帰還と成長
少し座ると歩けるまで回復したため、ガルトは博物館から出て、二人と合流した。
「おお、えらく時間がかかったな。いいのはみつかったか?」
「あぁ、待たせてすまなかった。」
空は橙になり始めている。夕方だ。三人は集合場所の門まで歩いていった。
門が見えてくると、使者が馬車を用意して待っていた。
「きましたか。ではそろそろ出発しますよ。」
「はい。」
ジュラドが馬車へと乗り込んだ。ガルトが乗り込もうとすると、、ダイモンは少し寂しそうな顔をして言った。
「久々に他の国の奴らと出掛けられて楽しかったぜ。魔族と何かあったら伝えてくれ。俺がすぐに向かうからよ。いつかアストラル国にも顔を出してみるとするかな。じゃ、またな。」
ダイモンが見送る中、馬車は王都ボルケーノの門を潜り出た…
それからまた7日をかけてミート村へと帰ってきた。二週間弱の遠出であった。ガルトは新しく知ったことがあったため、有意義な時間を過ごすことが出来た。
「さ、到着です。お疲れさまでした。ガルトさん、本当にありがとうございました。」
「…俺も良い経験が出来た。ありがとう。」
ガルトが馬車から降りると、ジュラドが窓から身を乗り出して言った。
「今回は突然すみませんでした。アストラル国はドワーフ以外の種族にも訪問をする予定です。また同行していただくことは可能でしょうか…?」
ガルトは少し考えた後、すぐに返事を返した。
「今回の遠出で俺も気になったことがある。また暇が出来たら同行することとしよう。ただし、出発の一週間前には知らせてくれ。」
「ありがとうございます!では、お疲れさまでした。」
馬車が動き出し、笑顔で手を振るジュラドと軽く会釈をする使者。今は夕方である。ガルトはリナの家へと向かうのであった。
リナの家の近くへ行くと、何やら森が騒がしい。
「…ほう。ここまで成長することは予想していなかった。」
ガルトは扉に手を掛けようとしたが止め、森へと行くことにした。
それから少し歩くと、森の奥からうっすらと光が四つ見える。闘気だ。
「…一人、二段階を修得した者が居るな。ここまで早く二段階を修得するとは。」
ガルトは四つの光へと近づいていく。そこでは四人が座り、目を瞑って闘気を出す練習をしていた。マサ、キッド、ドランの三人は一段階の闘気を放出していたが、リナは二段階の闘気を放出していた。
「ん…ガルトさん?おかえりなさい!」
四人はガルトが声をかける前に気づいた。どうやら闘気を修得したことで察知能力も上がったらしい。
「良くできている。二週間弱で闘気を修得することは並みの者では出来ないだろう。リナに至っては二段階の闘気を修得したか。良い成長だ。」
今思うと、「1日で闘気の基礎は覚えられる」とは嘘のつもりでいったのだが、彼らはそれに近い形で修得してしまった。凄まじい努力と才能だ。
四人はガルトに褒められたことが嬉しいのか、一気に笑顔になった。それから全員でリナの家に行く事になった。マサ、キッド、ドランはいつの間にかリナの両親と仲良くなっていたそうで、その日はみんなで夕食を食べた。




