プロローグ
澄んだ春の日差しと
満開の桜の香りが心地良いこの日
僕の新しい学校生活がはじまる。
♪~
端末の目覚ましが朝の準備を急かしてくる
「うーーーんっ」
伸びをしながらカーテンから透ける光に眩しさを感じながら起きる
まだ少し残った荷物はあるが整理のされた部屋でテレビを点け支度をする
「今年もこの日がやってきました!!」
テレビからテンションの高い感じでアナウンサーが喋る
「今日は天桜学園の入学式の日です!!今年もどんな将来のスターがでるか楽しみです!!」
すっかり興奮したアナウンサーが嬉しそうに言ってる所でテレビを消し、真新しい制服に袖を通し外に出る。
ここは天桜島
国が人材の育成の為に作った人工島だ。
世界では色んなスポーツや芸術があるが
中でも世界中で熱狂されてるのが全決闘だ
世界各国あらゆる剣術、格闘技の自由とともにこの時計型端末()によって魔法の使用ができ、熱くて派手なこの全決闘に世界中が熱狂した。
魔法と言っても一種の催眠術みたいなものであり端末で脳波の増幅をして感じさせるものである。
感じさせるものではあるが実際に火の魔法な
ら熱く感じ、雷なら痺れる感覚を感じてしまうのである。
だがいくら端末で増幅させるとはいえ強弱はあるが
相手に魔法を感じさせる程の力を出せる人間はそう多くはない
という事で戻るが才能がありそうな人材を集める為に作られた島がこの天桜島なのだ。
そして桜並木が長く続くまだ不慣れな道を登りながら広がっていく風景に見惚れながら歩いて行くと。
少し通学路から外れた所に
桜のピンクに映えるとても綺麗な赤い髪の女の子が立っていた。
「綺麗だ」
小声でだが思わず口に出してしまう程その女の子は美しかった。
桜と下に広がる風景とその赤い髪の女の子は本当に芸術作品のようだった。
見惚れてしまったがハッと我に返って見てみると
その子はかなり危ない所に立っているのが分かった。
慌ててその子に注意をしに行く。
「そんな所にいたら!!」
危ないと言おうとした所でその声に反応した女の子がびっくりして振り向きバランスを崩した。
「危ないっ!!」
さっき間に合ってない言葉が出るのと同時にに無我夢中でその女の子の手を引っ張った。
!!
勢いで後ろに倒れた僕にその女の子を引き寄せた形で倒れてしまった。
「いってて」
落ちなくて良かったという安心感で痛いながらもまず喜んだ。
次に目の前に顔を起こすと自分のお腹のあたりに女の子独特の柔らかさとスカートから伸びる綺麗な足が目に入った。
感情の整理がつかないままさらに顔を上げると女の子が恥ずかしさと怒りを混ぜたような表情でこちらを
見ていた。
そしてその表情で完全に状況を理解する。
「ごめんっ!!危なそうに見えて」
手を合わせ必死に謝る仕草をする。
「…と」
そのままの表情で女の子が小声で何かを言う
「ごめん。ちょっと聞こえ」
と同時に鞄が横から顔面を捉えた
「ありがとう。 でもへんたーーーーいっ!!」
女の子は今度は聞き取れる大きな声でそう言うとものすごい勢いで走って行った
そして
「ありがとうヘンタイ」と言葉とともに取り残され
なんとも言えない感じと恥ずかしさでいっぱいになりながらもさっきの感触と女の子の顔を思い出すのであった