一人ぼっちの王女様にできた一人目の友達
「大自然古代属性 第八魔層 妖精王の罠 発動」
私が魔術を詠唱しカッコつけるために指をパチンと鳴らした。その瞬間、長さ30mを超える木々やそれから伸びる枝が赤い獅子のような魔獣の腹や頭をつらぬいた。私たちのいた森の中に血しぶきが広がっていく。
二人の魔法学園受験生は目の前の魔獣の死体からではなくあたしから逃げるように距離をとった。
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「おまえ、何者だ?今の魔獣おそらく死体の魔力残滓から見て等級はA以上だ。どんなに優秀な魔術師だったとしても、一撃で葬るなんざ基本あり得ない。ただのガキだと思ったがどうやら違うみてえだな。
おまえも第九魔術学習施設 シャコガイルの受験生なのか?もしくは、俺たち受験生を狩りに来た上級魔人かなんかか?」
わたしと距離をとりながら、バウアーと呼ばれる大男は背中にかけた大剣に手をかけた。
リズと名乗っていた女性は口に手を当てて驚愕している様子だ。
「そうなんです、私もあなたたちと青い春を過ごすためにはるばるやってきた、魔法学院の受験生なのです」私は素直に答えた。
「そうなのか?それほんとか?まああの魔獣を一発でやっちまうくらいの奴が、俺たち受験生相手にわざわざ嘘をつく必要もねえのか?」バウアーは自問自答をしてなんとなく納得したようだ。
「そうです!こんなに愛い女の子が悪い魔人なはずありません!」リズさんはきっぱりといった。
「見た目は関係ねえだろ」
「リズ様とバウアー様でお名前はあっているでしょうか?」次に私は名前を聞いた。
「うん?ああそうだリムリル村の神童ボウダンロウ・バウアー様とは俺のことだ。」少し困惑しながら自身のことを誇示するように胸に手をやって言った。
「はいわたくしアルベール家長女のリズ・アルベールと申します。先ほどは少し驚いてしまって、距離をとったりしてごめんなさい!あなたのお名前は何というのですか?」こちらは頭を下げながら自分の行動を反省し謝罪もかねて自己紹介をした。
「こほん、こほん、私は妖精王国ヴェルディ第一王女 ダイヤモンドブリザードと申すものです。以後お見知りおきを」しまった。いつもの癖で正直に肩書を言ってしまった。いきなり自分のことを女王などと言い出す奴がいたらもしかしたらもしかして、引かれてしまうのではないだろうか?
「確か妖精王国ヴェルディって600年くらい前に魔族の侵攻で滅びたって魔導歴史書に書いてあった気がしたけど俺の勘違いか?」首をかしげながら聞いてきた。
「ギクッまあ細かいことはどうでもいいじゃありませんか?どちらにせよ私は悪い妖精じゃないのです。さっきも見たでしょう、私と青春してくださればきっと皆さんの青春もすごく青春します。」
「青春してくだされば青春するってなんだ?ボキャブラリーなさすぎねえか?ひょっとしてお前、、、」
「なっなっ何でしょう?」私は動揺して噛みまくってしまった。これが俗にいう魔法学院デビュー失敗というやつか?
「とんでもない、、」
「とんでもない?」オウム返しをした。
「馬鹿だな」バウアーが馬鹿にするように笑いながら言った。
「そうです私とんでもないくらいハチャメチャに大馬鹿なのです。決して一億年と二千年前から生まれてなんていませんし、妖精王国ヴェルディの第一王女というのも私が働いていた妖精キャバクラの店の名前なのです。そこでバイトリーダーだったものですから、第一王女という少し婉曲的表現をしてしまっただけなのです。」私は息が上がるくらいの早口でまくし立てた。
「おうそうか?さすがにバイトリーダーを第一王女というのは婉曲的すぎねえか?まあいいや、よろしくな」そういうとバウアーは右手を差し出してきた。
これはもしや握手というやつなのでは。
私もそれにこたえるべく右手を出して硬くバウアーの手を握った。
「よろしくお願いいたします。」やった一人目の友達ができた。うれしい。




