リズ・アルベール「じゃあ三つ目の選択肢だ!私も行く。私の大切な友人も私をこの世で一番愛してくれた母も自分で守るよ!」
国立魔法学院 第九魔術学習施設 シャコガイルへ受験を受けに来たダイヤモンドブリザード、ラキオレヴィオン、バウアー・ボウダンロウ、リズ・アルベール四名は無事一次試験を突破した。
第二次試験である、「友情と青春の鬼ごっこ」が始まり鬼である水上第九院シャコガイルから逃げるため学舎本館からの距離をとろうと魔獣の森奥地へと向かうリズアルベール。
そこに半径25mほどの木々が開けた場所を発見する。そこには切り株に腰を据え読書をたしなむ一人の男性がいた。
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その人物は、国立魔法学院 第九魔術学習施設 シャコガイルの特級特別魔術顧問であり、この試験の終了条件の一人でもある静謐の啓きカイバ・真悠であった。カイバは終始薄ら笑いを浮かべるばかりであったが、リズ・アルベールの受験動機を聞き態度を一変させる。
「先に進むか、そんなことを言うのは僕を倒してからにしてね!とかかっこつけてもいいかな?」そういうと彼は読んでいた本を腰かけていた切り株にゆったりと置き。ジーパンのポケットから当たり前の日常みたいに拳銃を取り出す。その拳銃の銃口を自身のこめかみに添える、引き金に手をかけた彼は笑った。 今日出会って一番の笑顔で笑った。
「バン」響く重低音、撃鉄が下ろされた証が森林に鳴り響く。だがなぜか、頭から飛び出る血はない、依然としてセーターに描かれた赤いマリメッコ以外の血は彼に一滴も流れない。代わりにカイバ・真悠のマバユキ星々のような魔法陣「星龍の記憶」が曇天の空に広がった。
そのローエンドな重低音を合図に特級特別魔術顧問 カイバ・真悠と国立魔法学院 第九魔術学習施設 シャコガイル受験生 魔装魔術の名門アルベール家の長女であるリズ・アルベールの戦いが始まる。
結果は、ラキオを今回の試験で救えなかった場合リズ・アルベールは自害するという制約を設け「魔鏡反響 トリガー 火属性 第七魔層 ボルメテウス・紫電・武者 蒼炎」を試みたにもかかわらずカイバ・真悠の固有魔術 不能にもかかわらず、不老にして不死にして不動故に不変の後手捲り不可能の先手「自己誘爆魔鏡反響 トリガー 星間魔術 第三魔層 星龍の記憶」を攻略することは出来ずカイバ・真悠の完勝に終わった。
一限目である天文学の授業は終わり、二限目倫理の授業が今始まる。
「そういうこと、質問はまだある?」
「聞かなきゃいけないことはいろいろあるんだろうけど面倒だからいいや」私は早く眠りたかった。プラネタリウムというものは見ていると眠くなるな。本物の星空と違って。いや違うなプラネタリウムが眠くなるというより教師の声というのは催眠作用があると古から言われている。苦手な教師ならなおさらだ、そういうことなのだろう。
「そう、眠くなってきたところ申し訳ないけど、これから二限目倫理の授業が始まります。」そういうと彼はオーケストラのマエストロが曲に終止符を打つように指を振り下した。すると展開された「星間魔術 星龍の記憶」が流れ星のように水平線に流れ込む。
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「今から話すことは、君だけの問題じゃない、、、」彼は柄にもない申し訳なさそうな歪んだ笑顔で私に向かって言った。
「別にあなたがノンデリなことは分かっているから変に気を使わなくていいよ」私は体育座りをしながら、星空のようなマバユキ魔法陣がなくなった味気ない曇天の空を眺めて言った。カイバ・真悠の辛気臭い顔よりかは無味無臭ともいえる曇り空のほうがまだ見ていられる。
「トロッコ問題だと思って聞いてくれ、君が魔術師として生きるため、僕に君の魔術残滓を渡して、君の母親、いや違うな、君の創造主エリザベス・アルベールと君が最も愛する親友ラキオ・レヴィオンを僕に殺させてくれないか?別に嫌だったら構わない君の魔力残滓は使わずに彼女たちを殺しに行く」今の私に彼の瞳を見ることは出来ない、どんな顔をしていても怖くて震えてしまう。
「そんなことだろうと思ったよ、、、」
「ごめんね」
