第二話-誕生-
「おんぎゃあああああ〜おぎゃ〜」
大きな産声が部屋中に響き渡る
その部屋の中では大勢の人がいる様子で
人々はとても喜んでいるのか?多くの歓声が聞こえる
ってなんだ?急に映画のワンシーンを見せられている様だが?!
なんだっけ?さっきまでえ〜っと??何かしてたような??
ん?.......映像が変わったぞ??
今度は誰かが写っている?
綺麗な水色がかった髪色でロングで真っ白な布の服を着ている
そして肌は雪の様に白くよく見ると耳は長い?人間じゃないのか?
でも驚くほど美人だ...
おそらく見た目的には10代だろう?
これはこの子のお母さんなのか?
その女は赤子を見つめ赤子を抱えようとしている。
「インハデミ!!」
なんだ??なんか喋ったぞ?
でも??一体何語なんだ??
洋画か??
字幕か吹き替えがないとわからないぞ?
その女性は赤子抱え優しく抱きしめた。
この感触は??やけにリアルだな??
まるで自分が抱きしめられて...えっ?
よく見ると抱きしめられたのは自分だった。
えーーーーーーーっ?
再び抱えられ辺りを見渡すととてつもなく広いフロアで
どこかの城の王室なのか?王座が二つあり
周囲には高級そうな飾りがならんでいる。
王室に向かい兵士のような鎧を着た人々が並んでおり
その後ろに続けて鎧を着ていないおそらく庶民?の様な人々が並び総勢数百人もの人々に見守られ拍手や暖かい歓声上がりその後宴が始まる。
みんな楽しそうに踊っているが...
どういう事だ??この赤ちゃんが俺なのか??
これってまさか!?生まれ変わりってやつ??
でも前のことは全然思い出せない...??
う〜ん?
ーーーーーーーーーーーーーーー
色々考えている間に宴の様な時間は終わり青髪の女に抱えられながら長い廊下の先の部屋に戻りまもなく俺はベッドに寝かせられた。
よくわからない...赤ちゃんの時ってこんな理性がはっきりしてるものなのか?
そんな事ないよな??
まさか本当に生まれ変わりなのか!?
そう思ってたとき視界には
ツンツンとした短髪できれいな金髪で若く美男子で強そうで勇ましい顔立ちをしており煌びやかな中世ヨーロッパの本で見るような青の王族の衣服でマントを羽織った男が現れた。
「ルナート!!プーッ」
何を言ってるかわからないが...
変顔している
おそらく俺をあやしているのだろう...
ここは笑ってあげようか...??
「あはははははははは」
笑い声を上げると
その男は笑顔になった
「パリヤダルント!!!」
「アデヤナルミヤ!!!」
さっきの青髪の女と金髪の男は何かを話して二人で笑っている
この二人は夫婦か?
って事は俺は二人の子?
美男美女の夫婦かぁ...
親ガチャは当たりだな....??
ーーーーーーーーーーー
そうして月日は流れ俺は今日で5歳になった。
この国の言葉も習得しこの世界の事も色々わかってきた
この国はラナーク王国
その城の王女である青髪の母マーリンと戦士の金髪ツンツン頭の夫アトラスが結婚してできた子がこのおれ...いや私、アイリス...
驚いたが俺は女だったらしい...
ラナーク語の言葉の一人称の私と教わった時は違和感だらけだったがだいぶ慣れてきた...
前世は男だったのだろう...
たまに癖で俺を使って怒られてしまう...
その鬱憤を晴らす為に一人の時は隠れて俺を使わせてもらってる...
「アイリス??授業が始まるわよ?行ってきなさい。」
「はい....お母様!」
時期王女となるため2才から英才教育を受けている。
まぁそれも金持ちの特権なんだろうけど王女とはいえど早すぎやしないか??
