No.94 でしゃばって悪いですか??
「救うってどういうことですか??」
隣でうちと同じようにしゃがみ込んで隠れるマティアは聞いてきた。
マティアには予知能力があるのだが、うちが今から実行する未来は見えていないようだった。
自分の意思で見れないって言ってたし仕方ないか。
まぁ、やることが分かっていたら質問なんてしないもんな。
うちはマティアに光魔法によって強化されたバッドを見せる。
「あの女王は悪魔に操られているんだ。だから、悪魔をぶっ倒すためにこのバッドに光魔法能力を付加したんだ」
「えっ?? 悪魔に囚われているの??」
「そうだ。だから、女王を助けてやるんだ」
「えっ?? どういうこと?? ちょっと、待って」
うちはマティアの声をスルーして、ひょいっと立ち上がる。
その瞬間、こちらを向いた女王と目が合う。
彼女の目は不意打ちを食らったかのように目を見開いていた。
「おりゃっ!!!!!!!」
相棒のバッドを右手に持ち構える。
そして、背中から思いっきり振り、美しい装飾を施された窓をたたき割った。
窓ガラスは一回叩いただけで中央からピキピキっとひびが入り、1枚が割れて部屋の中にガラスの破片が散っていく。
意外と簡単に割れたな……。
これもマティアの魔法のおかげか……??
うちは相棒の凄さに魅了され輝きのまなざしで見ると、ぎゅっとバッドを握り直す。
急いで顔を上げ、窓ガラスが割れた窓枠をジャンプで超えていく。
窓際には砕けたガラスがバラバラと落ちていたので、そこもジャンプで乗り越え、真っ赤な絨毯の上に立った。
女王はこちらを厳しい目で向け、うちを汚らわしいそうに見ていた。
そして、厳しい顔の裏に困惑もあるように思えた。
うちが話しかけようとした瞬間、女王の方から口を開いた。
「お前……、なぜここに来れた??」
女王は玉座から立ち上がり、目の前の階段をゆっくり下りていく。
その様子は本来神々しいであるはずが、まるで悪の帝王のようなオーラを醸し出していた。
綺麗な金髪美女なのにな……。
女王の髪は腰のあたりまでと長いが、手入れがしっかりしているのか艶が出ていた。
アメリアはブロンドの長い髪の女王をもったいなさそうに思う。
しかし、警戒心は怠ることなく、バッドは構えていた。
「どうしてって。うちは飛んできたのさ」
うちがそう言うと、女王は「はっ」と鼻で笑い、軽蔑する。
「お前が飛ぶ?? ありえないことを言うな。ただの人間がでしゃばるな」
「ただの人間がでしゃばって悪いですか?? え? えぇ??」
女王の顔が非常にウザいと感じてしまったので、うちも負けず口をゆがませ笑い挑発する。
すると、女王の口角が少しピクピクしたが、冷静な様子で階段を降り切った。
今の女王は悪魔が取り憑いていたんだよな。
うちは女王に変わった様子がないか気づかれないように確認する。
「調子に乗りおって……。後悔するがいい、妖精の女王にそんな口をしたことを」
女王のオーラはさらにいっそう濃い暗いオーラに満ち始め、風が吹き綺麗な金髪が乱れ始める。
妖精の女王じゃなくて魔界の女王みたいになってんぞ。
魔力をため込み始めた女王に対し、うちもバッドをぎゅっと握りこみ、唾を飲む。
この女を倒すのが目的じゃない。
目的は女王を救助することなんだ。
「じゃあいくぜ、悪魔さん」
うちは右手に持ったバッドともに女王に向かって全力で走り出した。
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