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元ヤン王女の研究記録  作者: せんぽー
ファイル3 平穏からの海賊登場
62/136

No.62 紅のドレスの令嬢

「なぁ、あれどうなってんだよ?」


「さぁ……??僕にも分からない」





1分前まで剣だの魔法だのバチバチしていたテウタとナイルは手も足も止め、船の中心にいる怪物を見ていた。

2人はその光景が衝撃のあまり思考が一時停止していた。





「あれ、アメリアじゃないか……お前まさかっ!?」


「いやぁ……記憶をなくしたようには見えないけど。普通なら最初はぼぉーとしてるはずだし」





計画を立案したであろうナイルも今の状況に関してよく分かっていなさそうだった。

アメリアは本当に記憶が消えたのか。

後ろからついて来ていた困惑顔のフレイも分かっていなさそうだった。

にしても狂人のアメリアは次から次へと敵を倒している。

よく見ると、テウタ側の人間を避け、ナイルの部下たちだけを殴っていた。

痛そう。

それが傍らから見ていた人たちが思っていた言葉だった。

テウタ側の人間は呑気にそう思うことができる。

しかし、殴られる側からしたら、12歳の少女に殴られるのは精神ダメージも食らい、力の差もあったため絶望と思うしかない。

アメリアはそんなことは構わず、ひたすら殴っていた。

手は血まみれ。

服は赤に染まっていた。





「ねぇ!!アメリア嬢!!アメリア!!聞こえる!?」





剣を振りつつフレイは必死に叫んでいる。

しかし、アメリアは気づいておらず、笑いながら敵をひたすら殴っていた。





「なぁ、ナイル」


「うん、何……??え!!」





ナイルとは違う声が聞こえ、テウタはナイルの方に振り向く。

ナイルの隣にはナイルより身長が低いシアン色の少年が立っていた。





「なんでここにいるの?」


「悪い、俺失敗した。ていうか、邪魔された」


「あー、それについては僕も悪かったよ。テウタ(彼女)はここで引き留めていたのだけれど、あの2人がいつの間にか先に行っていて……。これだと君、お兄さんに怒られるね」


「怒られるだけで済んだらいいがな」




2人はテウタの存在を忘れたかのように会話している。

ナイルは話しつつ、長剣を近くに置いていた鞘にしまっていた。





「おい」





テウタが2人に話しかけたが聞こえておらず2人で話を続けていた。





「で、こうなっちゃったんだから僕らは逃げよう」


「え?お前の部下はいいのか?」


「うん、いいよ。何かあったら見捨てていいって彼女(・・)に言われたしね」


「さすがだな、あそこの人は。まぁ、兄上ならするだろうけど」


「だろうね。じゃあ、ということでテウタ。また、会おう」





ナイルは存在を忘れられていたと思っていたテウタの方を向き、軽く手を振る。

すると、ナイルと少年は突然走り出し勢いよく海へと飛び込む。

船の上のテウタは体を乗り出し、下を覗き込む。


どこにいった!?

ここは沖合だぞっ!?

しかも夜!!

こんな距離を安全に泳げるわけがない。


しかし、暗い海の中には2人の姿は見えず、ましてや飛び込んだ音すら聞こえなかった。


一体どこへ……??





「とりゃあぁーー!!」





海を観察していたテウタの背後から見捨てられた部下が剣を振りかざしていた。





「チッ」





テウタはするりと閉まっていた短剣を出し、体の正面が大きく開いた敵に素早く一刺し。

しかし、敵は1人ではなく複数人いた。


こっちが先か。


テウタはナイルたちを探すのを中断し、敵に短剣を振り回していった。





★★★★★★★★★★





「ねぇ!!アメリア!!!」





彼女は反応することはない。


周囲の敵をほとんど倒したフレイはアメリアに向かって叫んでいた。

だが、アメリアは残り少なくなっていた敵を倒し続けている。

僕が船の上の周囲を見ていると、アメリアの圧倒的な力のあまりか両手を上げ降参している敵がいた。


本当に容赦ない……。


しまいにはアメリアは向かってくる敵をハエを叩くかのように倒していた。

そして、敵が数人になると皆降参し王族の兵士やテウタの部下たちが捕らえた。


やっと、終わった。


と思いつつ今まで近寄ることのできなかったアメリアに駆け寄ると、



























「私を殺さないで」





彼女はそう言い、その場に倒れた。

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