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元ヤン王女の研究記録  作者: せんぽー
ファイル3 平穏からの海賊登場
42/136

No.42 あんた、だれや!!

「あ?? あ?? なんでや??」

「エリカさん、すごいっ!!何かできましたわ」

「僕はこれ初めてみたよ」

「姉さん、これって成功なの?」

「……これがアルミナの分解…」


アメリアは机にある生成されたものを見つめる。

え、なんで。




★★★★★★★★★★




数分前。

アメリアたちはいつもどおり午前中の授業を終えると、差し歯研究室と呼び直し始めたアメリアの研究室にいた。

今日は最近忙しそうにしていたトッカータ国クルス家の令嬢クリスタも来ていた。兄のルースはやることがあるらしく、不在だった。

ん?

メインキャラと関わらないってやつか?

……。

回避しても無駄っぽいからもう諦めたよ。

それに最近アゼリアの嫌がらせイベントもないしな。

そして、アメリアはバットを作るためボーキサイトから生成されたアルミナの分解を行っていたのだが……。


「姉さん、試しにさ、僕らの魔法を使って分解してアルミニウムというものを作ってみようよ」

「しかし、電気分解じゃないと作れないと思うぞ」

「電気ですか?? 私の光魔法ならいけるのではないでしょうか??」


ボーキサイトには限りがあり入手するのがめんどうだと考えていたアメリアは根拠なしに行うことに少しためらいがあったが、物は試しということで首を縦に振った。


「ああ、やってみよう」


アメリアはバイヤー法で生成したアルミナが入った袋を出す。

その袋はかなりの重さがあるため、アメリアの奴隷ハオランに運ばせた。

砂状のアルミナが机に広げられると、エリカは正面に立ち、それを囲むようにアメリアたちは見守る。


「では、行きますね」

「ああ」


エリカはアルミナの砂に手を当て、魔法を放つ。

ボーキサイトは白い光を出し輝き、アメリアは思わず目を瞑る。

クソっ。

これじゃ、変化している様子が見れない。

サングラスするんだった。

アメリアは光を感じなくなると、瞼をそっと開く。

先ほどまで白い砂が広がっていた机には銀に光るものがあり、それは前世でよく見ていたものだった。


「……アルミニウムだ」


たまたま成功してしまったため、アメリアは衝撃のあまり一点だけを見つめフリーズしていた。


「あ?? あ?? なんでや??」

「エリカさん、すごいっ!! 何かできましたわ」

「僕は初めてみたよ」

「姉さん、これって成功なの??」

「……これがアルミナの分解…」


生成したアルミニウムを目にし、各々が話す。

さっきまで、砂だったものが塊になってんだなんて……。

通常なら電気分解後に様々な処理をしなければならないのだが……。

おい、

前世の知識が通用しねーじゃねえか。

ふざけんなよ、製作者め。

半ギレのアメリアは銀に輝くアルミニウムの塊を手に取る。


「成功だ……」

「本当ですかっ!!」

「これがアルミニウムなんだね……」


エリカはおもむろに両手を上げ、フレイはアメリアが持っているアルミニウムを見つめる。

興味深々なハオランとルイはアメリアに駆け寄る。


「……へぇー、これがアルミニウム」

「これ作ったのは姉さんが初めてじゃない?」


確かに。

この世界にアルミニウムが存在しなったのだから、うちが発見者になるだろうな。

発見者か……。

アルミニウムを作るってノーベル賞ものじゃねえか?

いえーい!!

いえーい!!

作ったのはうちじゃないがなっ!!

アメリアがウキウキしながら現世では存在しないノーベル賞のことを考えていると、窓から視線を感じた。

なんだっ!?

アメリアは急いで窓の方に首を向けたが、外には誰もいなかった。


「アメリア、どうしたんだい?」


よく考えれば、ここは3階。

あそこの小さな窓にはベランダはないはず。


「ああ、何かいると思ってさ。でも、気のせいだった」

「そっか」


視線(殺気てきなもの)なんて前世の学生時代には街を歩く度に感じ気づけていたけれど、あれから時間がたってせいでよく分からなくなったな。

ああ、きっとあれは気のせい。

アメリアはいよいよバットを作っていくスタートに立った。




★★★★★★★★★★




無事バットの材料を集めることができたアメリアは魔法についてさらに知るため、学園の図書館に向かっていた。

ルイも本を持ってもらうため連れていくつもりでいたが、両親からの招集がかかり急いで実家に戻らなければならないため、アメリア1人で向かっていた。

エリカたち?

ああ、

フレイは研究室をでるなり、アゼリア王女に逮捕され、

エリカは珍しく頭が痛いらしく部屋に戻り、

ハオランは自分の研究もしたいからと言われ仕方なく許し、

クリスタは兄ルースがあまり休んでいないため、仕事を手伝いに行った。

ということでうちは図書館に向かってんだけど……。

アメリアは近道ということで庭が横に広がる石畳のいかにも西洋らしい廊下を歩いていた。

日が沈んだため明かりが灯っているが、それでも少し暗かった。

それにしてもさっきから視線を感じるんだが……。

どこからかは分からないが、背後から主に感じていた。

アメリアはパッと振り向くが誰もいなかった。

気のせいと思いたいんだが……。

まさか、アゼリアが何か仕掛けてきたのか??

と悪役王女アゼリアのことが頭に浮かぶアメリアは後ろに誰もいないことを確認し正面を向くと……。


「アメリア様、意外とスキがありますね」

「ワっ!!!!」


まるで忍びのような恰好をした者が目の前にいた。

安堵していたアメリアは不意打ちをくらう。

顔が近いっ。

てか、女か??

アメリアは急いで後ろに下がり女っぽい忍びと距離をとる。


「誰だっ??」


暗くて顔が判別しずらい。

しかも、この女、スカーフで顔を隠しているもんだから尚更正体が分からない。

でも、うちはこんなやつと会ったことがないはずだ。

縁のなかった忍びなんて。

コイツはもしやアゼリアの刺客か?

女忍びは武器も何も手にすることなくまっすぐ歩いてくる。

そして、口元を隠していたスカーフを緩め話し始める。


「アメリア様、私のことを忘れたのですか?」


アメリアはその女の声を聞き、目を見開き立ち止まっていた。

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