「謝んなよ!あなたが楽になりたいだけでしょ。私に戦いを挑んできたのも、私の魔力残滓を回収するためだったってこと?」
「ああ、最初は16反射のサソリの毒で君を適当に気絶させて魔力残滓だけ頂くつもりだったんだけど、まあ何と言ったらいいか、流石は花屋の最高傑作 26回やり直した先の造花は伊達じゃないな。16反射のサソリの毒って象でも二秒で気絶するような毒なんだけれど。君普通にピンピンしてたから、、、別に気を使っているとかそういうわけではなく、誇っていいよ君は強い」強者からの賞賛、それも一国につき数人しか存在しないとされている特級魔術師からの賞賛、普段ならば喜ばしいことのはずだ。だが今はその賞賛をくれた人物に全く勝算がない自分の弱さに只々憤るを感じるばかりだ。
「やっぱりひとつ質問させて、エリザベス・アルベールって誰なの?私の母親はリアイ・アルベールのはずだ」私は今までそれを聞いたら、パンドラの箱を開けてしまうような聞いてはいけない気がしていた質問をした。
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「ああ、君はさ?自分のことを生んでくれた人物と自分に一番愛情をくれた人物どちらが親にふさわしいと思う?まあどちらも同じっていうのがベターエンドではあるんだけれど、現実はビターなものだからね、率直な感想を聞かせてくれ」
「私は愛情をくれた人物を母親だと言いつづけるよこれからも、いやこれまでからずっと私はそう言い続けてきた!」さっきまで見ることのできなかったカイバの顔をしっかりと見据えて私は言った。
「やっぱり気づいてたんじゃないか!君も僕に負けじと性格が結構ねじ曲がっているね、教師も多様性の時代に適応しなくちゃならない。だからそれが悪いとは言わないけれどね。まあそれなら、僕がさっき言った通りさ、エリザベス・アルベールは君を生み出した人物だよ。やらしい話じゃないけれど、性行為によって生み出したわけではないから、創造主ってやつだね。君みたいな可愛い女の子を性行為以外の方法で生み出した方法についてなんだけれどそれは僕にもわからない。
だが一つ言えるのは、エリザベス・アルベール通称花屋は、単に可愛い子供が欲しいからなんて理由で君を生み出したわけではない。正確には君たちを生み出したわけではない。君の母親リアイ・アルベールはどうなった?」カイバは話すのに飽きたのか質問してきた。
「十年近く前魔族に連れ去られた、それから行方不明」私は淡々と事実だけを答えた。
「実は僕さっき、花屋にあったんだけどね、エリザベス・アルベールの顔は君にそっくりだったよ。そして、ここから先に関しては僕の想像の域を出ない話なんだけれどね。リアイ・アルベールは花屋によって今体を乗っ取られている状況だと推測する。
まあその方法の細かい部分に関しては僕の知る由ではないのだけれど、彼女はそもそも意識転移魔術や記憶に関する精神魔術の神髄に足を踏み入れた魔族だ。いやな話他人の体を乗っ取るなんて言う芸当も可能だと僕は思っている。そしてその乗っ取った体で君に会いに来た。理由はもう明確だろう?」悪い笑顔で彼は言った。
「私の体を乗っ取ろうとしているのか?」
「そういうこと、」彼は淡々と言った。
「ラキオがそのなんていうんだろう?厨二病的闇落ちみたいなテンションになっているのも、花屋のせいなの?」
「それは僕にもわからない、ラキオ・レヴィオンに関してはただの君の友達だろう?赤の他人すら洗脳できるほど彼女の精神魔術というものが神域に達しているのか?はたまた別の原因があるのか?君はどう思う?」
「わかんないよでもラキオには、、ラキオにはこの世で一番幸せになってほしいと思うよ」
「君が幸せにするわけじゃないんだね」からかうように彼は笑った。私がプクーっと頬を膨らませる。
「まあラキオ君はシャコガイルの受験生だから、さっきはああ言ったけれどラキオ君については善処するよ!だから僕は君達を守るために君の魔力残滓を使って花屋をおびき出すそして、、、」
「だいたい分かったよじゃあ三つ目の選択肢だ!」私は大きく息を吸い込んだ。
「私も行く。私の大切な友人も母親も自分で守るよ!」
「まあそうなるよね、こうならないために君をボコボコにしたのにさ~4949」彼は泣いているようなわざとらしいジェスチャーをした。




