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歴戦の騎士  作者: 若葉
四章 ガルトの旅
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馬車の中

それから、ガルトがリナ達に剣を教え始めてから3日後、王都から馬車がやってきた。ガルトはリナ達には遠出をすると事前に伝えておいたのだ。


「…迎えが来たか。では俺は行く。俺が戻るまでの課題を覚えているか?教えたことを基礎に自分の技とするんだ。いいな。」

「はい!」


元気な返事を聴いてガルトが頷き、リナの家の扉を閉める。馬車へ向かうと、以外な人物が馬車から降りて来た。


「…ジュラド。お前が来たのか。」

「はい。ガルトさんの補佐として派遣されました。」


ガルトの補佐として派遣されたのは闇の勇者、ジュラドであった。


「支度は整っていますか?」

「あぁ。ここにある。このバックへ入っている。食料と水だ。」


ガルトは背負っているバックを親指で差して言った。


「王都からも食料をお持ちしました。支度は大丈夫そうですね。では、行きましょう。」

「あぁ。」


そして、ガルトが馬車に乗り込み、ヒフキヤマ王国へと馬車が出発した………




































「そういえば、ガルトさんは何処で剣を教わったんですか?」

「ん…」


馬車が出発してから少しして、ジュラドが口を開いた。


「……誰からも教わってはいない。」

「え?」

「……我流だ。」

「が、我流でそこまで強くなれたんですか……!?」

「そうだが…」


ジュラドは驚き、口が開いたままだ。


「……あ!あと、この前のアドバイスを元に鍛えてみました。お陰で闘気を三段階まで使えるようになりました!」

「…ふむ、あともう一段階で属性を使えるな。」


(ジュラドが闇の闘気を極めることができれば。王都の警備をすることも可能であろう。)


数日前に現れた刀を持った魔族も現れたため、ガルトは警戒心をあげている。


(いや、あれは魔族だったのか………あの男の言っていった、【五百年】ということが気になる………)


「…ジュラド、お前にひとつ言っておきたいことがある。」

「なんですか?」


ジュラドはキョトンとした顔で聞き返した。


「…数日前、刀を持つ魔族と思われる者がミート村へと現れた。名前はシュラと言う。」

「えっ、でも、ガルトさんなら倒せましたよね?」

「…いや、奴は自分から去っていった。仕留めてはいない。かなりの手練れだ。もしかすると、俺以上の、な。」

「えっ…そ、それと、『魔族らしき者』とはなんなんですか?」


ジュラドはすこし額に汗を浮かべながら尋ねた。ガルトは口を重そうにして呟いた。


「…奴は、五百年以上生きている可能性が高い。奴は自身からそう言っていた。」

「…!?」

「…本来であれば、魔族が五百年も生きることはあり得ん。魔族は人族と対して変わらん。つまり、奴は魔族以外の種族の可能性もあるということだ。」

「長命の種族であれば、エルフ族でしょうか…?」


ジュラドが顎に手を当てながらそう言った。


「わからん。だが、ひとつ言えることは、それだけ長く生きているということは、生きている分だけ知識や経験も蓄えられているということだ。現状は警戒することしかできないだろう。お前も他の勇者も、奴に出くわしたら逃げろ。」

「えっ、なぜですか?」


ジュラドの問いに対し、ガルトはすこし声を低くしていった。


「…奴とお前らが戦えば、十秒もしないうちに終わってしまうからだ。」

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