自分の新しい家
前回は、私が村長になって、皆さんの自己紹介をして、自分の家を
決めよう!という事になりました。
自分の新しい家…かあ…
あんまり覚えてはいないけど、前に住んでた家は確か…
ベランダがあって、空気が良くて、二階建てで、ちゃんと庭も
あった家…だった気がする。
次もそんな家だったら住みやすいなぁ…
私はそう思って、総さんにこのことを言ってみると、
「ちょっと探してくるね~」
と言って、奥の部屋に行ってしまった。
沙良さんは「お茶を取ってきますね~」と言ってどこかに行ってしまった。
そういえば、この町の名前や、さっきの村の名前を知らなかった気がする。
隣に彩音ちゃんもいるし、聞いてみようかな。
「彩音ちゃん、ちょっと聞きたいことがあるんだけど、いいかな?」
と聞くと、彩音ちゃんは、待ってました!という顔でこちらを見ていた。
「何でしょう?!何でもお聞きください!」
そういわれたので、私は彩音ちゃんに村の名前と町の名前を聞いてみた。
すると、彩音ちゃんはあれ?とした顔で私の方を見て、こう言いました。
「えーっと、電車から降りるときに駅名を見られませんでした?」
ん?駅名?んーっと…
確かあの時は…
私は目が覚めて、次の駅で降りようと思った。そして、急いで降りる
準備をしていて…駅名のアナウンスも聞かなかったし、駅名も
見なかった気がする。
彩音ちゃんにそのことを話すと、
「ああ、そういう事でしたか!」
と言って、この町の名前と、さっきの村の名前を教えてくれた。
「この町の名前は、アップルタウンという名前で、さっきの村は、
マカロン村という名前です!」
あ…アップルタウンとマカロン村?
「へ、へ~…そうなんだ~」
と私が言うと、彩音ちゃんはそのまま話をつづけました。
「この近くにある町は全部スイーツの名前の村で、この近くにある
町は、全部果物の名前でできてるんです!だから、この町や村も
スイーツの名前や果物の名前なんですよっ!」
ふむ…そういう事だったのか。一番最初は変な名前だなぁ…と
思ったけど、周りもスイーツや果物の名前なら、普通の名前も
変かもなぁ…
と、私たちがしゃべっていると、総さんと、沙良さんが帰ってきました。
「あったよ~、ベランダがあって、空気もいいし、二階建て、しかも!
広い庭もあるから、小鞠ちゃんに会ってるんじゃないかな?」
ふむふむ~…聞いた所では前の家と同じ…かな?
まあ、外見が良くなかったらすぐにでもほかの家を探してもらおう…
外見が良くないと、ビンボーみたいな気分になっちゃうからな~…
普通の家~みたいな感じの家が、私的には好みなんだよな~
「じゃあ、早速見に行こうか~」
総さんがそういうと、沙良さんが来て、
「皆さん行っちゃうの~?行ってらっしゃいね~」
沙良さん優しいなーお茶を入れてきてくれたのにいっちゃうってなった時、
普通の人なら喧嘩だからね~、ラブラブ夫婦って言うのが分かる。
「うん、行ってくるね、さっちゃん」
おおお、沙良さんの事をさっちゃんって呼んでるのか~可愛いな、
さっちゃん。
そして、私たちは車でその家に来た。
「さて、着いたよ」
そういって出ると、そこはアップルタウンとは違くて、周りは森で
空気が良くて、ちょっとアップルタウンとは離れてるけど、車では
3分ぐらいだから、車を買えば平気かな~って所かな。
でも、車を買うお金もあるからな~…しばらくは歩きになるし、
できるだけ近い方がいいんだけど…まあ、外見はいいし、内装で
決めるとするかな~…
「外見はいいですね~ちょっと遠いですけど、歩いて5分…くらい
ですかね?内装でここにするかは決めるとします!」
と私は言った。
すると、総さんがニッコリ笑って、私にこう言ってくれた。
「内装もいいですよ~、ほかの方たちは遠いってところでこの家、
やめてしまうので、小鞠さんが買ってくれたら、こちら的には
とっても嬉しいんですけどね~」
そっか~…遠いってところで違う家にしちゃうのか~…
まあ、内装が悪ければ私も変えようと思ってたけど…そういう事なら
ちょっと考えてやってもいいかな
そして、私たちはその家の中に入った。
内装は意外と落ち着いていて、私の好きな感じの内装だった。
「内装もいいですね~こういう落ち着いた感じ…私好きなんですよ~」
私はそう言って、キッチンや、窓、ドアなど、隅々まで見た。
むむぅ…私の思っている感じそのものだな~…
「キッチンの色や、窓の枠、カーテンなど、ドアの感じも好きだと
思いますよ~」
総さんはそう言って、私を二階へと案内してくれた。
「あ、そういえば…ここの家って、部屋は何部屋あるんですか?」
私が総さんにそう聞くと、総さんは笑顔で、こう答えてくれました。
「6部屋あるみたいですね~」
6部屋か~…一人暮らしにはちょっと多いくらいかな
まあ、少ないより、多い方がいいからな~
「ふむふむ…一人暮らしにはちょっと多いくらいですかね~」
私がそういうと、安定の答えが総さんから帰ってきた。
「少ないより多い方が全然いいですよ~、少ないと後から後悔しますし」
