別れたはずの友達リズさんがいる?第一次筆記試験開始!
「はい今魔力性質を確かに確認させていただきました、ボウダンロウ・バウアー様、ダイヤモンドブリザード様、ラキオ・レヴィオン様、そして、エリザベス・アルベール様こちらが受験者証になります。」何か少しだけ違和感があった気がするがまあいいか。私たちは受験者証を無事にもらった。
受験者証:ダイヤモンド・ブリザード
部屋番号a01087
席114106
残念ながら友達となった誰とも同じ部屋にはならなかった。
「てめえらバカの顔はもう一生見たくねえから絶対一次試験で落ちろよな!バーカ」バウアーさんがぶっきらぼうに言った。
「ラキオこれってもしかしてだけどあれですか?」リズさんがいたずらっ子の笑みを浮かべて言った。
「あれですね」ラキオさんが続ける。
「ツンデレ甲冑男ですねえ」にやにやしながらいたずらっ子二人は声をハモらせた。
「ツンデレって何ですか?」私はその言葉に強く青い春を感じたので聞いた。
「自分の気持ちに素直になれない、馬鹿のことですよ!」ラキオさんがひそひそ話をするように口を近づける動作をし、しっかりバウアーさんに聞こえる声で言った。
「だれが馬鹿だこの野郎!」
「あれバウアーさんの話なんて一言も言ってませんよ?ぼくたち」追い打ちをかけるラキオさん。
「こいつむかつく、ぜってえお前は落ちろ」そう言い捨てると、バウアーさんはそそくさと自分の試験会場となる部屋へ行った。
「試験頑張ってくださいねダイヤモンドブリザードさん」ラキオさんもそういってこの場所を後にした。
「じゃああたしもそろそろ行こうかな、リズ・アルベールを今後ともよろしくね」笑顔でリズさんも言った。
「皆さん、次会うときはこの学園でみんなで青春しましょーー」私は大きな声で三人の背中に向けて言った。
私も筆記試験を受ける部屋へと向かう。
この黒い塔の中は案外私が想像した通りの学習施設らしい落ち着いた雰囲気だった。悪く言えば普通の学校である。だがそれは私の心をどんな一級建築よりも興奮させた。
「こ、これが木質フローリングとビニル床材の廊下か!すっすげーめっちゃテカってる!」興奮のあまり思ったことをそのまま声に出してしまった。
廊下を私はてくてくと歩く。部屋がいっぱいあって迷いそうになったが、突き当りの部屋にa01087という学級表札を見つけ私はほっと胸をなでおろした。
扉を抜けると、そこは教室だった。
そう私が来たのは雪国でもなければ、天国でも、戦場でもない、教室である。私は教室という場所にはるか昔何百年も前から恋焦がれていたのである。そこはただの約63㎡の机やいすがあるだけの部屋だ。別に何ら特別なことはない、でもそれがよい。確かに私はここに青春のにおいを感じていた。それを感じられることこそが私にとって何よりうれしかった。私の青春センサーは感度がビンビンになっているのかもしれない。
教室においてある席には受験生たちがすでに腰かけており、ほとんどの席が埋まっていたので必然的に席番号を見るまでもなく、指定された席へと私はつくことができた。私の席は後ろのほうだった。すでに机の上には答案用紙と回答用紙それに筆記用具が置いてある
教室の中を360°見回してみた。特に、おかしなところはない。ただ一つを除いて。なぜかさっき分かれたはずのリズさんが私と同じ教室にいる。
さっき友達となった全員部屋番号は違うはずなのに、もしかしたら私の見間違いかもしれない。でも雰囲気や後ろからうっすら見える横顔などがリズさんそっくりなのだ。でも一つだけ違うところがある。さっき分かれたリズさんは頭にピクシーハットをつけていたのだが、彼女は頭に青い色の花でできた髪飾りをしている。私はじろじろ見ていたのだが、人違いだったら申し訳ないので、試験が終わったらこっそり確認してみることにした。
そんなことを考えていると、試験管がさっき私が入ってきた扉とは反対側の教卓に近い扉から入ってきた。金髪でとても若々しい女性だ。若いころは、やんちゃをしていたのではないかと、私は妄想を膨らませていた。
「これより第一次試験筆記試験を始める、答案用紙と回答用紙はすでに各々机の上に置いてある。試験中の私語はもちろん厳禁、個別の質問にも一切こちらは回答をしない、、もちろん心の準備はすでにできているな?
それでは試験始め!」金髪の女性が声を張り上げた。いきなり始まるんかい!心の準備なんてしとらんわ!こちとら、一億年と二千年前から只々日々を生きていただけの怠け者じゃい!と私はつい突っ込みそうになった。がなんとかこらえた。
とりあえず答案用紙に名前を書き込んだ。なんだかこんなことだけでも学生という感じがしてうれしい。
問題用紙にはいろいろな試験の内容に関する補足情報が書いてあったのだが、私はよくわからないので、一ページ目をめくって解答を始めることにした。
まず一ページ目、タイトルに魔歴史と大きな字で書いてある。これは、魔法の歴史ということだろうか?よかった、それならば私の得意分野だ。なぜならば私は一億年と二千年前から生きている。私は見てきているのだから、予習復習どころの騒ぎではない、復讐もされたし私も復讐した。
どれどれ一問目は?
Q1、ここに書かれた十体の上級魔族の中で魔歴1400年魔王軍の妖精王国ヴェルディ侵攻にて、妖精王国ヴェルディ第一王女ダイヤモンドブリザードが打倒した上級魔族に印をつけよ、
なんということだろう、私は今日どうやらとても運がいいらしい。だってこれ私やん!こんなん絶対間違えるわけないですやん心の中でぐっとガッツポーズをした。私はその下を読み進める。
,、_ ____
|i〆 ̄ ̄ ̄ ヾヘリ
/ ⌒ ⌒ ヽ
/ (● ___ ●) l
___| ::::⌒('g g,)⌒:::|
/´ \  ̄ ノ
`@/ ー‐ イ´
| |
| ,ノ |
〉 ノ、 | r ノ|
| | | i ̄ ̄ | | ̄l |
`^^^  ̄` `^^^  ̄`"゛` ""゛`'
一人目 のぼせ豚魔人 ランクA
概要 鼻から高熱の鼻息をまき散らす、知能はさほど高くないが魔術規模が規格外でその鼻息を使い一級魔術師を三人以上葬っている。ゴンドラ市国の家屋3000棟を鼻息一つで全焼させた。
うん?ウーン(゜-゜)
「だっだれやねんこいつ!殺すぞー!」私は思わず叫んでしまった。
「おいそこ!うるさいぞ、次騒いだら即刻貴様を失格とする。」しまった記憶になさ過ぎて、つい声に出してしまった。というか冷静に考えたら私はあの時のヴェルディ侵攻において1000を超える上級魔族を殺している。しかも三日で、ついでにそれが起こったのは600年前だ。
覚えているわけないやん、これつんでますやん。のぼせ豚魔人でつんでますやん。
「すいませんでした(´・ω・`)」私は鼻水と涙をすすりながら答えた。
「わかればいいが、」少し引きながら試験管は答えた。
「ひとつ提案なのですが、今から私はここに載っている魔族全員に丸を付けます。もし生き残っているのがいたら私が後で殺しておくのでとりあえず、全部丸で正解ということにしていただけないでしょうか?」私は泣きながら言った。
「何言ってんだお前いいから早く解け!」呆れたように金髪試験官は言った。
私の青い春に咲いた桜を吹き飛ばす嵐の予感だった。




