第6話 ポートピア連続殺人事件
チョコ「さて、今回はカイコ姉の担当だな!」
カイコ「また大変そうなゲームを指定してくるんじゃないの~?」
ミコ「……前回のたけしの挑戦状が、随分とトラウマになっているみたいですね」
チョコ「ナビだってしっかりやってやったのに……」
カイコ「余計なことまでいろいろとさせたじゃないの。
それに、最初は私が苦しむのを黙って見てたくせに~」
チョコ「まぁ、ゲームなんだから、ナビ任せにしちゃダメだろ!」
カイコ「それはそうだけど~」
ミコ「カイコ姉様、ゲームは楽しく遊ぶものです。一緒に楽しみましょう」
カイコ「……どうせミコだって、私の苦しむ姿を楽しみにしてるだけでしょ~?」
ミコ「ああ、なんだかカイコ姉様がマイナス思考全開になってしまってます」
チョコ「誰のせいだろうな」
カイコ「チョコに決まってるでしょ、もう~!」
チョコ「へっへっへ、はてさて、なんのことやら?」
ミコ「チョコ姉様、話が進みません。早く始めましょう」
チョコ「それもそうだな。で、今回はコレをやってみようと思う」
カイコ「……あら」
ミコ「安堵の表情を浮かべてますね」
チョコ「有名なゲームだからな!」
ミコ「ポートピア連続殺人事件ですね」
カイコ「有名すぎかもしれないけど。私、犯人知っちゃってるわよ~?」
チョコ「ゲームをやったことがなくても犯人だけは知っている率ナンバー1だしな!」
ミコ「ナンバーワンというか、他にないですよね、そんなの」
カイコ「アドベンチャーゲームよね~。でも、この頃のゲームっていうことは……」
チョコ「もちろん、適当なコマンド総当たり作戦でクリアできるゲームじゃないな。
しかも、セーブがないのは当然として、パスワードでのコンティニューもない」
ミコ「スタートしたら、クリアするまで続けないとエンディングは見られないんですね」
カイコ「う……鬼っぽいわ……」
ミコ「とすると、ナビが必要っていうことですね」
チョコ「ネットで調べると、最短10分程度でクリアできるって話だけどな!」
カイコ「あら、それなら大丈夫そうかも~?」
チョコ「ふっふっふ、だったらカイコ姉、自力クリアを目指してみるか?」
カイコ「う……」
ミコ「前回の嫌な記憶が、頭をよぎってますね」
チョコ「ま、オレとしてはどっちでもいいんだけどな!
カイコ姉、どうする~?」(にたぁ~)
カイコ「そのニタニタ顔が、とっても嫌だわ……。
でも、わかってるわよ。ナビ、お願いします~」
チョコ「ウンコ座りで!」
カイコ「それはもう前回やったわよ~!
……と、ところであの写真、ちゃんと消してくれた~?」
チョコ「はてさて、なんのことやら」
カイコ「む~……」
ミコ「まぁまぁ。あとでミコが消しておきますから」
チョコ「おいっ! 人のケータイをいじるのは邪道だ!」
カイコ「恥ずかしい写真で人を脅すのは、邪道じゃないっていうの~?」
チョコ「あ~、まぁ、その、なんだ。ごちゃごちゃ言ってないで、早く始めたまえ!」
カイコ「はいはい、わかったわよ~」
チョコ「次にどこに行けばいいとか、そういったナビはするけど、
ある程度は自分でコマンドを試したりすること!」
ミコ「さすがにアドベンチャーゲームで全部ナビしてしまっては、
ゲームじゃなくなってしまいますもんね」
カイコ「わかったわ。今の私はチョコには逆らえない立場だものね~」
チョコ「へっへっへ、なんだかいい気分だゼ!」
ミコ「そんなふうに調子に乗ってると……いえ、いいです」
☆☆☆☆☆
