友のためでも、首はささげることは出来ない。でも心臓くらいはささげよう。
国立魔法学院 第九魔術学習施設 シャコガイルへ受験を受けに来たダイヤモンドブリザード、ラキオレヴィオン、バウアー・ボウダンロウ、リズ・アルベール四名は無事一次試験を突破した。
第二次試験である、「友情と青春の鬼ごっこ」が始まり、鬼である水上第九院シャコガイルの転移魔法 クラムノウレッジに怒りをあらわにする、ボウダンロウ・バウアー
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そこで一人の少年と出会う。
その少年は自身のことを 忘れ時の勇者またの名を 「〇〇〇〇〇」と魔王軍直下四天王 ザナークの息子、ザナク郎と名乗る。
その少年曰、少年とバウアーは今先ほど会ったばかりにもかかわらず、バウアーはその少年の存在を今しがた忘れ存在を忘却したそうだ。あり得ないと思ったバウアーであったがここで、二人に試練が訪れる。
ザナク郎とバウアーの元に第九魔術学習施設シャコガイル学長 最恐 水上第九院シャコガイルが現れたのだ。
だがザナク郎によると、最恐と呼ばれる魔法使いにもかかわらず、そのシャコガイルは、ザナク郎の母忘れ時の勇者から受け継いだ、固有魔術「〇〇〇〇〇〇」によってザナク郎を認識できていなかったこと、つまり魔力探知の能力が低すぎることから目の前のシャコガイルは分身魔術によって作られたコピーらしい。
その分身体である水上第九院シャコガイルをザナク郎一行はザナク郎の忘却の魔術「〇〇〇〇〇〇」によって、撃退した。
だがその代償としてバウアー・ボウダンロウはザナク郎についての一切の記憶を抹消された。
今まで同様、バウアーはザナク郎の事を忘れてしまった、しかしザナク郎を孤独にはさせなかった。一つのおっぱいのような雲が二人の友情をつなぎとめた
バウアーはザナク郎がなぜ魔術師を目指すのか理由を聞いた。ザナク郎はその質問にはっきりと答えた。
「大魔王になりたいから」と
ザナク郎もバウアーがなぜ魔術師を目指したのかが気になり質問する。その質問にバウアーが答える。
「友のためだと、」
和気藹々と会話していた二人であったが、突如バウアーの背中側から、一突き白銀の牙が生える。その牙はバウアーの肩口をえぐった。口から吐血し意識を失うバウアー、そんなバウアーの影から現れたのは漆黒の影クレイブと名乗る長身で黒い色のスーツを着た女性であった。長い稲穂のような金髪をなびかせながら、その女性はザナク郎を殺したいと宣言した。
その女性におまえは魔族なのかと問われるザナク郎、ザナク郎はそれに対しただの魔族ではない大魔王になる男だと返した。その瞬間クレイブの刀は倒れたバウアーに向かって振り下ろされる。それを危機一髪防いだザナク郎しかしクレイブとの戦闘の火ぶたはこの時切って降ろされた。
その瞬間クレイブは狙いをバウアーからザナク郎へと切りかえる。クレイブは一瞬白銀の刀を振りかぶる、そして踏み込む、その一歩の踏み込みと類まれなる一種の水の動きのような魔力操作で10mはある距離を一瞬で埋める。それを打ち下ろす、ザナク郎はこれまでにないほど世界の遅さに感謝していた。
ザナク郎自身が魔族でないなら、この時点でザナク郎の体が何枚におろされているか分かったものではない。だがザナク郎は魔族だ。超高速で振り下ろされたクレイブの一撃もかわせる。予想外だったのは、クレイブの残心の速さだ、刀の向きが変わり二打目に映るまでの動作が、流麗すぎてつなぎ目が分からない。ザナク郎はそれが弘法大師の一筆書きの文字のようだと思った。
