第12章 開戦
第12章 開戦
戦鼓の音が雷鳴のように響き、空気を震わせた。女性司会のレナが照明の下に立ち、自信に満ちた笑みを浮かべ、マイクを握り、力強く響く声で宣言した。
「まず、この魔法競技のエース解説者——熱血早口のブレストリン!」
スポットライトが素早く照らし、一人の男が脇のステージから解説席に駆け上がった。ブレストはトレードマークの笑顔で観客に手を振った。
「次に、かつて魔法競技のチャンピオンチームの選手で、鋭い洞察力で全体を見通すアナリスト——マーティン・ミシェル!」
暗闇の中、一筋の光が差し、鋭い目つきのマーティンが堂々と現れ、迷わず解説席に着いた。
「そして最後、最敬意を込めて、この大会の審判および理事陣を紹介します!」
「魔方世界スポーツイベント理事長——レックス・フランク!」
「競技審判長——オーストン・ゲイル!」
「魔法理事長——イヴェン・コール!」
3人の大物がゆっくりと審判席に進むと、会場は一瞬静まり、続いて山を崩すような拍手と歓声が沸き起こった!
ついに、大会に必要なすべての人物が揃った。
時刻は7:59、開幕まであと1分…
セザールがマイクを受け取り、競技場全体を見渡し、力強く磁気的な声で問いかけた。
「さあ、準備は整った!観客の皆さん——準備はできてるか!?」
観客席から一気に爆発的な叫び声が上がった——
「イエス!」
セザールは笑い、2回続けて問いかけ、観客の叫び声はさらに耳をつんざくほどになり、会場の雰囲気を狂気の頂点へと押し上げた!
ついに、声の波が最高潮に達した瞬間、セザールはカッコよく手を掲げ、口元にクールな笑みを浮かべ、低く衝撃的な声で宣言した——
「では——カウントダウンを始める、30秒!」
会場全体が息をのむような期待に包まれた。30秒後、マジックゲームが開戦する!
「30——29——28——27……!」
カウントダウンの声が競技場全体に響き、魔方世界中に伝わった。この瞬間、会場にいる観客、テレビの前の家族、スマホを見つめる市民、全員が息を止め、画面に釘付けだった。
だが、この瞬間最も緊張していたのは、観客ではなく、100棟のアパートにいる700人の選手たちだった!
強烈な光が巨大なアパート群を照らす中、表面上は静寂が保たれていたが、裏では各チームが最後の戦術調整を行っていた。戦術の確認、通信テスト、旗の隠蔽、攻守の割り当て——あらゆる細部が勝敗を分ける!
しかし、ウェイドのような急ごしらえのチームにとって、状況は完全に混乱していた。
「ウェイド!俺、どこに行けばいい!?」
ディランはパニックで叫んだ。チームでの協力経験がなく、魔力は弱く、攻撃も守備も自信がない彼にとって、この試合は悪夢そのものだった。
ウェイドは瞬時に割り当てを決めた。
屋上:攻撃手2人——アンディ、レオナ。5階:クンナ。4階:デビッド。3階:アニー。2階:ディラン。
最後の1階はウェイドが守り、旗をソファの下に隠した。
「10!9!8!」
カウントダウンが最終段階に入り、全員が素早く持ち場に就き、攻守のエリアで心臓の鼓動をカウントに合わせた。
「3!」
「2!」
「1!」
「0——開始!!!」
刹那、会場全体の照明が一瞬点滅し、異様な静寂に包まれた。誰もが最初の攻撃を待っていた。
突然——
「ドカーン!!!」
あるアパートの屋上から灼熱の火柱が爆発し、対面のアパートに猛烈に襲いかかった!瞬時に、スマート競技システムが起動し、中央から機械音が響いた。
「対決成立!」
そして、2棟のアパートがあるマスが無形のエネルギー場で封鎖され、1対1の独立した戦場が形成された。
「おおお——!!!」
観客席が一気に爆発し、突然の炎の対決に全員が震撼し、興奮で狂ったように叫んだ!
だが、これはまだ始まりにすぎなかった——
次の瞬間、数十の魔法の光が様々なアパートから炸裂!
水龍が舞い、雷電が轟き、氷柱が飛び、風刃が切り裂く——魔法攻撃がチェス盤上空で交錯し、まるで魔法の花火のように輝いた。
「対決成立!」「対決成立!」「対決成立!」
AIシステムの判定音が鳴り響き、会場内の各アパートが動き出し、魔法対決が至るところで始まった!
この瞬間、会場にいる観客も視聴者も、興奮が極限に達した!
マジックゲーム——全面開戦!
(完)