カイコ「それじゃあ、ゲームスタートね~」
チョコ「いきなり登場、ヤス!」
カイコ「真野康彦って名前だったのね~」
チョコ「最初にしか出てこないんじゃないか? こいつのフルネーム」
ミコ「どうでもいいですが、間の抜けた顔をしてますね」
カイコ「そんなこと言ったらかわいそうよ~」
チョコ「そうだぞ、そんなオヤジギャグっぽいこと言っちゃダメだ」
ミコ「えっ?」
チョコ「『まの』って名字だから、『まの』抜けた顔って言ったんだろ?」
カイコ「あら、そうだったのね~。気づかなかったわ~」
ミコ「ちょっ!? 違いますよ! ミコも気づきませんでした」
カイコ「とすると……オヤジはチョコってことで~」
ミコ「異議なし」
チョコ「おいっ! 意義あるぞ!」
カイコ「まぁ、ともかく進めるわよ~。
……でもどうしよう。コマンドの種類、結構多いわね~」
チョコ「しかもBボタンを押せば、もう1ページ分のコマンドが」
カイコ「あら、ほんと。……捜査をやめるなんてコマンドもあるわよ~?」
ミコ「普通のゲームでしらた、やめたらパスワードが出てコンティニューができそう
なものですけどね」
チョコ「最初に言ったとおり、そんなものはない!」
カイコ「何度も、本当にやめるのか? って尋ねられるわ。
実際にやめたりはできないってことね~」
チョコ「ま、捜査開始だ! とりあえずは聞き込みからだな」
カイコ「平田って人が事件当日から行方不明なのね~。
……事件ってなにかしら~?」
チョコ「ゲームのオープニングでの説明とか、全然ないんだな。
説明書には載ってるけど、ストーリーとしては、
サラ金会社の社長、山川耕造が自殺したという内容だ」
ミコ「その耕造は、書斎で死んでいたのですが、鍵がかかっていたそうです。
ただ、主人公は自殺だということに疑いを持っています」
カイコ「つまり、密室殺人の可能性があるってことね~」
チョコ「その謎をあばくのが目的ってわけだな!」
ミコ「あとは、人調べろで、登場人物の職業とか経歴とかアリバイなんかを
調べられますね」
チョコ「ひととおり調べたら、場所移動で山川の屋敷に行くぞ!」
☆☆☆☆☆
チョコ「さて、家の前だけど……ここにはなにかがある!」
カイコ「なにかってなによ~?」
チョコ「ちょっと自力で探してみな!」
ミコ「意地悪ですね」
チョコ「これくらい自力でやってもいいだろ!
なにかあるって言ってるわけだし、探せと言ってるんだから、
ヒントとしては大きすぎるくらいだゼ!」
カイコ「なにか調べろで、虫眼鏡を選ぶと、調べる場所を選べるのね~」
ミコ「虫眼鏡型のカーソルを操作して、調べる場所を指定するんですね」
カイコ「ちょっと面倒ね~。ドアにはなにもなし、窓もないわね。
植え込みにもなし……って、う~、なにもないわよ~?」
チョコ「これくらいで音を上げてどうする!」
カイコ「そんなこと言われても~」
ミコ「カイコ姉様、玄関のドアの右下辺りですよ」
カイコ「あっ、安っぽい指輪を見つけたわ~」
チョコ「ミコが裏切った!」
ミコ「ふっふっふ。
チョコ姉様に任せていては、意地悪ばっかりで日が暮れてしまいますからね」
カイコ「やっぱり、ミコはいい子ね~!」
ミコ「今日のデザートは多めでお願いします」
カイコ「もちろんよ~!」
チョコ「うわっ、そんなんアリかよ!」
ミコ「家の中に入りましょう。書斎、つまりは耕造が死んでいた場所です」
カイコ「そんな場所、調べたくないわね~」
チョコ「刑事がそんなことを言ってどうする!