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そのまま足を狙ったクレイブの下薙ぎが来る、ザナク郎はそれを鞘に入ったままの、刀で何とか受け止める。次はザナク郎が吹き飛ばされる、なんて力強さなんだと最初は考えたが。力はおそらく入っていない、むしろ無駄な力がそぎ落とされているからこそ単純な力で負けていてもこちらが宙を舞っているのだろう。
さっきのある時は滝のように激しく、ある時は川のようにせせらぎ、ある時は泉のように静かな、一種の自然そのもののような魔力操作を応用した独特の足運びを使い、宙に浮かび自由を失った、ザナク郎の着地点へといち早くクレイブは移動している。さっきの下薙ぎもおそらく足を切ることが目的ではない、ザナク郎を宙に浮かせることで、体の自由を奪いその着地を確実に狩るための一種の頭金だ。
空中で思考の試行を試みるが心臓のあたりは冷えているのに頭だけは熱い、うまく考えが回らない。だが何とか思考を巡らし一つの解答を頭の中で形作る、もうクレイブの稲穂のような或いは悪魔のようなポニーテールが目前まで迫っている。
とりあえず首を切られるわけにはいかない。ザナク郎は上級魔族の血筋ではあるが不死身ではない、さすがに首を切られれば死ぬことはなくても、一定時間体の自由が利かなくなる。ザナク郎はさやに収めたままの刀を首の位置で構えた。
「つまらん」クレイブはそれだけ言い捨て僕の心臓めがけて一突を入れる。やはり読まれていた、しかしこれでいい。僕の心臓は一つ確実にクレイブの一突によって貫かれた。
だがザナク郎の呼吸は止まらない。「まだ息を吸いますけれど、すいません、僕は魔王です。」心の中でザナク郎はそうつぶやく。ザナク郎の心臓は一つではない。心臓が一つ破壊されてもまだ生命活動は続けられる。心臓に刀が刺さったまま、ザナク郎は鬼子のごとき猛々しい勢いで地面に足を踏みつける。その目の前には、目を見開いたクレイブの姿があった。
この瞬間がクレイブにとってこの戦いではじめての想定外であった。想定外だったのは心臓が二つあったことだけではない、首に刀を構えたのは単なる防衛本能や恐怖からなのかと、クレイブは考えたが違った。こいつは初めから心臓をささげるつもりでいた。
首に構えたのは、急所を守るという意味だけでなく次の一撃を有効打につなげるための布石か、ザナク郎がここまで覚悟のある男だとは思っていなかった。
そんな思案を巡らせていると、ザナク郎の鞘に入ったままの太刀がクレイブの顔面目掛けて振り上げられる。それは綺麗とは言えない、赤子が目の前にあったものを振り回すような動きにも見える、だが今回はクレイブの魔力の移動が間に合わない。
「ドゴン」顔面に一撃揺れるような衝撃が走る。この戦いで初めて、クレイブがもらった有効打であった。今度はクレイブの体が吹き飛ばされる。そして近くにあった高さ20mはあろうかという大木に打ち付けられた。頭がグワングワンと揺れる、だが心なしかさっきより心地よかった。
「すばらしい、すばらしいな!ザナク郎、君は黒い。私好みのブラックだ」思わず、クレイブは感嘆の声が漏れてしまった。
「僕は素晴らしくなんてありません、ただ人より一つ心臓が多かっただけですよ、あなたよりも、」あきらめたようにザナク郎は言う。
「私がすばらしいと思っているのは、体の構造なんて言う表面的で薄っぺらいものではないんだよ。そんなものは真の漆黒の黒ではないんだ。私が追い求めるものそれは、覚悟の強さだ、心だよ」クレイブは自身の心臓の位置をドンドンとたたく。そのたびに、頭に一撃をもらった気持ち悪さで吐きそうになる。
だがそれがなんだか心地よかった。
「すまなかったな、ザナク郎、私は覚悟が足りなかった。私はおまえのことが大好きになったよ!ここからは出し惜しみなしでいこう。」そういった瞬間漆黒の影クレイブの影がゆらゆらとうごめいた。




