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第2話 転生したら山の中だった

 目を覚ますと森の中だった。森というより山の方が近いか。近くに川が流れているのか、少し湿けた匂いと微かな水の流れる音がする。


「転生って言ってたけど、これじゃあどちらかといえば転移だな」


 立ち上がって俺はそう言葉をこぼす。どうやら新しい生を受けたわけではないらしく、日本にいた頃の三十六歳おっさんの姿格好のままみたいだ。着ている服だけは中世ヨーロッパ風の味気ない感じになってるが。


「で、最初にするべきことは……能力の確認かな」


 どうやって能力を確認するのだろうか? ステータスとか? そもそもこの世界がどういった世界でどのくらい文明が進んでいるのかも分からない。そのくらいは聞いておけばよかったと今更ながら後悔する。


 ともかくステータスが見られるか確認しよう。


「ステータス!」


 そう口に出すとブンッという音と共に目の前に半透明のウィンドウが表示された。


「おおっ、これがステータスか。本当にあるんだな。ってことはやっぱりここは異世界か」


 そのことに少し感激しながら自分のステータスを確認する。


——————————

名 前:山田タケル

レベル:89

筋 力:119

魔 力:176

スキル:魔法(全属性パック)レベル10、武術(全武器種パック)レベル10

ユニークスキル:全知全能

——————————


 う〜ん、これは強いのか? この世界における平均値を知らないからどの程度なのかは分からないが、数値的にはあまり強くなさそう。しかしスキル系はなかなか良いのでは?


「魔法と武術が全種類使えるなら困ることはなさそうかな。まあ全種類と言われても何があるのかなんてさっぱり分からんし、レベル10が強いのかも分からんが」


 こういう時のためにユニークスキルの全知全能があるのだろう。どう使うのか分からないが、とりあえず口に出してみるか。


「スキル、全知全能!」


 すると目の前にウィンドウと同じ半透明のキーボードが現れた。なるほど、これで検索しろと。


「う〜ん、なんて検索するか……」


 現状、何が分からないのかが分からないという状況だ。これではなんて検索をかければいいのかもいまいち分からん。


「そうだ、これで何か出てくるかな?」


 ふと思いつき、俺はキーボードをパチパチと叩いていく。検索欄には『異世界に転移したら最初にするべきこと』と書いてみた。


 するとすぐに検索結果が表示され、画像付きのブログのような記事が見られるようになった。


「なになに? まずは食料の確保と拠点の確保をしましょう、だって? まあ確かにそれもそうか」


 補足のところに、夜になると魔物が活性化し出現率が多くなるので、拠点作りが最優先ですと書かれていた。ふむ、異世界らしくこの世界にも魔物がいるらしい。現状のステータスはあまり強くなさそうだし、とりあえず拠点作りから始めるか。


 そのままその記事を読み進める。丁寧に拠点作りに必要な素材やスキルなどが記載されている。


「なるほど……一応木造だけではなく、鉄筋コンクリート製の建物も造れるのか」


 どうやらスキル全知全能は前世の情報も取り込んでくれているらしい。今更、生活水準を下げることもできないと思っていたので、かなり助かる。これでウォシュレット付き水洗洋式便所も作れるだろう。


 まあまだ鉄筋コンクリートの建物を造れるほどの素材なんてないから、とりあえずは木造のログハウス的な建物を造ろう。魔物対策用の結界とかもあるみたいだし、木造でも吹き飛ばされることはないはずだ。


「まずは伐採を始めるための道具作りをしたいところだが……」


 流石に木の切り方までは載っていなかったので、別タブを開いて新しく調べてみる。するとこちらもちゃんと出てきてくれた。


「ふむふむ、伐採用の魔法ってのがあるのか。属性は無属性って書いてあるけど、全属性パックにも含まれてるかな?」


 しかし今度は魔法の発動の仕方が分からなくなったので、そちらも調べてみることに。すると詠唱用の呪文が出てきた。無詠唱とかはないのだろうか? 今更この歳にもなって魔法の詠唱は少し恥ずかしいぞ。


 というわけでついでに無詠唱を調べてみると、レベル8になると使えると書いてあった。俺のスキルは全属性レベル10みたいだし使えるのかな。


 無詠唱を使うには魔法名を思い浮かべながら発動する意思を乗せると書いてあった。いまいち感覚的な説明だが、とりあえずやってみよう。


 魔法名は『ツリー・カッター』。そのまんまだ。一本の木の前に立ち、魔法名を思い浮かべながら発動するぞ〜と強く願ってみた。するとスパパパパパっと音がして、目の前の木が一瞬で丸太になった。


「おお〜、便利だなぁ」


 流石魔法、何でもできる。それで、この丸太たちをストレージに入れる必要があるみたいだが……。


 そう思った瞬間、目の前の丸太たちが一瞬で消えた。少し焦ったが、おそらくストレージに入ったのだろう。ええと、ストレージを確認するには、っと。


「ストレージ!」


 そう口に出すとアイテム一覧が表示されたウィンドウが出てきた。やはりそこは単純か。そこには先ほど切った丸太以外にも様々な武具が用意されていた。


「ってか、斧も入ってるんかい。一通りの武器と防具が入ってるけど、これって強いのかな?」


 そう思って軽くアイテムのアイコンをタップしてみると耐久力と攻撃力、それに等級というものが書いてあった。


「ええと、全アイテムの等級は……一律で5か。これが強いのか分からないけど、一般的なRPGとかだったら10が最高とかなんだろうな」


 5って中途半端だし、めちゃくちゃ強いわけでもないだろう。あとで調べてみるとして、まずは拠点作りのために木々を切り続けるとしようかな。

《作者からのお願い!》


この度は、拙作を最新話まで読んで頂きありがとうございます!

この物語を楽しいと感じて下さるのは、皆さんが応援して下さることでより期待に沿える物語を書こうと前向きになれるからです! 本当にありがとうございます!

自作が読まれるのは大変嬉しい事です!

引き続き更新をしていきますので、読んで頂ければ嬉しいです!


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