さて、自力で……と言いたいところだけど、結構面倒そうだな」
カイコ「じゃあ、ナビを……」
チョコ「う~ん、どうすっかなぁ~?」(ニヤニヤ)
ミコ「ミコがお教えします」
チョコ「あっ、ミコ、また裏切るか!」
ミコ「ミコは夕飯を確保したいのです」
カイコ「すでに空腹なのね、ミコ」
(部屋を調べて証拠品3点ゲット。
さらに隣の応接室で証拠品のライターをゲット。
また、壁のスイッチを発見して押してみた)
チョコ「で、書斎に戻ると……」
カイコ「あっ、床に穴が開いてるわ~」
ミコ「階段って書いてありますけどね」
チョコ「そこを下りると、広大な地下迷宮での冒険が始まるゼ!」
ミコ「チョコ姉様、嘘はいけません」
☆☆☆☆☆
カイコ「……3Dダンジョン系って苦手なのよね~……」
ミコ「迷ってますね」
カイコ「だって、一方通行の通路なんかまであるんだもの~」
チョコ「ほら、広大な地下迷宮だろ!」
ミコ「そんなに広大ではないですけどね」
カイコ「うう……」
チョコ「まぁ、あまり迷われても夕飯が遠のくだけか。
マップも載ってたから見せてやるよ」
カイコ「ありがとう~」
(やがて、地下迷路の奥にある金庫まで到達)
ミコ「借用書がありますね」
カイコ「平田に300万円貸して、川村っていう人にも何回か貸していたみたいね~」
チョコ「平田ってのは行方不明になってる奴だな!」
カイコ「川村って人は、これまでには出てきてないわよね~?」
チョコ「ま、とりあえず捜査本部に戻って事情聴取タイムだ!」
☆☆☆☆☆
チョコ「そんじゃ、呼べる人を順番に呼んでいこう!」
ミコ「おや、タレコミ情報が」
カイコ「平田が娘の由貴子に、京都に行きたいと話していた……と」
チョコ「ま、心に留めておいて、まずは事情聴取だ!」
ミコ「カツ丼が必要です!」
カイコ「それは、犯人を追い込むときじゃない~?」
チョコ「システム的に、カツ丼を出したりはできないけどな」
カイコ「取り調べで実際にカツ丼を出したりなんてしないみたいだけどね~。
昔は本当にあったのかもしれないけど~」
チョコ「ともかく、呼べるのは4人だな」
カイコ「まずは小宮にしましょう」
チョコ「呼んだらまずは、なにかとれで、写真を撮る」
カイコ「取る、じゃなくて、撮るってのもありなのね~」
ミコ「平仮名表記だからこそできる荒業ですね!」
チョコ「小宮はいろいろ訊いても答えないから、叩け!」
カイコ「ひどいわね……」
チョコ「叩くコマンドで、トンカチのマークで小宮の頭を一撃だ!」
カイコ「トンカチで叩くなんて……下手したら死んじゃうわよ~?」
ミコ「位置を決めるカーソルなだけで、実際にトンカチで叩くわけじゃないですよ」
(そして文江、俊之、由貴子の順に呼び出す)
カイコ「俊之は指輪を由貴子にあげたものって言っていたのに、
由貴子はもらってないって言っていたわね~」
ミコ「俊之、怪しいですね」
チョコ「まさに不良ですって感じの見た目だしな!」
カイコ「今どきこんなあからさまな不良なんていないわよね~。
そういった意味でも怪しいわ~」
チョコ「今どきのゲームじゃないけどな。しかもこいつ、設定では29歳か……」
(その後、港と俊之の部屋に行き、メモを見つけて電話、
港で例の物を渡すという男の話を聞ける)
チョコ「じゃあ、港に行ってみよう!」
カイコ「あっ、ほんとにいたわ~」
ミコ「バカですね。相手が刑事だとも知らずに」
チョコ「話しかけてきた男を逮捕だ!」
カイコ「逮捕するってコマンドがあるっていうのも、すごいわよね~」
(続いて、重要参考人として俊之を呼び出し、
小宮と同じように叩いて麻薬密売を自白させ逮捕)
チョコ「また殴って解決したな!」
カイコ「トンカチ最強ね~」
ミコ「トンカチで殴ってはいないですってば!」
☆☆☆☆☆
(タレコミのあった京都へ行ってみるも、有力情報はなし)
ミコ「無駄足でしたでしょうか」
チョコ「ま、捜査本部に戻ろう」
カイコ「あら、由貴子からの情報が届いてるわね~。
平田のポケットから電話番号のメモが見つかった、だって」
ミコ「かけてみましょう」
カイコ「電話かけろコマンドね。あら~? 現在使われておりません、って出るわね~」
チョコ「市内じゃないのかもな!」
ミコ「104です、姉様!」
カイコ「なるほど、京都の番号ってことね~。
104で京都の市外局番は075って、教えてもらったわ~」
(電話してみると、寺田屋旅館につながり、
平田はチェックアウト後、阿弥陀ヶ峰に向かったと聞ける)
チョコ「よし! 京都へ行こう!」
カイコ「旅行だったら嬉しいんだけどね~」
ミコ「捜査ですからね……」
チョコ「しかも……」
ミコ「うわ……」
カイコ「平田……首を吊ってるわ……」
チョコ「木の根もと辺りを調べると書き置きがあるぞ」
カイコ「借金苦で自殺……」
チョコ「ところが!」
カイコ「えっ?」
チョコ「捜査本部に戻ると進展が!」
ミコ「検死結果が出ましたね。平田は耕造よりも先に死んでいた……?」
(由貴子を呼び出し、父親が自殺したことを告げる。
そして、由貴子が事件当日、新開地にいたと聞く)
カイコ「新開地……」(びくっ)
チョコ「ふっふっふ、次の目的地は新開地だ!
