出来れば友人と星空を見て死にたかったなあ
そういう感傷的な気持ちになったり悲観的なことを思い出すのは決まってまどろんだ何でもないような、ゆったりとした時間なんだということを童なのに童なのに帝は知っていた。燕のようにきれいに飛んで行ってしまいたいこのまま何もかも投げ捨てて、それができればいつだって童なのに帝は自由なんだ、それは魔王となってもこの学園の教師となっても変わらない。でもそんなことは出来ない。無責任なことをしてはいけないということを知るというのは大人への第一歩ということは童なのに帝は知っていた。
童なのに帝はダイヤモンドブリザードの魔術封殺呪文の発動を止める方法として、キスをすることともう一つ考えがあった。それは簡単で感嘆もできないような答えだ。ダイヤモンドブリザードの視界にできるだけ入らなければいい、特に左側を重点的に避ければ、おそらく直接的な魔術封殺を食らうことはない。そんなことを思考しながら、ダイヤモンドブリザードの周りを飛んでいると、ダイヤモンドブリザードは左の稲穂のような黄金色の眼に手を当てた。これは、何か狙いがありそうだということは童であったって分かる。でも行くしかない、基本的には飛行魔術というのは浮遊魔術に比べて魔術的燃費が悪いこのままダイヤモンドブリザードの視界に入らないように飛行魔術を使い続ければ、こっちのガス欠で負ける。しかも相手は一億年と二千年を生きた大精霊、フェラーリと日本車どっちのほうが人生が行きやすいか?を問わられるよりも自明の理といったところだ。
彼女が左の稲穂ような眼から手を離したその瞬間、限界速度を出しダイヤモンドブリザードに突撃する。彼女は何かを左の手に握っている。だがどうでもいい殺す。童なのに帝が魔術を唱えようとしたその瞬間、ダイヤモンドブリザードは、握りこんだ左の手を開くそこにあったのは、稲穂のように黄金色に輝くダイヤモンドブリザードの左目だった。その目玉がこちらを向く。この時ダイヤモンドブリザードは初めて魔術を詠唱した。
「第四魔術封殺呪文 最終の刻」
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____/ |⊃ |\____
\ 魔/ ̄ | | ̄\ 魔 /
\/ 無効~ \/
/\ ((⊂∪⊃)) /\
/ 魔 \____/ 魔 \
 ̄ ̄ ̄ ̄\. 北 ./ ̄ ̄ ̄ ̄
\/
魔術封殺呪文 最終の刻をダイヤモンドブリザードは自身の眼窩から、無理やり稲穂のような黄金色の左目をはぎ取り右目をつぶるというやり方で発動した。
その瞬間、童なのに帝は少し心地が良かった、飛行魔術が体から解除されゆったりとジェットコースターのように体が地球が操る重力というの名の大魔術に吸い込まれていく。童なのに帝の気持ちが悪くなかったのは、このジェットコースタのようなスリルや落ちていく空の美しさからではない。ダイヤモンドブリザードはおそらく自身よりは強いだろう、それは戦う前からわかっていたことだった。でもそんなダイヤモンドブリザードも戦うときは工夫するんだ。聡くできるだけ聡く工夫するんだということが身に染みて感じたからである。あきらめられないそんな感情が童なのに帝の心の奥底から湧き出てくる。でも体は言うことを聞かない、だって空だから。クッションのような雲が目の前にはあった。だがもちろんその雲が童なのに帝を受け止めてくれることはない。
もともと、童なのに帝は飛行魔術や浮遊魔術というものがあまり好きではなかった。地球という怪物と戦っているような気にさせてしまう魔術だったからだ。それは怖いだとか尊敬だとかそういう感情ではない。怪物は怪物自分たちと戦う次元にいないんだからそんなものに逆らおうとするなよ、というのが童なのに帝が最初に抱いた感情だった。ダイヤモンドブリザードも地球だとか、宇宙だとかと一緒で、絶対にかなわない怪物なのだろうと戦う前は思っていた。でも違ったダイヤモンドブリザードは自分より弱い相手に対して相手より聡く戦った。それは怪物のやり方ではない。僕たち邪道のやり方だ。怪物に負けたのなら童なのに帝だってあきらめがついた。でも魔術師に負けた。いや怪物だったのかもしれないけれど、こっちの土俵である、魔術を使った戦いで童なのに帝は負けたのだ。それが只々童なのに帝にとって悔しかった。
童なのに帝がそんなことを考えていると、いつの間にか雲の合間をアスノヨゾラ哨戒班のような角度で落ちていた。雲を抜けるとなぜかそこには見たこともないほどチープで安っぽいプラネタリウムのような星空が曇天いっぱいに広がっていた。
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