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素直に負けを認めてくれる人とは友達になりたい、でもそれが親友となると少し話が違う。

私の魔力残滓もない私の記憶もない、でもこの優しさが私の心がこの人のことをリズさんだと言っている。目がぼやけるこれが涙か。涙はもっと美しいものだと思っていた。でも思ったよりも流すと心が苦しいな。彼女はいったい何者なのだろう。わからないでも、彼女とまだ手を握っていたい。

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私とリズさんは校内放送(しけいせんこく)の指示通りに本館前の校庭に行くことにした。

本館前の校庭には、落とした綿あめに群がるアリたちや夜街頭に群がる蛾のような人だかりができていた。

私たちが見ているところから数十メートルほど先に、一つ半径6mほどの円形の空白があった。そこには、二人の女性がいた。一人は先ほど私のクラスで試験管をやっていた金髪のスーツを着た試験管だ。先ほどと違う点を挙げるなら、腰の右に和風の刀を差していた。金髪の彼女がスーツ姿で和風の刀を持つというのは和洋折衷を感じなかなか乙なものだった。

もう一人の女性は初めて見る。その女性は大きなオウギガイのような外側が白で内側が青いピクシーハットをつけ、白い貝殻のようなフリンジで飾り付けられた、光によって全反射し奇跡的な美しさとなる、きらめく溟海のような青い色のドレスを着ていた。

その女性は自分から近寄るなといったわけではないだが、近づくことが許されないということは、深海がどれだけ美しかろうが手の届かないように、溟海のような青い色の衣装が単純明快に示していた。

「受験生の皆様方本日は遠路はるばるお越しくださり誠にありがとうございました。私の名前は水上第九院シャコガイル、僭越ながらこの学校の学長という立場させていただいております。これよりわたくしの投影魔術によって、一次試験突破者の発表を行い、その後二次試験の内容についての発表も行いたいと思います。」その声は先ほど校内放送で聞いたものと同じようだ。とても低く威厳があるのにもかかわらず、女性としての美しさもその声色には残っている。私はその声が貝の中にある真珠のようだと感じた。

「水属性 第2魔層 漣の睡蓮(アストラルのビジョン)発動」すると二人の女性の上に容積約50㎡ほどの水槽のようなビジョンが映し出された。

そこに、一次試験通過者という文字が睡蓮の葉のように浮かび上がる。それと同じフォントの少しサイズの小さい文字で受験者証に乗っていた席番号がすごい勢いでそのビジョンに浮かび上がる。私の番号は114106だ。

どんどん私の番号が近づく、114101、114104、114107私の番号が浮かび上がることはなかった。別にわかっていたことだった。でも一つだけやりきれないことがある。こうなったらやれることはやる。

「うおー」私はリズさんの右手を放し全力でその人ごみの中をかき分けながら走った。そして、水上第九院シャコガイルのいるところまでたどり着くと、彼女の1mほど前をめがけて、

「この度は本当に一瞬でもほんの一瞬でも青春を味合わせてくれてマジでマジで感謝!なのです。自分の守るべき祖国一つすらろくに守れなかった、愚か者にほんの一瞬だけでも、溟海のような青い夢を見せてくれたことマジでマジで感謝!なのです。クソお世話になりました!」

感謝属性 第青春魔層 スライディング土下座を発動した。

「おいなんだ貴様、無礼だぞ!」さやに収めたままの刀を私に向けながら、金髪の女性は言った。

「まあまあ、グレイブこの方は私にわざわざ感謝の気持ちを述べてくださったのです。そこまで無碍に扱わなくてもよいではありませんか?面を上げてください」優しく威厳のある声で、シャコガイルは言った。

私は顔をあげた、するとシャコガイル学長は、貝に熱を与え無理やり開く時のような、ぱっちりとした目でこちらを見つめた。

すると聞き覚えのある声が聞こえた。

「シャコガイル様、この時間がとても重要であることは重々承知しているのですが、一つだけ報告をさせていただいてもよろしいでしょうか。」それはヴァリ様だった。光速故の高速だからこそ拘束不可能の神足である光速の大魔神、今はこの学園の教師であるヴァリ・ヴァリウスがいつの間にか、一つも音を立てることなく水上第九院シャコガイルの後ろに立っていた。

「いいでしょう、聞かせていただきます。」

「今頃になって誠に申し訳ないのですが、試験問題の解答に一つだけ誤りを見つけてしまいました。」

落ち着いた声でヴァリ様は言った。

「ほう?どんな誤りなのですか?」さっきまでの厳粛な態度が嘘のようないたずらをする子供のような無邪気な笑顔でシャコガイルは聞いた。グレイブさんは少しあきれた表情をしている。

「試験問題第一問 Q1、ここに書かれた十体の上級魔族の中で魔歴1400年魔王軍による妖精王国ヴェルディ侵攻にて、妖精王国ヴェルディ第一王女ダイヤモンドブリザードが打倒した上級魔族に〇印をつけよ。

という問題における三体目の光速の大魔神ヴァリ・ヴァリウスに関して。解答では、決着がつく前にヴァリウスが撤退したため丸印はつけない、となっています。

ですが、、これは誤りです。光の大魔神ヴァリ・ヴァリウスは妖精王国ヴェルディ侵攻における先の時代の敗北者であると、国立魔法学院 第九魔術学習施設シャコガイル特級魔術顧問ヴァリ・ヴァリウスがわが生涯800年の刹那をかけ証言します。」ゆっくり息を吸い込んだそして

「600年前、彼はあの日あの場所で、氷の女王ダイヤモンドブリザードに完全に敗北した。あなたは愚か者などではありません、必死に悪名高い光速の大魔神から自分の故郷を守った英雄です。

誇りなさい。本当にお疲れさま。ダイヤモンド・ブリザードよく頑張ったね、」つきものが取れたようなきれいな笑顔でヴァリ・ヴァリウスはいった。



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