地主
鈴木さんと地主さんのふれあいを詩にしてみました
私は地主
先祖の代からこの土地に住んでいる
とんてんかんと音がうるさくなった
だからその場所には近づかなかった
ある日急に静かになった
行ってみると、家があった
表札に鈴木と書いてあった
鈴木が庭によくごはんを置いてくれるから
鈴木の家で暮らすことにした
家を勝手に建てたのだから当然だ
鈴木は風呂に運んでくれる
シャワーを浴びると気持ちいい
その後のタオルはふわふわした
和室に私のベッドを用意
もふもふのやつで寝心地がいい
ぬくぬく寝られた
私の遊び相手をする
竿に吊るしたねずみだ
プラプラしてるのが可愛いかった
鈴木のぐちを聞くようになった
ぶつぶつしゃべってた
何を言ってるのかわからなかった
鈴木に彼女ができた
鈴木と一緒に住み始めた
彼女が世話してくれるようになった
10年たった
最近具合が悪くなってきた
別れようと思った
小雨がぱらぱら降り始めていた
夜中に外から帰って鳴くと
鈴木夫婦は雨戸を開けてくれた
見つめあった
鈴木は優しくなでてくれた
静かに落ち着きたい
迷惑はかけたくない
再び闇の中へ戻った
もう地主の地位は鈴木にやることにした
野良猫と人間の出会いから別れまでを詩にしました