第13章 ベイビーキラーの本性
第13章 ベイビーキラーの本性
「フーッ！」
「ドカーン！」
競技場は白熱した戦闘に突入し、さまざまな魔法が花火のように炸裂し、エネルギー波がアパート間の防護結界に衝突し、眩い光がチェス盤の戦場全体を照らした！
解説者のブレストが興奮して叫んだ。
「鋼鉄皇者対タイタン暴竜隊！両者、激しい戦闘を繰り広げています！」
だが、この混沌の中、小卒隊の屋上は静寂に包まれていた。
アンディは屋上に立ち、遠くの戦況を凝視し、目の前の魔法の嵐に圧倒されているようだった。
ウェイドは焦り、大声で叫んだ。
「アンディ！早く！リベットワーカー隊のアパートを攻撃しろ！」
アンディは我に返り、カウボーイハットを直し、両手を重ねて魔法を放つ準備をした。だが、彼の口元に不敵な笑みが浮かんだ——
彼はリベットワーカー隊を攻撃する気などなかった。
「汚い服の労働者なんてどうでもいい。やっぱり可愛い優等生の女の子をいじめる方が楽しいだろ！」
「バン！」
アンディは大胆に魔法を放ち、彼の専属魔法——「炎の銃」が瞬時に現れ、巨大な六連発の炎の拳銃が手に形成された。
彼は軽やかに銃を回転させ、狙いを定め、煙草を咥え、気楽な態度でいた。
そして——
「ドカーン！！」
炎と煙を帯びた巨大な弾丸が飛び出したが、リベットワーカー隊のアパートではなく、ベイビーキラー隊の屋上へ直撃した！
「やめろ——！」
ウェイドの顔色が変わり、止めようとしたが間に合わず、ただ無力に首を振った。
システムが即座に判定した。
「対決成立！」
小卒隊とベイビーキラー隊のアパート周辺に、透明なエネルギー壁が瞬時に立ち上がり、地面から空へと伸び、閉鎖された戦場が形成された！
ウェイドは無力にこめかみを揉み、アンディの独断に頭を悩ませたが、もはやどうしようもなく、深く息を吸って冷静に言った。
「みんな……戦うぞ！」
「ジジッ！」
エネルギー壁が起動すると、チェス盤のマスの属性が変換を始めた——
小卒隊の戦場属性は「雲霧」、ベイビーキラー隊の属性は「金」。これにより、両アパートの地面に金属の薔薇がびっしり生え、上空は雲霧に覆われ、奇妙な光景が広がった。
「ふん、面白い！」
アンディは冷笑し、レオナと目を合わせ、二人同時に魔法を起動し、一気に跳んだ！
——40メートルの距離を瞬時に越えた！
「バン！」
二人は敵の屋上に着地し、即座に戦闘モードに入った。
ベイビーキラー隊は5人のメンバーを送り出して迎撃！
アンディが先手を取り、魔法の鞭を振るい、まるでカウボーイが馬を捕らえるように、**「烈焰の投げ縄」**で一瞬にして3人を縛り上げ、がっちり拘束した！
レオナは驚異的な体術で残りの2人を倒し、地面に押さえつけた！
二人の素早さに、観客は驚嘆の声を上げた！
ベイビーキラー隊の5人は反応する間もなく全滅した！
「何！？楽勝すぎるだろ？」
観客は騒然とし、試合が一方的な展開になるのではないかと疑う声も上がった。
アンディが周囲を見回すと、相手が全員高校の制服を着た、黒縁メガネの真面目そうな学生だと気づいた…
彼らはパニックで叫んだ。
「あなたたち！ひどい！人の家に踏み込むなんて！」
アンディはニヤリと笑い、両手を広げ、無垢な態度で答えた。
「仕方ないよ、お嬢さんたち…勝利のためには先手必勝だ。君たちが弱すぎただけさ！」
そう言うと、彼は得意げにイヤホンを押さえ、ウェイドに報告した。
「隊長、どうだ？俺の選択、間違ってなかっただろ？この試合、楽勝だ！」
アンディの計画では、20分待つ必要すらなく、すぐに旗を奪いに行けるはずだった！
「ハハハハ——！」
突然——
不気味な笑い声が耳元に響いた。
アンディは眉をひそめ、振り返ると、縛られたベイビーキラー隊のメンバーが不気味に笑っていた。
「何を笑ってる…？」
アンディは眉をひそめ、一人の少女の顎を掴んでじっくり見た。
彼女こそベイビーキラー隊の隊長——アンジェラだった。
清純なメガネ娘のはずが、口元に謎めいた笑みを浮かべていた。
彼女は手を上げ、開戦以来誰も注目していなかった「応援スコアボード」を指した。
その時、システムの声が響いた——
「ベイビーキラー隊、ファンからの支援達成！5倍の魔力ブースト、持続時間：3分！」
「……？？？」
アンディは呆然とした。
だが、ウェイドは予感していたかのように、顔を覆ってため息をついた。
「やっぱりな…」
「ドカーン！！！」
次の瞬間、神聖な光が降臨——
金色のエネルギー光線が、天から降るようにベイビーキラー隊の各メンバーに注がれた！
「こ、これは何だ！？」
アンディは目を丸くし、か弱いはずの高校少女たちが、狂暴な魔力をまとい始めたのを見た！
アンジェラは烈焰の投げ縄を振りほどき、アンディの胸に一撃をくらわせ、彼を吹き飛ばし、壁に叩きつけた！
「うっ——！？」
アンディはうめき声を上げ、壁に貼りつき、みっともない姿になった。
「くそっ！」
レオナは少女たちを倒そうとしたが、少女たちは驚異的な力で逆に彼女を気絶させた。
アンジェラと仲間たちは黒縁メガネを外し、清純な優等生から一転、殺気溢れる猛女に変貌！
アンジェラは腰に手を当て、傲慢な笑みを浮かべた。
「小卒隊、忘れたの？ファンの応援も戦闘の一部よ…これから、私たちがあなたたちを叩きのめす！」
（完）