さあ、カイコ姉! 雨の新開地を大声で歌うんだ!」
カイコ「それは別のゲームよ~! もう私は歌わないわ~!」
ミコ「カイコ姉様の美声、ミコはもう1度聴きたいです」
カイコ「褒めたって、絶対に歌わないんだから~!」
☆☆☆☆☆
(新開地にあるスナックパルで聞き込み。
耕造の屋敷で見つけたライターが川村という人の持ち物だとわかる)
カイコ「川村って、借用書に名前のあった人ね~」
チョコ「さらに雨の新開地で歌いながら聞き込めば、
新劇のおこいと川村が親しかったとの情報が得られるぞ!」
カイコ「『雨の』はいらないし、歌いながらってのは不要でしょ~!」
ミコ「まぁまぁ、カイコ姉様。ともかく歌ってください」
カイコ「歌わないってば~!」
(捜査本部に戻り、おこいを事情聴取。川村と耕造が詐欺仲間だったと聞く。
パルのマスターにも話を聞いてみるが、とくに情報は得られない)
チョコ「捜査本部へ戻ろう」
カイコ「今度は、おこいからのタレコミね。川村がすみれ荘にいる、だそうよ~」
ミコ「行ってみましょう」
カイコ「……なんとなく、嫌な予感が……」
チョコ「カイコ姉、鋭いな!」
ミコ「ほんとです……。川村が死んでます……」
チョコ「川村が犯人だったってことで、捜査やめるを選んでくださいって
ヤスが言ってくるな」
ミコ「平田が死んだときにも同じようなことを言ってましたね」
カイコ「どうせここで捜査をやめたらゲームオーバーでしょ~?
とにかく、さっきタレコミしてきたおこいが怪しいわね~」
チョコ「事情聴取だ!」
(おこいの事情聴取で、耕造と組んでやった洲本の沢木産業の詐欺が
一番大きな仕事だったと、川村が話していたとの情報を得る。
また、耕造の秘書の名前が沢木文江という名前だという話も聞く)
チョコ「次は港から、淡路島の洲本へ行くんだ!」
カイコ「淡路島なのね~」
(洲本での聞き込みで、文江には離れ離れになった兄がいるが、
別の家にもらわれていったため姓は変わっているはずだと聞く。
さらに、その兄は肩に蝶のアザのある男だったという話も聞ける。
捜査本部に戻ると、鑑識から川村の部屋で発見されたメモが届く)
チョコ「というわけで、お待ちかねの地下迷宮再びだ!」
カイコ「べつに待ってないわよ~」
☆☆☆☆☆
(メモどおりに進んだあとも、チョコがしっかりナビをしたので、
お待ちかねの迷宮はさくっと通過)
カイコ「壁を叩いてみたら、他の場所とは音が違うって出たわ~」
チョコ「突っ込め!」
カイコ「なんでやねん~!」(バシッ!)
チョコ「いや、そのツッコミではなく……」
カイコ「わかってるわよ~。壁の方向に進むわね~」
ミコ「ヤスが壁に体当たりしたことになるんですね」
チョコ「そして壁の中には部屋が!」
カイコ「隠し部屋になってるのね~。怪しいわ~」
チョコ「ここでは、大声で叫べば壁の一部が開く。
ということは……言わなくてもわかるな?」
(ミコ、無言でカイコに2コンを渡す)
カイコ「ええ~?」
チョコ「さあ、歌え!」
ミコ「わ~、頑張って歌ってください!」(パチパチパチ)
カイコ「歌う必要なんてないんでしょ~! マイクに向かって叫べばいいのよね~。
す~……。チョコのバカ~~~~~~~!」
チョコ「うわっ、ひどっ!」
カイコ「……なにも起きないわよ~?」
チョコ「マイクで叫ぶっての、嘘だしな!」
カイコ「うわっ、ひどい~!」
ミコ「カイコ姉様、すごい大声で叫んでました」
カイコ「また隣のおばさんに文句を言われちゃうかも……」(涙目)
ミコ「前回の歌のときは、完全に聞こえていたみたいでしたしね」
カイコ「歌ってもいいけど、もう少し声を落としてねって言われちゃったわ~」
チョコ「もっとも、叫ぶってのが正解なのは確かなんだけどな。
コマンドで、呼べ、を選べば叫ぶぞ!」
カイコ「呼ぶってコマンドなのに叫ぶって……全然違うじゃない……」
ミコ「文句を言っていても仕方がありませんよ」
カイコ「そうね~。ヤスに叫ばせたら、あたたたたーっ! だって」
チョコ「ケンシロウかよ!」
