シリーズ管理をしてくれと頼まれたのでしてみたがタイトルが浮かばない
そぅ、だから私達は…
私達は学園執行部の役員です。
殿下を筆頭に日々、通常の学業と平行して様々な学生主体の催しなどを取り仕切る立場にあります。
私達が執行部役員として名を連ねているのは上級貴族であると同時に殿下の幼馴染み…側近候補でもあるからです。
正直に申しまして、良い迷惑だとしか言い様がありません。
殿下や同じ幼馴染みの公爵令嬢と違い、私達は普段の授業と執行部の業務をこなすのに必死です。
お二人が簡単に終わらせる課題を私達は寝る時間を削って終わらせる日々。
1年目は平気でした。
夢と希望に溢れていましたから。
2年目は少し辛いけれど平気でした。
自分達の立場にプライドがありましたから。
3年目は地獄でした。
大量の課題と仕事に加え、4年でやる課題が執行部にだけ先に降りてきました。
4年になれば卒業パーティーの準備で忙殺されるため、執行部にだけ行われる救済措置だそうです。
考えた奴には殺意しか湧きません。
4年になりました。
進級してすぐのことです。課題をこなして執行部に行くと日々、前も見えなくなるほどに積み上がっていた書類が全て処理を終えて片付けられていました。
部屋の真ん中では殿下と公爵令嬢がお話をされています。
私達が忙しそうだったのでお二人で協力して終わらせて下さったそうです。
私達からガラガラと何かが崩れ落ちた瞬間でした。
それから私達は自分達を貶める行為を積極的に行いました。無礼な男爵令嬢を取り込んだのもその一環です。
まさか、あの優秀な殿下が容姿以外には秀でたところなど無い一介の男爵令嬢に執着されるとは思いもよりませんでしたが、それすらも利用させていただくことにしました。
甘い言葉と高価なプレゼントを惜し気もなく送り、一線を引こうとする彼女に何度となくアタックしました。
人が多い場所、時間帯を選んで。
執行部に行くことをやめ、空き教室に男爵令嬢を理由にして居座ります。
初めは困惑してきた周りの目が、だんだんと厳しいものになってきていました。
瞬く間に時間は過ぎて行き、時間がなかったんだと言い訳を重ねて開催された卒業パーティーはとてもとみすぼらしいもので、会場を埋め尽くす灰色に笑いが込み上げるのを誤魔化すのが大変でした。
何も知らない男爵令嬢と全てを知っているはずの殿下は楽しそうにダンスを踊っています。
私達も積極的に参加し、周りから浴びせられる冷たい視線が心地良くて口元にはうっすらと笑顔が浮かんでいましたが問題無い範囲でしたでしょう。
そうして殿下による茶番劇は公爵令嬢の圧勝で幕を閉じました。
私達は皆、望み通りに廃嫡され国の監視の元で働いています。
はっきり言いましょう。
天国です。
終わりが決まっている仕事に確実に与えられる食事と睡眠。
仕事内容を聞いたとき安定した生活に心が泣き声を上げました。貴族の嗜みとして人前で涙を流すなどしませんでしたが、そうでなければ泣いていたことでしょう。
全てを押し付ける形になってしまった、各家の兄弟や親戚には申し訳ないと思いますが、私達は限界だったのです。
願わくば、貴方達に幸あらんことを…