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元ヤン王女の研究記録  作者: せんぽー
ファイル5 CからのV

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105/136

No.105 その呆れた表情はなんだね??

「ウソだろ……」




それはまさに絶望。

さっきまで脳内の9割を占めていた金の鯉のことなんて頭から吹っ飛んでいた。


うちの小指に指輪がない。

おかげさまでうちの髪は桜色。

王女の時の髪色だ。

最悪だ。


魔法道具の一種でもあるあの指輪は1つしか作っておらず、予備なんてものはない。

そして、このまま学園の方に戻って誰かに鉢合わせたら確実に大騒ぎ。

ピンクの髪を持つ人はトッカータ王国の王族ぐらいしかいないから、すぐにうちが誰だか気づくだろう。

アメリア王女として現れてやってもいいが(謎過ぎる登場だが)、この服だとアメリア・ホワード=アメリア王女ということが即刻バレてしまう。

どの道、国レベルの大騒ぎになってうちはトッカータ王国に戻される。




そんなの嫌だーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!




うちがこれから起きるであろう絶望的な未来を想像していると、「クウゥ―――ン」という寂しそうな声が聞こえた。

その声の方を向くとサンディがこちらをじっと見ている。

目が完全に覚めてしまったサンディは桜色の髪になったうちを懐かしそうに見ていた。


あ、そうだよな。

サンディにこの姿を見せるの久しぶりだもんな。


うちは煩わしいそうに桜色の髪を見つめる。

久しぶりに見た髪は相変わらず桜色で枝毛もなかった。

アメリアが池の中で突っ立っていると、学園の方向から声が聞こえてきた。

その声は男どもの声で徐々に大きくなり、うちは誰かがこの池に来ていることに気づいた。




「サンディ!! こっちだっ!!」




うちはサンディに呼びかけ裸足のまま草むらに隠れる。

賢いサンディは八つ橋の上に置きっぱなしにしていた靴と靴下を持ってきてくれた。

うちとサンディが草むらに隠れてすぐに生徒らしき2人の少年が池にやってきた。




「この池に黄金の鯉が現れるのか??」


「ああ。噂ではそうらしい」




やってきた少年たちはうちと同じく噂の金の鯉を見に来たようだ。

少年たちは八つ橋の上歩くとうちが置きっぱなしにしている水槽に気づいた。




「水槽……?? なぜ、こんなところに??」


「昼間にアメリアさんが来ていたらしいから彼女が置いて行ったんじゃないか??」


「ああ。なるほど。あの人ならしかねなさそう」




おい。

お前ら。

うちをどんな風に思ってんだよ。

確かに水槽を置いて行ったのはうちですけど。

うちですけど??

その呆れた表情はなんだね??

え??


仕方ないとでも言っているような顔をする男子生徒たちにうちは冷ややかな目で見ていた。


早くどっか行ってくれないか。

指輪を探したいんだが。

指輪を見つけたら、アメリア王女として学園に出ていくこともないんだが。

早く。早く。


アメリアは水にぬれた足をそのままにしておくと凍傷しそうだったのでサンディが持ってきてくれた靴下と靴を履いていると足が草にあたり音を鳴らしてしまった。




「誰だっ!!??」




水面と見つめあっていた男子生徒たちは音にすぐさま反応しこちらに向かって構える。

うちはこれ以上音を鳴らさないようにじっとして、体の全てを動かさないようにした。


アイツらに今のうちの姿を見せるのはダメだ。

じっとしていれば、きっとアイツらはどっか行く。

だから、静かに……。




「ワンっ!! ワンワンっ!!」


「!?!?」




うちがバレないようにじっとしていた隣でサンディが男子生徒に向かって吠えていた。

サンディは警戒した目で彼らを見ている。




「クソっ」




うちは吐き出すかのように言い捨て、サンディの上にひょいっとまたがった。

うちは出来るだけ顔を見られないように手で覆う。




「サンディ、学園に向かえ」




うちがそういうとサンディは草むらの中を駆け学園へと向かう。


アメリアは髪をなびかせながら池を去って行った。

男子生徒たちに見られたかもしれないと心の中で焦りを感じながら。

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