ミコ「出てきたのは耕造の日記ですね。沢木の子供たちへの想いを綴っています」
☆☆☆☆☆
(そして、捜査本部へと戻ってきた)
チョコ「さて、これで最後だ。……ヤスの服を脱がせ!」
カイコ「BL展開っ!? わくわく!」
ミコ「ちょっ、カイコ姉様、ヨダレが……」
チョコ「しかも、ヤスって間の抜けた顔だゼ?」
カイコ「そのあたりは脳内補完するものなのよ~!」
チョコ「ダメダメだな、この姉……」
ミコ「ダメダメです……」
カイコ「ふんっ、私のささやかな趣味をとやかく言わないで~」
ミコ「ささやか、でしょうか……?」
チョコ「ま……まぁ、ともかく脱がせ!」
カイコ「抵抗されても強引に剥ぎ取る感じね~!」
ミコ「確かにコマンド3回必要ですが……カイコ姉様は目的が違う気がします」
カイコ「ゲームさえ進めば、細かいことは気にしなくていいのよ~」
チョコ「というわけで、クリアだ!」
ミコ「最後はパトカーのサイレンの音が、近づいたてきたあとに遠のいていく感じで、
終わりになるんですね」
カイコ「しっかりとドップラー効果を再現してるのね~」
チョコ「しょぼめの音だけどな!」
ミコ「それじゃあ、カイコ姉様、今日の夕飯を……」
カイコ「う~ん、遅くなっちゃったし、カツ丼でも取ることにしましょうか」
チョコ「おおっ! いいな!」
(電話で注文、カツ丼が到着)
チョコ「うん、美味い!」
カイコ「ほんと、美味しいわね~」
ミコ「はい、最高です!」
カイコ「……ところで」
チョコ「んっ?」
カイコ「私のくーたんの腕がちぎれてたんだけど、誰か知らない~?」
ミコ「くーたんって、カイコ姉様のお気に入りの、熊のぬいぐるみですよね」
チョコ「う……」
カイコ「そうなのよ~。腕の部分がちぎれて、中の綿が飛び出してたのよね~。
誰のせいなのかしらね~? チョコ~、なにか知らない~?」
チョコ「うぐぐぐ……」
カイコ「うぐぐぐ?」
チョコ「オ……オレがやりました……。ごめんなさい……」
カイコ「ふふっ、カツ丼の自白能力も最高みたいね~」
チョコ「いつもの恨みとばかりに腕を持ってぐるぐる回してたら、ちぎれちゃって……。
他にもキックやパンチを何度もお見舞いしてました……!」
カイコ「ちょ……っ!? 大切なくーたんに、なんてことしてるのよ~!」
ミコ「余分な自白まで引き出すとは、カツ丼はやっぱり最高です!」
チョコ「すまない、カイコ姉! あとでオレが修繕しておくから、許してくれ!」
カイコ「い……いいわよ、自分でやるから。チョコじゃ、余計にひどくなりそうだし~」
ミコ「これにて一件落着です」
☆☆☆☆☆
ポートピア連続殺人事件か。
こういうアドベンチャーゲーム系はあまり遊んでいなかったが……。
今どきだと、サイトで調べれば簡単にクリアできるみたいだな。
まさか10分程度でクリア可能だとは、想像もしていなかったわけだが。
どうでもいいが、カイコはぬいぐるみが好きなようだな。
女の子らしいとは思うが、少々似合わないような気も……。
なんて言ったら気を悪くするだろうか。
ただ、あのくーたんという熊のぬいぐるみは、俺が初めて買ってあげたやつだったな。
今でも大切にしてくれているというのは嬉しいところだ。
チョコにも少しは見習ってほしいのだが……。
☆☆☆☆☆
【ゲーム解説】
「ポートピア連続殺人事件」
対応ハード:ファミコン 発売元:エニックス 発売日:1985年11月29日
堀井雄二がデザインしたアドベンチャーゲーム。
もとはパソコンゲームで、多くのパソコンの機種に移植されたのち、ファミコンにも移植された。
パソコン版では、キーボードからコマンド入力するタイプだったが、ファミコンではコマンド選択式に変更されている。
『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ』、『軽井沢誘拐案内』と合わせて「堀井ミステリー三部作」とも呼ばれる。
なお、虫眼鏡やトンカチのカーソルを移動させて調べたり叩いたりするシーンや、3Dの地下迷宮のは、ファミコン版で追加された要素である。