No.14 あの日が最後
「ああ、国王何⁇」
「そんな食い気味にならなくても……」
アメリアは国王に呼び出され、王座の間に来ていた。王座の間にはアメリアと国王以外いなかった。
何かと思ったら、あの約束のことだったのか。
以前、フレイと婚約する際、国王とした約束についてやっと話が来た、というか、国王が持ち出してきたのだ。
アメリアはその国王の提案に非常に魅力的に感じていた。
その提案は……
アメリアがウィンフィールド国の公爵家の娘として、学校に入学するというものだった。
そう、その方法はアメリアには非常に好都合であった。王女は自由には動きづらく、研究時間が足りない。しかし、公爵家の娘であれば、何も突っ込まず、何も予定がなければ、時間が十分ある。
アメリアはそんな素敵な提案について詳しく知りたくてたまらなかった。
「うん、それで⁇具体的には⁇」
「えっとね、アメリアはとりあえず重度の病気になってもらって……」
「はぁっ⁈」
意味が分からんっ⁈
「あ、実際になってもらうのではないよ。アメリアには病気になったフリをしてもらいたいんだ」
「つまり、仮病⁇」
「まぁ、そうなるね」
「ツっこむところたくさんあるけど、いいや。話進めて」
アメリアははぁーとため息をし、国王に対してホイホイと手を払う。
「えーとね、アメリア王女、君が他の人が部屋に入るのが難しいくらいの重度の病気になったフリをして、王女としての他の人との接点をなくす。そして、君は公爵家の娘、アメリア・ホワードとしてウィンフィールド国の学校に入学するんだ。どうだい⁇いいだろう⁇」
「うーん」
国王考えがぶっ飛びすぎて、どこから突っ込めばいいのやら。
さすが、BSの父といいますか。
「王様、色々問題点あるんだけど」
「うん、言ってごらん」
「そのまま公爵家の娘になったとしても、この見た目じゃあ、すぐトッカータ国の王女ってバレるんじゃない⁇」
トッカータ国の王族は結婚で家を出ない限り、髪色は桜色。アメリアは別に結婚などで王家を出るわけではないので、髪色は変わらない。桜色の髪はトッカータ国の王族という証なため、即バレをしてしまうのだ。
「その問題なら大丈夫だよ。最近は髪色を変えることができる魔法道具があるからね。心配することないよ」
「ならいいけど。てか、ホワード家って」
「ああ、アメリアの伯母さんの所だよ。悪くないでしょ?」
「それって、国王の監視下に入れたいだけでしょ?まぁ、研究できるならそのくらい我慢するけど、ダイアナ伯母さんかぁ」
ダイアナ・ホワード。アメリアの伯母で、国王の姉である。あまり会うことはないが、会うたび何かしらの注意を受ける。王女なのだから、ああしろ、こうしろと。
ぶっちゃけ、しんどい。
王女であるからというのは分かるが、家族とか親戚のみの時ぐらいゆっくりしてもいいだろ??
というわけで、あまり会いたくないのだが、研究できるのならこのくらい耐えないとな。
「まぁ、ダイアナ姉さんはきっと娘のような存在が欲しかったから、いつもみたいには怒ってこないと思うよ」
「うちがダイアナ伯母さんの義娘になるとして、フレイは??どうするの??」
「それが一番の問題なんだよ……。どうしようね……」
国王は頭を抱えていた。
おい、それは何も考えてないのかよ。
「婚約破棄しちゃえばいいじゃねえの??」
「いやー。フレイ君かわいそう」
「どちみちするんだし、タイミングの問題だからいいんじゃね??」
「えー。アメリアが言うのかい??」
「ああ、そうだよ」
国王ははぁーとため息をつく。
「それはやめよう」
「なんで??」
「フレイ君の心を傷つけてしまうから、フレイ君から婚約破棄してもらおう」
「どうやってさ」
めんどくさいことするな。
「君は重度の病気。フリだけど、世間からはいつ死ぬか分からない状態として認識される。その状況下、フレイ君は婚約をしたままは厳しいと思うんだ。僕が少し背中を押してあげれば、婚約破棄しないこともないんだと思うんだよね」
「そんなうまくいく??」
「やってみなきゃ分からないから、やってみようか」
「はぁ……。うち、国民もだますのか」
「そうだね。まぁ、テウタやルースぐらいには教えてあげてもいいと思うけど……」
「まぁ、後で教える。とりあえず、いろいろ準備しなきゃな」
アメリアは王座の間を退出し婚約破棄に向けて準備をし始めた。
★★★★★★★★★★
「えっ、アメリアに会えない??」
「ええ、ちょっと……」
フレイはティナに部屋に入るのを止められてしまった。
一週間後、アメリアは他の人とシャットアウトをして、フレイとさえ、連絡を取っていなかった。
フレイはアメリアが出迎えなかったため、違和感を覚えアメリアの部屋の前まで来ていた。
「どういうことだ??」
フレイはティナの説明に衝撃過ぎて立ち止まっていた。
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