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歴戦の騎士  作者: 若葉
四章 ガルトの旅
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襲撃後

「いやいや、そんな...嘘、ですよね。」


 アクエスは苦笑しながら言った。しかし、ガルトは首を横に振った。


「...本当だ。お互いに、力の六割も出してはいないだろう。」

「...ガルトさんの全力とは、どの程度なのですか?」


 興味本位で聞いてみたアクエスだったが、次のガルトの答えに絶句した。


「...少なくとも、エルフの国は半壊するだろうな。奴も本気を出したのならば、想像もできない程の更なる被害が出るだろう。」


 ◇◇◇


 それから、ガルト達はフラワ城へと戻ってきた。フィルティアは、「気が済んだから帰る」と言って帰ってしまった。


 城へ入るなり、ヘルス国王が駆け足でガルト達の所へ来た。


「ガルトさん、我が同胞を助けていただきありがとうございます...」


 息を切らしながらやってきたヘルス国王をみて、アクエスが言った。


「ヘルス国王、どうなさったのですか」

「えぇ...実は、我らの世界樹が、ガルトさんとの対話を求めているのです。世界樹直々に、私の方へ伝達が来ました。」


 ヘルス国王の言葉に、城中の兵士が驚き、お互いの顔を見合せた。アクエスも目を見開いている。


「...なぜ、世界樹が俺に?」

「世界樹からは、「ガルトという男に伝えなくてはならないことがある」としか...」

「...わかった。行こう。」


 ガルトはその場で決め、世界樹の元へ向かうことにした。ヘルス国王、アクエス、城の兵士たちが同行した。


 ◇◇◇


 城から歩くと、世界樹の前に来た。城よりも大きいため、とても荘厳な雰囲気が漂っている。


 ガルトが世界樹の前に立つと、世界樹に穴が空いた。穴の先には、光り輝く空間があるようだ。


「ここから先は、私たちは同行できません。」

「...わかった。行ってくる。」


 ガルトはその光の空間へと足を踏み入れた...


 その空間には何も無かった。突如、ガルトの目の前に緑色に光る球体のようなものが現れた。


「...貴方が、世界樹。」

「...ええ、その通りです。私は世界樹です。名前はありません。遥か昔からこの星を見守ってきた者の一人です。...それにしても、本当によく似ていますね。懐かしい...」


(...?何を言っている?)


「失礼、こちらの話です。私は貴方に伝えねばならないことがあり、呼び出したのです。」

「...その、伝えたいこととは?」


 ガルトの問いに、世界樹は一拍置いてから話し始めた。


「...この世界の歴史と、剣王についてのことです。」

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