そう思いながら部屋を出てすぐの階段を上がり二階の廊下を少し歩いた所に授業をする部屋がある。
部屋に入ると授業の先生で祖母である王国の女王メイリーンが立っていた。
「おはようアイリス!!」
「おはようございますおばあさま」
いつもの様に挨拶を終えると授業が始まる
授業はラナーク語の授業、そして簡単な計算問題の勉強をしている
「アイリス?ちゃんと聞いてるんですか??」
「す、すみません..お婆様...」
女王メイリーンは普段は優しいが授業になればスパルタ...
きっとマーリンも大変だったんだろう...
後からわかったのだが母、マーリンの耳が長いのはエルフと人間のハーフで、エルフが祖母の女王のメイリーン
そして人間の祖父の王のサーガからできたのがマーリンだそうだ...
エルフは耳が長い種族でメイリーンも耳が長い。
もう一つ...エルフは教育に厳しいという逸話だがどうやら本当らしい...
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厳しい授業も終わりここからが自由時間だ...
自由時間って言っても...
王国の子で産まれた以上は簡単に外出はできない...
遊ぶ事とすれば...図書室で読書そしておままごと...
おままごとは教育の為に勧められているが正直苦手だ...!!
すごくモヤモヤする...!!!
どうせなら"ドーーン"とか''ガーーン"とか激しい遊びをしたいけど...!?
そんなおもちゃ買って貰えないんだよなぁ〜
と切ない気持ちになりながらトボトボと勉強部屋を後にし長い廊下を歩き図書室へ向かった...
図書室の前へ辿り着き"ガチャ"と大きなドアを開け図書室に入る。
図書室は3階まであり"ズラー"とひっきりなしに本が並んでいる
おそらく数万、いや数十万冊はあるだろう...
マーリン曰く世界中の方が集められてるらしく
わからない事があればここで調べればすぐに解決できると言われているそうだ...
正直、読書は歴史も知れるし為になるから嫌いじゃない...
今読んでいるのは転生についての本だ...
俺は生まれた時から理性があった...
そして最初から覚えていたどこかの言葉
世界中の言葉を調べたがどれも該当しなかった...
おそらく俺の前世は別の世界だと思う...
前に読んだ転生の本に書かれていた話は
転生した者は生まれた時から前世の記憶があり...
言葉を喋れるようになってから親に前世の事を伝えるも
最初は信じて貰えなかったが
彼の話の中には未解決の事件があり解決する事ができて最終的に生まれ変わりだと信じて貰えたという話だ。
この実話と俺が違うのは
俺には前世の記憶がない...
だが、生まれる前に何かやらない事があった様な気がして生まれた時からずっとモヤモヤしている。
そう考えながら一つの本を手にする
おっ!!"転生実話録"か?読んでみよう
本を取り出し机に座りパラパラと音を立て読み始めた
ん?
"前世はふとした瞬間に思い出すことがある"かぁ〜?
産まれて5年になるがその瞬間に出会ったことがないんだよな..
ん??これは?
"前にも同じシーンを見たことあるなどふとした瞬間に出会う事があるそれをデジャヴという...ある人物がデジャヴを起こしそのまま前世の記憶が蘇ったという逸話もある"
これだ...!!!!
今の俺には鍵となる瞬間が必要なのか??
試してみる価値がありそうだな......?
でもこの5年この城で過ごしてきたが何もなかった...
残るは外か??外には鍵となる何かがあるのかもしれない...!!
探しに行ってみようか...?
でも...たまにしか外出はさせてくれないし
できたとしても...付き人付きの外出だから自由に探索できないし...
う〜ん...??そうだ!!一人の外出をマーリンに頼んで見ようかな??
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(お母様...お願いがあるんですが...??)
(あら、どうしたの??)
(一人で外出をする許可をもらいたいのですが...)
(.....う〜んごめんね...あなたはこの王国の時期王女となる者、しかもまだ5歳!!もうちょっと大人になってからにしましょ...?)
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はははっ...
きっとそうなるよねぇ〜
はぁ〜....
そうだ!!!
何も許可なんていらないじゃん...??
ふふふっ
良いこと思いついた!!!