもとても喜んでくれている。

 はしゃいでいると言ってもいい。

 けど、とても狩りでは使おうと思わない。


「ここのモンスター相手なら、殴った方が早いんですよね……」


「それはまあ、そうだね」


 杖で兎を撲殺するのに、三回叩けばこと足りる。

 態々俺のスキルで隔離した上に、超威力の魔法を十秒かけて叩き込む必要はない。


 この必殺コンボがあの腐れもずく共を倒す鍵なのは間違いないが、不安も多い。

 箱の耐久力が足りないかもしれないし、何らかの手段で耐えられる可能性もある。


 それらを払拭(ふっしょく)するのに、何はともあれレベルを上げたい。

 そうなれば、イベントまで一週間以上はあるものの、あまりのんびりもしていられない。

 

 レンはやっと2になったところで、俺は13のまま。

 効率を上げる為には、この必殺コンボを活かせる場所に行く必要がある。


 強くて、経験値の多いモンスターのいる場所。

 そう、いざ行かん、東の森!

 俺達ならきっと立ち向かえる筈だ!


「狩場を変えようと思うんですが、いいですか?」


「姫ちゃんの決めたことなら反対はないよ」


 微妙な反応ではあるが、反対でないのは確か。

 今は細かいことは気にしないでおこう。


 そうと決まれば、早速とばかりに東の森へ移動した。

 ああ、ここのモンスターのビジュアルは刺激的だが、背に腹は代えられない。

 今こそ挑む時!


「ひ、姫ちゃん、来てるよ!」


「≪プリンセス・ボックス≫! 今の内に!」


「ま、任せといて!」


 両手を握りしめて祈るようなポーズを取ると、すぐ近くまで迫っていた凶悪な面の熊が箱に囚われた。

 鼻面をぶつけてしばらく呆然としていたが、閉じ込められたのが気に食わないのか、激しく爪を叩きつけてくる。


 レンが杖を構えて魔法の体勢に移った。


 やばい、≪デビルグリズリー≫の攻撃が激しすぎる。

 箱にヒビが入ってるのが分かる。

 魔法はまだか!


「……………………≪空間爆縮≫!!」


 箱が破壊されると同時に、魔法が発動。

 デビルグリズリーの腹部の空間が圧縮されて、熊に大ダメージを与える。

 なんとか一撃で倒せたようで、熊は倒れてすぐに消えていく。


 ふう、心臓に悪い。

 でも上手くいったのはいいことだ。

 今のでレンのレベルも上がったし。


「すごい、一気に2も上がったよ!」


「この調子でガンガン行きましょう!」





「奥からもう一匹!?」


「姫ちゃん箱、箱お願い!」


「……一つしか出せないです」





「ぐぇ!?」


「え、遠距離攻撃!? レンさん、生きてますか?」


「……ガクリ」


「レンさあああああん!!」





 何度も死に戻りを繰り返しながらも凶悪なモンスター達に挑み、俺達はレベルを上げていった。



少しでも面白いと思っていただければ、ブックマークや感想等よろしくお願いします!

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