第1話 転生!ウチ、悪役令嬢ってマジ?
まぶたを開けた瞬間、あたしはヤバさを察した。
「ん…なにこの天井。シャンデリア?てか金ピカすぎじゃね?」
ガバッと起き上がると、ふわっふわのベッド。隣には…執事?
しかもめちゃくちゃイケメンなんですけど!?
「お目覚めになりましたか、アナスタシア様」
「アナ…誰?」
自分の声が、やたら上品で透き通ってる。なんなら、ドレスもフリッフリで姫みたいなんだけど?
「…って、あたしじゃん!?」
鏡に映るのは、金髪ロングにエメラルドの瞳、めっちゃ気品あふれる美女。けど、これ――昔ハマってたギャルゲーの悪役令嬢、アナスタシアじゃん!
「うっわ、転生とかウケる~!でもなんでアナスタシア!? 主人公じゃないんかい!」
「…申し訳ありません、何を仰っておられるのか…」
「ユリウスだっけ?あんた、アナスタシアの執事だよね?オッケー、思い出したわ」
「……え?」
「ってか!このままじゃヤバいヤツじゃん!このゲーム、アナスタシアって最後は国外追放とかになんじゃん!マジ無理~!」
パニくるあたしをよそに、ユリウスが優雅にお辞儀した。
「お嬢様、今日はいよいよ“婚約者様”との登校日です。お支度を…」
「……え?婚約者って……レオンハルト様!? あの塩対応の王子!?」
うっわ、まじで始まっちゃってんじゃん、この世界線。
こうなったら、ギャルのノリで未来変えてくしかなくない!?
「オッケー☆あたし、悪役とかやんないし~。ギャル的友情と恋愛で世界を救うからヨロシク!」
「……本日も、お嬢様はお元気で何よりです」
さあ、行こう。ギャルパワーで乙女ゲー世界、ぶちアゲてこ☆
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