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山籠りおっさんのやりすぎスローライフ~拠点に遊びにくる友人たちを全力でもてなしていたら、知らない間に世界に激震を走らせていました~  作者: AteRa


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第25話 試作段階のゲームをします

「そろそろこのゲームにも飽きてきたのじゃ」


 ロシュたちが来て既に一週間ほどが経過していた。彼女たちはその間、ずっとこの家に居座っている。そのことについて何度もサーラから謝られたが、おもてなしするのも楽しいので俺は構わないよと言い続けた。


「じゃあそろそろ新作のタイトルでもやるか」

「おお、新作なのじゃ!」


 俺の言葉にロシュが嬉しそうに両手を天に向かって上げる。前々から作ろうとは思っていたのだが、まだ試作段階だからといって封印してきたものだ。一応レイナたちのために作ったものだが、別に試作だしロシュたちにやらせても良いだろう。


「これは4対4で戦うゲームでな。この照準ってのを敵に合わせて魔法を撃つゲームなんだ」


 俺はゲーム内容についてロシュとサーラに説明していく。サーラも真面目に聞いているあたり、謝りながらも内心ではゲームを楽しんでいるのだろう。楽しんでくれていて、息抜きになっているのなら、これほどおもてなし冥利に尽きることはない。


 まあゲーム内容は前世であったインク塗りのTPSゲームを魔法版に置き換えたようなものだ。銃ではなく杖、インクではなく魔素のようにこちらの世界に合わせた世界設定に変えている。


「なるほどなのじゃ! 面白そうなのじゃ!」


 ワクワクした表情でアンナは言う。サーラも涼しい顔をしようとしているが、内心楽しみにしていることがバレバレな表情をしていた。


「とりあえずやってみますか」


 サーラは『まあ付き合ってあげてもいいですが?』みたいな感じでそう言ったが、目は爛々と輝いている。俺は思わず苦笑いをしながらソフトを入れ替えた。


 タイトルが表示され、ゲームが開始される。ちなみに4対4のゲームなので、残りの5人は全員CPUだ。


「うわぁ! 難しいのじゃ! 全然当たらないのじゃあ!」


 ロシュは苦戦しているようだが、メチャクチャ楽しそうにプレイしている。それに対してサーラは凄く器用にエイムを合わせると敵を各個撃破していっていた。エイムもそうだが、立ち回りが圧倒的に上手い。サーラが近くにいるだけで凄く戦いやすかった。


「おおっ、初戦で勝てるとはなかなか」


 画面にはWINの文字が表示されている。勝った証拠だ。サーラの活躍が著しかったな。


「もう一回なのじゃ! まだまだやれるのじゃ!」

「……すいません。でももう一戦だけやってもらえませんでしょうか?」


 二人にお願いされ俺は苦笑いをしながらもう一度プレイボタンを押す。まあ一戦だけなんてことはないんだろうなと思いながら。


 それから結局、俺たちはいつも通り明け方までゲームをプレイし、昼過ぎまで爆睡してしまうという、何とも情けない生活を送り続けるのだった。



+++



 ロシュたちが来てから一ヶ月。まだ彼女たちは居座っていた。そろそろあの人たちが来そうだなぁ、とか思っているとやっぱりチャイムが鳴った。


「は〜い!」


 俺がそのインターフォンに出る前に近くにいたサーラが出てしまった。スピーカー越しに不思議そうな声が聞こえる。


「女性の声……?」


 レイナの声だ。困惑するような、かつどこか怒りを含んだような声色だった。次にアンナの声も聞こえてくる。


「タケルさんだって男なんだし、ガールフレンドの一人くらいいてもおかくしないと思うぞ〜」

「うっ……そりゃそうですよね。勝手に期待してるのが悪いんですもんね……」


 何かよく分からないが、落ち込んだレイナにベリアル君が声をかけて始める。


「ふっ、やはり失恋とは儚いもの。しかしそういう時はゲームをすれば全て解決だ」


 ベリアル君に何があったか知らないけど、メチャクチャ悟ったようなことを言っている。でもゲームをすれば解決なのは俺も同意。とと、そんな会話を聞いている場合じゃなくて、俺は玄関に向かうと三人と対面した。


「あっ、タケルさん」

「やっほ〜。また来たぞ〜」

「お邪魔する!」


 そしてズカズカと遠慮なく家に入ってくる三人に、後ろからやってきたサーラが尋ねた。


「ええと、貴方たちは誰ですか?」


 そんなサーラに冷たい声でレイナが返す。


「そっちこそ誰ですか? 私はタケルさんと毎月のように遊んでいるんですよ」

「はあ……そうなんですね」


 レイナがよく分からないマウントを取り始めて、困惑しているサーラ。俺は思わず苦笑いを浮かべながら互いを紹介する。


「こっちはレイナ、アンナ、ベリアル。俺の友人だ。それで、こっちはサーラと……って、ロシュはまだゲームしてるのか……。まあ、うん、俺の最近できた友人だ」


 そう紹介すると真っ先にレイナが頭を下げた。


「あ、初めまして。私はタケルさんの《《友人》》のレイナです。よろしくおねが……って、あれ?」


 そこまで言ってようやくレイナは首を傾げる。その視線はサーラの頭上についているツノを見つめていた。


「もしかして、貴女は……」

「ああ、そうです。私は魔族ですよ」


 サーラが肯定するように頷いた瞬間、目を輝かせたアンナがサーラに飛びつき、いきなりこう歓喜の大声を上げるのだった。


「おおっ〜!! 初めて見るぞ〜、魔族は〜! 凄い、凄い、本当に魔素の質が全然違うんだな〜!」

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