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第7章 スリリングな入場券

第7章 スリリングな入場券



魔方城は、魔法と科学技術の融合が最高に体現された超巨大都市だ。高層ビルが立ち並ぶだけでなく、文化的な古い屋敷や超現実的な光景も共存し、エンターテインメントとメディアの中心地でもある。


夜が明け、黎明が訪れる中、浮遊列車が遠方から魔方城へゆっくりと近づいてきた。


今日はマジックゲームの開幕日であり、登録締め切りは正午。ウェイドとクンナはなんとか間に合った。


だが、列車駅を一歩出た二人は驚愕した。


「こんなに人が!」


見渡す限り、駅を出て左右と前方の大通りは人で溢れかえっていた。道路の両側にはマジックゲームの旗が果てしなく掲げられていた。さらに進むと、露店やネオン広告が立ち並び、眩い仮想投影広告が目を奪い、空を飛ぶ飛行船には各チームの旗が掲げられていた。


最も驚くべきは、遠くにそびえる巨大な競技会場だった。野球場の2倍以上の大きさで、まるでタイタンガメがうずくまるような壮観な姿だった。


「これ…ちょっとした大会だと思ってたのに…こんなに盛大なんて!」


目の前の光景にクンナは唖然とした。これはまるで盛大なカーニバルだった。


ウェイドもこの数年、魔方城に足を踏み入れることは少なく、マジックゲームの存在を初めて知った彼は、まるで子供のようにはしゃいだ笑顔を見せた。


「ヘイ!笑って!」


突然、後ろから男の声が二人を呼び止めた。振り返ると、フラッシュが光り、ウェイドとクンナの目がくらんだ。


「…何?」


ウェイドの目がフラッシュに慣れる前に、目の前に手が差し出され、ポラロイド写真が渡された。撮影したのは中年男性だった。


男は笑いながら言った。


「万方城へようこそ!カップルで旅行?」


この誤解に、ウェイドとクンナは息を合わせて即座に否定した。


「違う!!」


説明しようとしたが、男は意味深に笑って言った。


「“まだ”ってことね、了解!」


笑いながら去っていく男に、ウェイドとクンナは気まずさで互いの顔を見られなかった…


だが、肩にかかる大きなプレッシャーから、ウェイドは他のことを考える余裕がなく、冷静になって言った。


「早く会場で登録しよう!締め切りが近い!」





「何?7人必要!?」


登録所に着いたウェイドとクンナは、重要な事実を見落としていた——チームは7人でなければならない。


「そうです、大会規約に明記されてます。読まなかったんですか?」


登録係が規約を渡し、ウェイドが確認すると、確かに7人必要と書かれていた。二人は途方に暮れた。


「くそ…大会に間に合うことしか考えてなくて、これを見逃した!俺のせいだ…」


ウェイドは悔しさに壁を叩いた。規約に気づいていれば、友達を連れてこれたのに、今は八方塞がりだった。


地面に座りうつむくクンナの失望した姿を見て、ウェイドは申し訳なさに苛まれた。「こんな遠くから来たのに…諦めるわけにはいかない!」と心の中で叫んだ。


突然、ウェイドは閃き、ゆっくりと言った。


「7人必要なら…ここで探せばいい!」


決意の目でクンナを見ると、大会規約を手にこう続けた。


「締め切り12時まであと2時間。7人揃えば参加できる…規約には、開幕後にメンバーの入れ替えが自由って書いてある。まず1勝すれば、後はどうにかなる!」


絶望していたクンナは希望を再燃させ、立ち上がって言った。


「なら、待ってる時間はない!急いで分担して人を探そう!」


こうして、締め切りまでに登録するため、ウェイドとクンナは別々の方向へ向かい、参加してくれる人を探し始めた…






「マジックゲームに参加しませんか!?」


クンナは会場周辺で必死に声をかけ続けたが、ほとんどの人はすでにチームを組んでいるか、観光客として来ているだけだった。普通の人は競技に必要な攻撃魔法に長けておらず、ごくわずかな才能ある人だけが扱えた。


急いで人を探す中、クンナは気づかず誰かの肩にぶつかった。マントをまとった人物が振り返り、不機嫌に叫んだ。


「ヘイ!人にぶつかって、謝らないの?」


だが、クンナは聞こえず、慌てて走り続けた。それに少女は怒り、右手を伸ばすと、龍形の光鞭がクンナに向かって放たれた。


光鞭は瞬時にクンナの手を絡め取り、彼女は驚いて振り返った。この魔法が高レベルの攻撃魔法だとすぐに分かった。


光鞭の先にいる人物を見て、クンナは尋ねた。


「あなたは…?」


その問いに、相手はマントを下ろした。驚くことに、金髪の少女だった。少女は鋭い目で言った。


「何?この小姐にぶつかって謝らない気?」






ウェイドもクンナと同じく会場で叫び続けた。


「チーム組んでない人で、大会に出たい人!?」


だが、1時間近く叫び続け、汗だくになっても誰も応じなかった。


「ダメだ…このままじゃ絶対見つからない…」


ウェイドは髪をかきむしり、どうやって注目を集めるか考えた。最終的に、高度な魔法を披露して人を引きつけることにした。


ウェイドは人混みの中心に立ち、周囲を見渡して目を閉じ、両手を胸の前で魔法の印を結んだ。たちまち空に暗雲が立ち込め、雷鳴が響き、会場の人々が一斉に彼を見た。彼が印を高く掲げると、突風が巻き起こった。


「ゴロッ」


雷が空を裂き、ウェイドの印に直撃。閃光の中で雷電が東洋の龍に凝縮し、咆哮とともに空へ舞い上がり、雲間で翻り、やがて消えた。


この魔法は効果を上げ、会場は歓声と拍手に沸いた。


ウェイドは機を逃さず叫んだ。


「俺のチームメイトになりたい人!?」


実力を見せつけたことで、急に興味を持った人々が「俺なら勝てる!」とウェイドの周りに殺到した。


「俺だ!俺を選べ!」


群衆が押し寄せる中、マントをまとった瘦せた少年が手を挙げたが、いつも後ろに押しやられた。焦った少年は魔力を込めて叫んだ。


「俺を選べ!!」


その異様に響く声に皆が立ち止まり、少年を見た。ウェイドもその声に何か特別なものを感じた。少年がマントを下ろすと、瘦せた金髪の少年だった。


「マジックゲームに出たい!俺を選んで!」


少年は真剣で期待に満ちた目でウェイドを見つめ、答えを待った…




登録締め切り10分前、ウェイドとクンナは登録所に駆け戻った。


「マジックゲームに登録します!」


登録係が眉を上げ、疑わしげに尋ねた。


「あなたたち、7人必要って言いましたよね?」


ウェイドとクンナは笑みを浮かべ、後ろから5人が現れた。金髪の少年、金髪の少女、若い男性2人、女性1人の計7人。


そう、彼らは7人を揃えたのだ。


登録係が登録用紙に大きく承認のスタンプを押すと、ウェイドとクンナはついに大会への切符を手に入れた。


この瞬間、二人は燃える闘志を込めて叫んだ。


「マジックゲーム…かかってこい!」


(完)



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