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元ヤン王女の研究記録  作者: せんぽー
ファイル4 逃走中からの再会の王女
71/136

No.71 中身変人研究者しかいねーんだぞ

「2日連続で転校生って……」


「すごいですわ……」


フレイとクリスタが背後で悠々とつぶやくのが聞こえる。

それに対し、うちは突然現れたテウタに困惑していた。

ゲーム内のテウタはアップデートにより、敵キャラだったにも関わらず学園に編入する。

そして、主人公と仲良くなって協力キャラになっていくルートがあることはうちは知っている。

しかし、テウタがこの学園で登場するのは本来、誰かのルートを終えた後の話となる。

そのため、主人公エリカが攻略対象者の誰か1人と結ばれないと、テウタの編入の話は来ない。

だが、現在のエリカからは攻略対象者の誰かのルートをクリアしたようには見えないのだ。


「本当になんで学園(ここ)にいるんだよ」


うちは呑気に出現したテウタを指さす。


「いやぁー。前の1件があったじゃない??」

「ああ」

「それで私が魔法を発動させたから学園(ここ)に編入したんだよーん」


確かに魔法を発動させた者は原則として指定の学校に通うことは決まっている。

けれど……。


「別にこの学園じゃなくてもいいじゃねーか。トッカータ王国(あっち)にも学校があるだろ??」


うちは頭に浮かんだ疑問をそのままテウタにぶつける。

すると、テウタは「なんでそんなに嫌がるんだよー」とぼやくもんだから、うちは「お前のキャラが会うたびチャラくなっているから、近づきたくねーんだよ」と言ってやった。


「私、そんなにチャラくないと思うけど……。まぁ、いっか」


そう言うとテウタは「コホン」と咳払い。


「私がこの学園に編入することになったのはもう1つ、別の理由があって……」

「あって……??」

「魔法発動期外に魔法を発動させたもんだから、この学園にいる研究者が私のことを調査させてくれって」

「はぁ??」




★★★★★★★★★★




時間は移って、昼休み。

朝、途中でチャイムが鳴ってしまったため、うちはティーサロンで朝の話の続きをテウタと2人でしていた。

他の人を追っ払って。

え??

なんでかって??

そりゃあ、あの人たち好奇心マシーンだから、食いついてきそうで嫌な予感がしたんだよ。

特に研究化け物ハオラン。

普段は大人しそうなハオランは面白そうな研究対象があればどんな手を使ってでも手に入れ気が済むまで調べ続ける。

2、3回そういうハオランを目撃したが、なんだか……変態に見えた。

普通に怖いわ。

ということでテウタと2人で昼食を取りつつ、話していたんだが……。


「あー。大丈夫、大丈夫。その研究者さん、全然優しそうだったよ」

「第1印象はな。でもな、ここには中身変人研究者しかいねーんだぞ」


うちがそう言うとテウタは「アメリアとかね」といらないことを言ってきたので、「うるせぇ」と返し、話を続ける。


「ともかく、お前がもし、何かされて操られるようなことがあったら、他の人を襲わせる可能性もあるんだぞ」

「アメリア強いからいいじゃない?? 私ならすぐ負けるわよ」

「ああ、うちだけだったら、いいがな。でも、お前はさぁ、トッカータ王国王女専属海賊騎士。しかも、今はヒラリー姉専属らしいじゃないか」

「あー。ヒラリーさんに影響が来るかもしんないから心配してるのね」

「ああ。ヒラリー姉が数日でも潰れると面倒になるからな」

「そうなの??」

「……ああ」


うちの姉、ヒラリー・トッカータはここ数年で誰よりも仕事ができる人間へ成長していた。

父、国王の仕事を半分奪うほど。

(いや、国王(おっさん)が自ら譲ったというか、投げ出したというか……)

トッカータ王国にとってヒラリー姉は欠かせない存在で、次期女王。

それは国内のみならず外も周知していることだった。

しかし、そんなヒラリー姉が熱を出し、数日寝込んだ時があった。


あん時はマジで王城がパニック状態だったな。


ヒラリー姉がいないため、国王(おっさん)がいつもの倍仕事を行っていたが、追いつかず溜まり……、それが他の所で影響し……ドタバタ。

結局、数日後復活したヒラリー姉が急いで処理。

ホント何やってんだよ、国王(おっさん)


「だから、ヒラリー姉に倒られるのは避けたいんだよ」

「ふーん、おけおけ。それは避けつつ、平和に研究者に協力して、何かされそうになったらぶっ飛ばしゃあいいんでしょ??」

「ああ、そうだ」

「了解―。気を付けるよ」


そう気の抜けた返事をしたテウタは持ってきて丸テーブルに置いておいたサンドイッチを頬張る。

テウタが噛む度、レタスと音がシャキシャキと聞こえた。

あー、美味しそうだな。

と思って見つめていると、テウタの目線が上に動いているのに気づいた。


「どうした??」

「いや……天井になんかいるなと思ったら……」

「ああん??」


うちはテウタの目線が向いている方に振り向き、上を見上げると、何か……、

いや、誰か天井に張り付いているのが見えた。


「おい。そこでなにしてんだ、ゾフィー」

「あ、あ、いやその……アメリア様に昨日、スパイをするのならしっかりお守りするように言われたので……」

「じゃあ、見つからねぇーように隠れろよ。早速見つかってんじゃねーか」

「あ、あ。はい、すみません……」


アメリアはじっーと目の泳ぐゾフィーを見つめる。

コイツ……なんだかいつもと様子が違うな……。

あ、

まさか……。


「お前、さっきの話を全部聞いてたか……??」

「あ、ええ」

「ん?? さっきの話聞いてて悪いことあるの?? その子、アメリアのスパイなんでしょ??」

「ああ、そうだけど……」


アメリアはあることに気づいてしまい、黙っていた。

その代わりにか、ゾフィーが口を開く。


「私、アメリア様が王女様だったなんて知りませんでした……」

第4章突入です。

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