う~ん、後悔かぁ…それは確かにそうかも。
後から、こんな家じゃなくて、もっと部屋の多い家が良かった~!って
なるよりかはいいか。
「そうですね~、ここにしようかなぁ…?」
私がそういうと、キラキラした目で総さんが私の事を見ている。
今までこの家売れなかったんだからそりゃそうか。
「最後にこの物置ですね、この物置には色々なものを置けますよ」
と、総さんが言うので、私は総さんに質問をしてみた。
「その色々なものは具体的に言うと、どんなものが収納できるんですか?」
すると、総さんはいつものように、ニッコリ笑顔で答えてくれた。
「洋服や、武器など…使わなくなった家具などもこの物置に置けるんです」
ふむふむ…そんなに置けるなら、村長の家としては抜群かな。
そして、家の見学が終わって、私たちは不動産屋へと戻りました。
帰ってきて、すぐにソファに座った総さんは私の方をじーっと見て、
私に向かってすぐに質問をしてきた。
「で…小鞠ちゃんはさっきの家、買いたいと思った?」
さっきの家…すむには十分家具が揃ってるし…部屋も十分ある。
そして、車で3分ほどで行けて、何よりもあの物置が私には必要だと思った。
「はい、買いたいと思います!」
私がそういうと、総さんと沙良さんは、「ありがとうございます!」と言って、
とても喜んでいた。
「私も家を変えたのはこの不動産屋のおかげです。ありがとうございます」
と、私が丁寧な返しをすると、総さんと沙良さんは
「村長さんが小鞠さんでよかったです~」
と、言っていた。
とりあえず、家も確保できたし、車が売ってないか探しに行こうかな
私がそう思っていると、彩音ちゃんが隣で私にこう言ってきた。
「すみません、村長さん、色々なところを回ってきてもいいのですが…
ちょっと区切りがついたら一度役場に来てくれませんか?
お仕事のお話をしたいので…できれば早く来ていただけると嬉しいです!
では、役場の方で待ってますからね!」
そういって、総さんたちに挨拶をしてから、役場の方へ戻ってしまった。
さてと、私もそろそろほかのお店も行ってみようかな。
私も総さんたちに挨拶をしてから外に出た。
とりあえず、車が買える場所…を探してみようかな。
そう思って、私はアップルタウンをちょっと歩いてみようと思った。
あ、武器屋さんにもお世話になると思うし、武器屋さんに行って聞いて
みようかな。
私はそう思って、武器屋へと向かった。
もし車がなかったら、モンスターと戦うことになるからね。
今はこの木の剣だけど、気の剣だとあんまり安心できないし。
いつ壊れるのかもわかんないからね。
そして、私は武器屋さんについて、中に入った。
すると、剛さんが待っていた。
「!よう!小鞠!武器を買いに来たのか?それとも特訓か?!」
わあ~…迫力がすごいな、剛さんのお店は。
「とりあえず、この木の剣ってどれくらい攻撃力があるのかと…いつ
壊れるかわかるかってことを聞きに来たんです。
私がそういうと、剛さんは豪快な笑い方をして、私の質問に答えてくれた。
「気の剣の攻撃力は1だ!ほとんど素手と同じだな!」
ええ!それじゃあちゃんと敵も倒せないんじゃ…
と思って、アップルタウンから自分の家へのルートを教えると、剛さんは
また豪快な笑い方をしてから、私の質問に答えてくれました。
「ああ、そこのモンスターはほとんどがHPが5だからな!
ミスしないで相手に5回当てればいいってだけだ!
だが、鉄の剣だと、攻撃力が3だから、二回当てればいいだけになるぞ!」
剛さんにそう言われたので、私は鉄の剣を買うことにした。
意外に安かったから買ったというのもある。
だって、家も買ったのに、無駄遣いできないでしょ?
そして、ここからが本題。
「すみません、アップルタウンには車を売ってるお店…ってあるんですか?」
私が剛さんにそう聞くと、剛さんは私の質問に普通に答えてくれた。
「あるにはあるぞ…だが、あそこの車は値段が高くてなぁ…家も買うなら
あそこの車は買わねー方がいいぞ!」
ふむふむ…あ、でも、そうなると買えるまでに歩きで帰らなきゃいけないのかぁ…
私がそう思っていると、剛さんが何かを思い出したようで、私に話しかけてきた。
「あ!そうだ!たしか、前の村長がこんなこと言ってたような…」
ん?何か思い出したのかな?
「確か…この車かっこいいだろ!彩音ちゃんからもらったんだ~…って
自慢してたような…だから、彩音ちゃんの所に行ったら、車もらえるかもよ!」
おお~!それはいいことを聞いた!急いで、彩音ちゃんの所に行こう!
と思ったら、剛さんが「ちょっと待ってくれ!」と言って私にこう言ってきました。
「お前…防具も買っておいた方がいいぞ!もしそのままいって一発でも攻撃が自分に
当たれば…一撃で死んじちまうぞ!」
えっ…それは嫌なので、防具を買いに行きます。
「すみませーん!防具くださーい!」
と、私がお洋服屋に行くと、そこにはアリスちゃんとシロちゃんが洋服をもって
私を待っていたらしい。
私は悪い予感しかしないなぁ…
ファッションショー的なものが始まる気がする。