イエス・ズカイの場合
私の名前は、イエス・ズカイである、しかし今日はとてもいいことがあった。それは子供たちの前でパンを渡せたことだ。私は手からパンが出せる。それがどんなことを意味しているのか解らない。しかしながら、ここまでくると、何を消費してパンを出しているのかわからない。
「わあ、おじさんありがとう」
「困ったら自分で作りなさい。麦を発酵させるだけだ」
今日はここまで来た、アルガンティア山のふもとのところまで来た。さすれば、近くの古代遺跡まで見つかった。ファルフェノイド鉱石がよくはがれ落ちるところである。そこで職人さんと出会った。
「腹がすいててな」
「お望みどおりに」
パンを渡した。するとみるみると元気になっていく職人たち。私はこの力が影響を及ぼすのは、私の人気だと分かった。これではダメだと地元に戻ってわかったので、私は、自ら旅に出て、スラム街の子供たちに渡そうとしていたのである。
「おっさん、スラム街はあるのか?」
「なあに、どこも一緒さ、それよりも何もしなくてもいいから俺たちといないか?」
また勧誘である。こんな悲しいことがあっていいのか。
私のこのパンを生み出すことは、魔術でも、魔法でもない。
どんな力を意味しているのかわからないので、旅をしているのである。
この先どうなるかわからない。
「いやあ、おなかすいちゃった」
「パンが欲しいのかね」
「お魚が食いたい」
エルフの美少女だった。こんなにも、たくさん旅をしているにも関わらず、あまりの美貌に息をのんでしまった。こんな美しい人がいるのか。この遺跡の後の人たちは。
「ねえ聞いてる、ファルフェノイドって、昔々、宇宙船を作っていたんだって」
「宇宙船とはなんだ」
「空に向かって飛んでいくことができるぐらいかな」
「天には何かがいたんだろうか」
「それがよくわからないらしい」
そういいエルフの美少女は、油まみれから、魔法を唱えた。
「クリーン!」
驚くべき早さだった。無詠唱の魔法かというくらいには早い詠唱速度である。
魔法が使えないものからすると、かなり旅のお供にしたいのである。
「お嬢さん名前は?」
「エルフィン・アルティマータなのよ、年齢は秘密ね」
お魚釣ってみようかなというくらいにはそれはとてもかなり楽しい会話を披露してくれる人である。
こんな女性がどんなことを考えているくらには、とても頼もしそうだ。
「私の名前は、イエス・ズカイである、パンを生み出す以外は何もできない」
「そうね、よく見ると普通の男だし」
パンが出せるだけなのにこいつはパンはいらないと言う。
どうしたらパンを出せるようになるのだろうか。
そうだ、ああしよう。
「パンにはちみつで食べてみたら」
「毎日食べてる、それよりもパン屋を出してみたら?」
「わかりました」